今日は、義務教育における留年制度について。
突然のことに、
「えっ」って驚いた方も多いかと思いますが、
南アの義務教育には、留年制度があります。
(ちなみに南アの義務教育は9年です。)
そのため、Gr.1から留年することがあります。
私の知る限り、
毎年、学年全体の約3~5%の子どもが留年しています。
昨日も書きました(リンク)が、
南アの学校の評価システムは、原則、テストの結果のみなので、
点数が取れなかった生徒が留年することになります。
日本の高校(義務教育ではない)だと、
ある年に留年するかもしれない生徒がいたら、
「進級判定会議」なるものを行い、
その子の将来を考えて、総合的に判断します。
(試験結果のみならず、出席日数や生活態度までを含めます。)
しかし、南アの留年制度の場合は、
多くは試験の結果のみで、機械的に落とします。
(進級判定会議に相当するものを見たことがありません。)
しかも、全10教科のうち、
現地語(SiSwati)と算数のみで判定します。
(あとの8教科の成績は、ほとんど考慮しません。)
では留年した子は、次の年にどうなるか。
もちろん進級できないので、同じ学年に残ることになります。
多くの友達が進級しても、同じ学年に残ることになるので、
留年した子どものほとんどが、次の年に別の学校に転校します。
(南アは、学校登録制なので、学校を変更することができます。)
こうしたことをみていると、
留年制度があまり機能していないように思います。
結果として、指導に時間を要する子どもを
よその学校へ追い出すことにもなりかねません。
もちろん日本ではないので、
外野の私がとやかく言うことではありませんが、
近い将来、制度の見直しがなされることを祈っています。