けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

既にプーチン大統領は「損切り」を行ったのか!?

2014-03-31 23:56:28 | 政治
相変わらず混沌としたウクライナ情勢であるが、ロシアやウクライナ問題と言えば日本での第一人者は元外交官の佐藤優だと思い、ウクライナ問題について語っているサイトを探してみた。その中で、「文化放送『くにまるジャパン』3月7日放送分〈佐藤優〉ウクライナ問題」で、佐藤優氏がウクライナ問題について語っており、さらにこの内容をルビーさんとい方の「太平洋戦争史 Plus シルバーバーチ」というサイトで文字お越しをしていた。以下がそのページである。

ウクライナ問題・ロシアのクリミア併合(1 / 3)【佐藤 優】
ウクライナ問題・ロシアのクリミア併合(2 / 3)【佐藤 優】
ウクライナ問題・ロシアのクリミア併合(3 / 3)【佐藤 優】

細かいところをここで要約するつもりもないので、今日は幾つか個人的に気になった点、ポイントだけをピックアップしてコメントしてみる。私の過去のブログ、「ウクライナ情勢を再考してみる(1)」「ウクライナ情勢を再考してみる(2)」でも書いた通りで、ウクライナ暫定政権に含まれる極右勢力が気になり、それが元でウクライナの内紛が気になっていたのだが、佐藤優氏の上記のサイトでもその辺の事情を詳しく説明していた。佐藤氏曰く、第2次世界大戦ではウクライナは、30万人がナチス・ドイツ側につき、200万人がソ連側に付いて戦ったという。ナチス側の人々はバリバリにユダヤ人虐殺に関与し、ポーランド人やチェコ人を殺害しまくったという。西ウクライナ側にはこれらの勢力が多くいて、終戦後も反ソ連闘争を続けていて、ソ連の支配を嫌った人々がカナダに渡り、現在ではウクライナ系のカナダ人が120万人いるという。これらのウクライナ・ロビー勢力の影響を受けて、カナダ、イギリスなどが強硬なロシア制裁を主張しているのだという。西ウクライナの暫定政権の勢力の中には、この様な反ユダヤ、ウクライナ民族至上主義の人達が少なからず含まれていて、これらの勢力を称して佐藤氏はウクライナを「毒サソリ」と呼んでいる。クリミアに侵攻したロシアを「毒ヘビ」と呼ぶならば、まさに毒ヘビと毒サソリの戦いだから、一方にノー天気に加担することのリスクは推して知るべしということらしい。

また、ティモシェンコ元大統領も一部では持て囃しているかも知れないが、所詮は汚職などで腐敗したウクライナのお家芸の継承者であり、結局はお金で右にも左にも行くということらしい。だから、ヤヌコビッチ元大統領が失脚してバラ色の未来が約束されたのではなく、単に毒ヘビが毒サソリに代わった程度の差でしかなかったりするのである。更には、ウクライナ人、ロシア人、クリミア・タタール人などの民族間の問題は非常に根深いものがあり、ウクライナ人はイスラム教系で、その中にはアルカイダの勢力も存在するという。だから、この民族紛争のリスクが非常に高まっており、一旦、民族紛争が着火するとどうしようも手が付けられなくなり、その点がロシアにとっても全く同様に「リスク」であるという。これはロシアと我々日本との共通の利害であり、佐藤氏的にはこの辺を共通認識することで問題解決に繋げるというのがポイントの様である。この様な視点で見れば、佐藤氏的には現在の日本政府の対応は十分に及第点を与えられる内容であり、評価できるとのことである。

とまあ、手前味噌ではあるが漠然と私なりにブログで書いていたことは概ね外れていなかった様である。ただ、少しだけここには記されていないことに気が付いた。私は過去のブログ「安倍総理はオバマ大統領に、ウクライナ問題の「損切り」を早期に促せ!」で、例えば今後起こり得る同様の事案に対するルールの確立を求めたり、クリミア自治共和国の住民投票の公平性を担保したりと、何らかの許容できる妥協点を探し、早期に損切りを行うことで事態がこれ以上悪化することを避けるべきだと書いてきたのだが、実際には事態はもう少し先に行っていたのかも知れない。と言うのは、ウクライナの西ウクライナと東ウクライナでは上述のように民族や宗教や様々な意味での対立があり、本来であればロシアは欲を出せば東ウクライナの一部も手放さずに済んだのかも知れない。しかし、その欲は民族紛争に繋がるリスクがあり、今ここでロシアが直接介入するのはマイナスの要素が高いのだと思う。勿論、東ウクライナにもロシアに繋がりの深い軍事産業があったりするから、その手の機密事項の漏えいなどは十分なリスクではあるが、それを何処かで見切りをつけて、最低限確保したい利益としてクリミア自治共和国の軍事施設のみに的を絞ったと見ることができる。つまり、ロシアのプーチン大統領はウクライナに対する損切りを早期に行い、その見返りにクリミア自治共和国を手に入れたのである。明らかに決断力が高く、リスク管理の意識が高いと言わざるを得ない。さらに言えば、所詮はウクライナは汚職天国の国だから、数年後には再度、同様の混沌とした状態になる可能性があり、天然ガスの価格を暴騰させたりすれば、ウクライナ国内での国民の鬱憤が溜まり、その際に振り子が逆に振れれば親ロシア政権ができるかも知れない。そこで一発逆転を狙った方が、よっぽど安全で確実な対応なのである。

つまり、オバマ大統領がやるべきことをもたついている間に、既にプーチン大統領はそれをやってしまっているのではないか?私にはその様に見えてきた。今後の展開はまだ見えないが、佐藤氏の見立てを参考にすれば、この辺の状況を安倍総理とドイツのメルケル首相がオバマ大統領にどの様に諭すかがポイントになるのかも知れない。

←人気ブログランキング応援クリックよろしくお願いいます


最新の画像もっと見る

コメントを投稿