先日、私と同じ任地に配属される予定の後輩隊員の方から、
当ブログを見ていただいているとの報告を受けました。
現在、福島県の二本松訓練所で派遣前訓練を行っているようなので、
無事に訓練を終えられることを祈ると同時に、
ちょうど2年前に私もその場にいたのだなと懐かしく思います。
さて、昨日に引き続き、
南アの学校教育の課題について書きたいと思います。
今日のテーマは、「強すぎる教職員組合」です。
はじめに日本ですが、日本の教職員組合といえば、
「日教組」と「全教」、「全日教連」等があります。
(日教組‥日本教職員組合、全教‥全日本教職員組合、全日教連‥全日本教職員連盟)
日本の公務員にはストライキ権がありません。(国家公務員法第98条、地方公務員法第37条)
では南アの教職員組合はどうでしょうか。
南アの教職員組合といえば、「SADTU」や「PEU」があります。
特に、「SADTU」は、全国でもたくさんの教師が参加している大所帯です。
また、当ブログでも何回か触れたとおり、
南アの教職員組合は、ストライキ権を持っています。
しかも日本の組合に比べて、かなり強い権限を持っています。
以下、その例を挙げてみます。
・賃上げのストライキを行う
→賃上げのためのストライキを行います。それも結構な頻度で。
(昨年の賃上げ交渉のストライキは、約1ヶ月間強続きました。)
・教育委員会が主催するワークショップへの参加を拒否
→今ターム、教育委員会ともめたせいで、
教育委員会主催のワークショップを行うことができません。(リンク)
・一日実質6時間しか働かない
→午前7時から午後2時までの7時間が勤務時間(途中1時間休憩)なので、
実質6時間しか働かない。他の南アの公務員は8時間労働が基本なのにです。
・どんなに大事な会議でも時間が来ると帰宅する
→これは、本当に多い。ワークショップの途中でも平気で帰る教師がとても多いです。
・簡単に首を切られない
→上記のように組合がかなり力を持っているので、
教員が多少問題を起こしても、首を切られないという意識が高い。
このように、教職員組合が強い南アの学校教育は、健全ではありますが、
アパルトヘイト以降、政府による統制が弱体化して、
相対的に組合が強くなりすぎている現状は、やはり厳しいと言わざるをえません。