源龍乃介のまたたび

国際分散投資投資・不動産が主な内容です。

賃貸で必要な費用

2010-12-18 | その他
賃貸物件を探す時、近くの不動産会社に訪問するか、インターネットで物件を見つけてそこに記載されている業者に問い合わせする、ということが一般的だと思います。しかしこれでは余計な費用がかかってしまいます。今回は、どのようにすればお得に賃貸契約を結ぶことができるか考えてみましょう。

まず、賃貸で必要な費用は以下の通りです。

・家賃
・敷金
・礼金
・仲介手数料
・保証料(保証人が手配できない時)
・火災保険料
・引越し費用
・フリーレント(費用が浮く)
・早期解約条項(例:一年以内の解約の場合家賃1ヶ月分を支払う。フリーレントとセットになっていることが多い。)

まず「敷金」に関しては、退去時にほとんど返ってくるので、それほど気にしなくてもいいような気がします。しかし、物件によっては4ヶ月というように高額に設定されているものもありますので、交渉をして2ヶ月に落としてもらうことも必要でしょう。

「礼金」「仲介手数料」は仲介業者によって異なります。この二つは削ることが容易なので、賃貸契約で費用を抑えたいという場合、まずこの二つを削ることを考えるといいのではないでしょうか。

「ZEROC」

例えば上記の不動産仲介業者の物件を見てみると分かりますが、礼金と仲介手数料が部屋によって異なっています。こちらのサイトで礼金と仲介手数料がゼロの物件を選んでもいいですし、交渉してみてもいいでしょう。

仲介手数料をゼロに設定している仲介業者は複数ありますが、おとり物件(契約済みの物件)をあえて載せて、問い合わせがあった客に違う物件を進める業者もありますので、業者選びは慎重に行った方がいいでしょう。

一方、三井・三菱・住友などの大手仲介業者は、仲介手数料を引く交渉をしても難しいと思われます。

こうして見てみると、ZEROCのような仲介手数料がゼロの業者に物件を探してもらえば良いように思われますが、一長一短あります。短所は下記の通りです。

・オーナーの懐具合が分からない。(交渉が弱くなる)
・全ての物件が仲介手数料ゼロになるわけではない。

交渉事は交渉相手の情報を得れば得るほど有利に働きます。そのため、家賃交渉・フリーレント交渉などの際、仲介業者の裏に隠れているオーナー(貸主)の状況を把握していると有利になります。このオーナーの状況を最も把握しているのは、当然のことですが、オーナーから直接依頼を受けた不動産業者です。その直接依頼を受けている仲介業者を調べて、そちらに依頼すれば、営業にもよるので運の要素がありますが、大幅な値引き交渉が可能になることがあります。

10月末は引越しする人も少なく、企業(オーナー)の中間決算のことが多いので、交渉が有利に働くことが多いようです。家賃が2~3割下がった例もありました。

あと気をつけなければいけないのは、「早期解約条項」です。普通、家賃交渉ではこちらの条項は話に上がりません。契約の読み合わせの時に突然出てくることがほとんどです。フリーレント2ヶ月+1年以内の早期解約時に2ヶ月分の家賃負担、という条件であれば問題ありませんが、稀にフリーレント分よりも早期解約が高く設定されていることがあるので、注意が必要です。家賃などの条件交渉時に、早期解約条項も確認して、それも含めて交渉するのがお勧めです。

2010年騰落率

2010-12-17 | 国際分散投資
年末にかけて市況が回復してきています。外国株式の上昇が見られますが、同時に円高も進行していたため、日本円に換算するとそれほど伸びていません。見方を変えれば外国の資産を安く購入することができるので、円高の今が外国への投資のチャンスでもあります。今年はアセットアロケーションおよび購入する商品に変更はありません。

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(日本株式)

「1306 TOPIX連動型上場投資信託」
2009年12月下旬の基準価格:896
2010年12月下旬の基準価格:916

上昇率:+2.23%

(日本債券)

「STAM 国内債券インデックス・オープン」
2009年12月下旬の基準価格:10386
2010年12月下旬の基準価格:10467

上昇率:+0.78%

(外国株式)

「STAM グローバル株式インデックス・オープン」
2009年12月下旬の基準価格:6386
2010年12月下旬の基準価格:6744

上昇率:+5.61%

(外国債券)

「STAMグローバル債券インデックス・オープン」
2009年12月下旬の基準価格:8811
2010年12月下旬の基準価格:8052

上昇率:-8.61%

(エマージング株式)

「Vanguard Emerging Markets ETF(VWO)」
2009年12月下旬の基準価格:41.28ドル
(円ドル:88.73)   :3663円
2010年12月下旬の基準価格:47.38ドル
(円ドル:83.63)   :3962円

上昇率:+8.16%

(標準的なアセットアロケーション)

内藤氏の書籍による、標準的なアセットアロケーションを
基に騰落率を計算してみると、以下のようになります。

日本株式:30%
日本債券:10%
外国株式:20%
外国債券:20%
流動資産:20%

上昇率:+0.1%

このアセットアロケーションの標準偏差×2
(95%の確率で生じる変動範囲)は17.1%です。
過去の平均リターンは+6.3%ですから、
95%の確率での変動範囲:+23.4%~-10.8%

(自分のアセットアロケーション)

日本株式:20%
日本債券:0%
外国株式:40%
外国債券:30%
エマージング株式:10%

上昇率:+0.9%

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不動産売買に伴う仲介手数料

2010-12-14 | その他
不動産を売買する時に、不動産会社に仲介手数料を支払います。ほとんどの業者が物件価格の3%+6万円なのですが、一部格安でサービスを提供してくれる業者があります。そのような業者の特徴をよく理解した上で利用すれば、仲介手数料を抑えることが可能です。

例えば、下記の業者では、売却の仲介手数料が10万円~100万円になります。

アローズリアルエステート
リード

売却の仲介手数料が安くなるのは以下の理由が多いようです。

・購入者を自社で見つけてきてその人から購入仲介手数料を受け取る。
・レインズ(ほとんどの不動産業者が見ることのできるデータベース)に載せて販売活動は購入側の不動産業者に任せる。

同様に、購入の仲介手数料が安くなる業者もありますが、こちらは下記の理由が多いようです。

・不動産の売主が仲介業者を通さずに直接レインズなどに登録しているため、売主側の仲介手数料が必要なくなり、それを買主に還元している。

上記のように、仲介手数料を安くしているのはそれなりの理由がありますので、ただ単に仲介手数料が安い業者に頼めばよいというわけではありません。一長一短あります。業者と不動産売買の契約を結ぶ前に、時間をかけてよく調べて長所と短所を納得されてから、契約するのが良さそうです。

ちなみに、大手の不動産業者のほとんどは仲介手数料が3%+6万円で、仲介手数料の値引きにも応じないと言われています。しかしこれは原則で、「○○万円引いてよ」という普通の交渉では無理ですが、上手く交渉すれば値引きがある事例を何回か目にしてきました。

中国

2010-12-11 | その他
仕事で中国の人と接する機会が結構ありますが、中国の人を見ていると頭が良い・賢いと思うことが多くあります。

日本人が持っている中国(人)に対するイメージは一般的に、尖閣問題で垣間見られた強欲さ、今回のノーベル平和賞で見られた人権無視の一党独裁、マナーの悪さ、などマイナスのイメージが多いと思われます。

しかし、最初に申し上げた通り、実際に中国人と接してみると、日本人よりはるかに質問が多く、その質問の内容も鋭いと思わせるものが多くあります。

もちろん、日本に渡ってきて、日本語もある程度話すことのできる人たちですから、中国国内よりも優秀な人が来ている可能性は十分あるのですが、自分の中では中国に対する見方が少し変わりつつあります。

先の強欲さ、一党独裁、マナーの悪さも、それなりの理由があってやっている場合もあるのでしょう。民主主義は優良なシステムだと思いますが、それを他の国に間接的にでも強要するのは良いことなのかどうか。考えさせられる出来事が続いています。

住宅を投資として考える(2010年6月)

2010-06-24 | コラム
一昔前に流行した、ロバート・キヨサキ著の「金持ち父さん貧乏父さん」では、持ち家は資産ではなく負債と記載されています。もちろん住宅ローンや管理費修繕費などの諸経費が毎月引かれていきますから、負債というのは言い得て妙だと思います。

その一方、持ち家に住むと、賃貸で支払う月々の家賃が不要になるので、無駄な負債(家賃)が減少します。

上記の二つの視点を合わせて考えると、「持ち家は、負債を増やしもするし(住宅ローン・諸経費)、減らしもする(家賃相当額)」ということになります。

負債の増加する部分と減少する部分、両者の額を知ることが重要で、減少する負債の方が、増加する負債よりも大きければ、賃貸よりも持ち家の方が有利ということになります。(厳密に言えば、賃貸で余ったお金を投資に回す場合は、その利回りと比較する必要があります。)

最近、この負債の増加分と減少分について考えていたのですが、厳密に試算するのは容易なことではありません。物件を購入する人・対象となる物件によっても変化するので、困難さは更に増すことになります。これからいくつかシミュレーションを行いますが、上記の理由により、環境によって変化するものですし、見落としもあると思いますので、参考程度に見ていただければと思います。

(1)持ち家に必要な費用

まず、賃貸では不要なのですが、持ち家で必要になる費用を挙げてみます。

・管理修繕費
・固定資産税
・リフォーム代
・住宅ローン利息分
・物件時価減少額

住宅ローンは元本部分と利息部分に分かれますが、元本部分は物件売却時に投入額として住宅ローンから差し引かれるお金になるので、無駄にはなりません。費用としては、利息部分のみ考えることにします。

物件時価減少額ですが、当然のことながら、購入した物件は時価が変化します。その変化した金額を費用として計上しています。これに関しては賛否両論あると思いますし、特に持ち家を売却しないでずっと持っている場合は、増減を気にしなくて良いとの意見もあります。しかし、途中で売却する必要が出てくる可能性もあるでしょうし、ずっと持ち家にすると言ってもいつかは建て替えが必要になり、その時に購入時の物件価格がそのまま評価されるわけではありません。よって、時価の増減を考慮しています。

(2)持ち家の条件

上記を踏まえて、エクセルによるシミュレーションを行ってみます。条件は下記の通りです。

・5000万円の物件
・頭金1000万円、諸経費250万円で購入
・4000万円30年ローン、金利2.5%
・住宅ローン減税3000万円分、最高額300万円適応(H24年を想定)
・持ち家と同じ条件の物件を賃貸した場合の家賃(年額)を物件の約5%と想定
・この家賃相当額は10年ごとに10000万円/月減少
・修繕費が5年ごとに4000円/月上昇
・物件時価は1%/年減少

(3)シミュレーション結果



(クリックして拡大すると数字が読めます)

この表の、「家賃相当額」「管理修繕費」「リフォーム」部分は1ヶ月の額で、他は1年の額になります。

「年間収支」というのは、単純にお財布からお金が減少する額(負債の増加額)。「家賃後収支」とは、家賃を支払う必要がなくなるので、それを考慮した額(負債の増加額と減少額を合計した金額)になります。

「家賃後利回」とは、「家賃後収支」を「投資額」で割って100をかけた数字です。持ち家を投資と考えると、この「家賃後利回」が投資利回りということになります。

30年所持して平均利回り3.05%。年数が浅い方が利回りが良いのは、投資額が少ない(住宅ローンを利用したレバレッジをかけている)のと、家賃相当額が多い、管理修繕費・固定資産税が少ないためです。

こうして表を作成してみると、投資ファンドが築年数の浅いうちに物件を売却しようと目論む理由が少し理解できます。

他のポイントしては、時価の減少を抑えられる物件を見つけることが重要と言えます。今回の資産ではタワーマンションを想定しているため、物件の下落率を少なくしているのですが、一般的なマンションでは、下落率はもっと大きなものとなるでしょう。その場合は、利回りは減少します。大地震の時に地震に弱い物件だと時価が大きく減少することを考えても、物件選びは非常に重要だと思います。

iPad

2010-05-27 | その他
iPadが明日発売になります。購入を検討しているので、種類と価格についてまとめてみました。

iPadは大きく分けて下記の二種類に分類されます。

「Wi-Fiモデル」

・Wi-Fi無線通信
・Bluetooth 2.1
・重量 680g

「Wi-Fi+3Gモデル」

・Wi-Fi無線通信
・Bluetooth 2.1
・ソフトバンク3G
・他に通信手段あり
・GPS内蔵
・重量 730g

重要な違いとしては、Wi-Fi+3Gモデルの方が、

(1)携帯の電波を切り替えて使用することが可能
(2)上記の場合、別途ソフトバンクとの契約が更に必要
(3)GPSを使ったナビゲーションが可能
(4)重量が50g増える

といったところです。



料金は、本体価格と通信料金に分かれます。+3Gモデルの方が本体価格1万円アップ、3Gを使用するとなると更に+3,225円/月アップになります。

(本体価格)

「Wi-Fiモデル(32GB)」
58,800円

「Wi-Fi+3Gモデル(32GB)」
67,920円

(通信料金)

「Wi-Fiモデル(32GB)」
プロバイダーによる料金

「Wi-Fi+3Gモデル(32GB)」
Wi-Fi部分:プロバイダーによる料金
3G部分:3,225円/月(データ定額プラン時)



GPSによるナビゲーションを利用する場合は、+3Gモデル。その必要がなければ、Wi-Fiモデルということになると思われます。Wi-Fiモデルだと野外で使用するのに不便のような感じがしますが、携帯用のPocketWiFiを追加すれば、殆ど問題ないようです。

自分の場合は、自宅ではデスクトップPC、職場ではノートPC、野外では携帯という使い分けで特に困っていないので、iPadに対する必要度はそれほど高くありません。ただ、リビングの見栄えが悪くなるので、自宅のデスクトップPCをリビング隣の洋室に置いているのですが、リビングのソファーでテレビを見ながらPCを操作したい時があります。その為に購入するかもしれません。かなり贅沢な使い方ですが。

自宅内・職場内・野外で移動しながらPCを使用したいが、ノートPCでは重いので、もう少しスマートに行いたいという人にとっては、価値のある商品だと思われます。



iPadが劇的に人々のライフスタイルを変えるかどうかは、これから配信されるコンテンツと操作性にかかっているのではないでしょうか。iPodに対する音楽配信のように、書籍・動画が低価格で大量に配信され、電子書籍の欠点となる、書籍の中身全体を俯瞰できないという問題が克服されれば、書籍とテレビ番組が、iPadに移行していくような気もします。著作権の問題もありますが、ぜひともクリアして欲しいものです。

管弦楽組曲第1番 J.S.バッハ

2010-02-28 | クラシック
管弦楽組曲第1番はJ.S.バッハが1720年前後に作曲したと言われています。管弦楽組曲は第1番から第4番まであり、ところどころに有名な馴染みのある曲があるのですが、それ以外にも味のある曲が多く含まれています。

それぞれの調は、第1番ハ長調、第2番ロ短調、第3番ニ長調、第4番ニ長調なのですが、この管弦楽組曲は調の特徴が分かりやすく、それぞれを比較して聴いてみると面白いと思います。

第1番ハ長調は、安心感のある明るさを持っており、屈折した表情がほとんどない純粋な美しさがあります。場所を選ばず落ち着くことができ、包まれるような美しさを持っている曲なので、個人的には大変気に入っています。

それに対して第2番ロ短調は、暗さの極致。暗さを通り越して怖さすら感じる調で、特に序曲の出だし30秒は強い恐怖を感じます。そのあと、短調特有の味のあるメロディーと和音になり、暗さの中から滲み出てくる美しさがあるので、好きな人は結構いるようです。第1番第5曲と第2番第6曲に、メヌエットという同じ形式の舞曲が出てくるのですが、調の変化と演奏の仕方でこんなにも違いが出てしまうのかと驚くくらい表情の落差があります。

第3番ニ長調は、威風堂々とした希望にあふれた明るさをもっていますが、この第1曲序曲と第5曲ジーグは特にそのように感じます。第5曲ジーグの最後40秒、堂々とした高らかに鳴り響くトランペットの合間に流れるバイオリンの美しい旋律には痺れます。第4番ニ長調も同様ですが、第3番の方が人気があるようです。

現在では組曲と言えば、バレエ音楽やオペラの音楽から演奏会で演奏可能なものを指すことが多いと思いますが、バロック時代の組曲は、そのような様式ではなく、さまざまな舞曲を組み合わせたものという意味になります。基本的にはアルマンド→クーラント→サラバンド→ジーグという4曲で構成されるのですが、他の舞曲を挿入してみたり、曲の最初に序曲をつけてみたりということが行われていました。

お勧めの音源は、以下になります。ブランデンブルク協奏曲と管弦楽組曲第1~4番などが含まれています。

「バッハ:ブランデンブルク協奏曲」
ミュンヘン・バッハ管弦楽団
リヒター指揮
1960年代演奏
ユニバーサルミュージッククラシック
2002年販売

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(構成)

第1曲:序曲(ouverture)

ouvertureはフランス語で開始を意味するもので、フランスのオペラ作曲家であるリュリにより考案されたものになります。そのためフランスの影響を強く受けています。緩急緩の3部構成で、付点リズムを特徴とする緩徐部分からフーガ風の急速部分、そして緩徐に戻るのが定番だったようです。管弦楽組曲第1番の序曲はその定番通りの演奏で、安心感のある明るさのなかに堂々とした荘厳さも含まれています。管弦楽組曲第3番序曲も堂々とした荘厳さを持っているのですが、第1番はそれよりも荘厳さを控え、代わりにゆったりとした安心感のある空気が流れています。

第2曲:クーラント(courante)

クーラントとは、フランスのクリール(走る)に由来し、フランスを起源とする宮廷舞曲で、2分の3拍子または4分の6拍子による2拍子と3拍子との混じりあいが特徴と言われています。日本人には馴染みの薄い3拍子ですが、ヨーロッパではキリスト教の影響で三位一体・完全を意味する3の数字が音楽にも反映されており、舞曲でよく使われています。馴染みの薄い3拍子でリズムを取ろうとすると2拍子のリズムが邪魔をし、さらにアウフタクト(小節終わりの弱い音から始まる)、小刻みな短い音に混じって時々流れる断ち切るような長い音(しかも伴奏も一緒になって長い音になるのでビートを刻む人がいなくなる)、これらも加わってリズム感を保つのに難しい曲だと感じています。それが楽しさ喜びをよく表現している旋律と合わせて、いい味を出しているのかもしれません。

第3曲:ガヴォット(gavotte)

ガヴォットとは、フランスのブルターニュ由来の舞曲で、4分の4拍子または2分の2拍子のリズムをもったものです。

第4曲:フォルラーナ(forlane)

フォルラーナとは、北イタリア起源の舞曲と言われています。この曲では4分の6拍子で、流れるように美しい旋律と伴奏を奏でています。

第5曲:メヌエット(menuet)

メヌエットとは、フランスの民俗舞曲を起源とする宮廷舞曲で、4分の3拍子で宮廷舞曲らしく優雅なのが特徴になります。この曲はシンプルですが、3拍子のリズムに合わせていると実に優雅で、宮廷音楽らしさを感じます。

第6曲:ブレー(bourree)

ブレーとは、フランスのオーヴェルニュ由来の舞曲で、早いテンポの2拍子が特徴になります。この曲のブレーも踊りたくなるようなリズムになっているのですが、1分後からハ短調への転調によって陰の部分が表れて表情が一変します。

第7曲:パスピエ(passepied)

パスピエとは、運ぶ足という意味で、フランスのブルターニュ由来の舞曲になります。8分の6拍子、8分の3拍子の早い舞曲となります。基本はそうなのですが、この曲では、4分の3拍子で、ややゆったりとした品のある舞曲になっています。

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J.S.バッハ

2010-02-21 | クラシック
個人的にクラシックで最も好きな作曲家になります。J.S.バッハが活躍した1700年前後はバロック時代になりますが、バロックという言葉は、もともと建築や彫刻の世界で、複雑で矛盾に満ちた人間の感情を総合的に表現するために生まれた様式で、曲線を多用し過剰な装飾を持つのが特徴になっています。それが音楽の世界にも転用されることとなりました。

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[経歴]

1685年、ドイツのアイゼナハに出生し、1694年と1695年に父母が死去したため、オールドルフでオルガニストをしていた長兄ヨハン・クリストフの家に引き取られた。ここでクリストフはバッハにチェンバロを教え、ドイツ・フランス・イタリアの作曲家の曲をふんだんに聴かせた。同時にラテン学校にてルター正統派の徹底的な教育を受ける。

1700年、学友のゲオルク・エルトマン(後にロシア皇帝の大使)とともにリューネブルクに移動し、聖ミカエル教会の朝課合唱隊に就職する。

1701年、ハンブルグを訪れ、聖カタリナ教会でヤン・アダムス・ラインケンのオルガン演奏を聴き、対位法の魅力を知る。

1703年、テューリンゲンのアルンシュタット教会のオルガニストに就任する。その間にリューベックにてブクステフーデのオルガン演奏に魅了され、彼から4ヶ月間指導を受ける。

1707年、ミュールハウゼンの聖ブラジウス教会のオルガニストに就任する。遠戚にあたるマリア・バルバラと結婚する。

1708年、ワイマールにてザクセン=ワイマール公の宮廷オルガニストに就任する。

1714年、楽師長(宮廷楽団のコンサートマスター)に就任し、月に一曲ずつカンタータを作曲することを義務付けられる。この時期に何曲もの偉大なカンタータが生まれている。また、ヨハン・エルンスト公子の注文に従って、ヴィヴァルディなどの曲をもとに16のチェンバロ協奏曲と5つのオルガン協奏曲を編曲している。

1717年、ケーテンの宮廷楽長に就任し、17人のオーケストラを指揮することとなる。このオーケストラのために、「ブランデンブルク協奏曲」「無伴奏バイオリンのためのソナタとパルティータ」「無伴奏チェロ組曲」など有名な曲を作曲している。ケーテンの宮廷が同じプロテスタントでも敬虔派に近いカルヴァン派の教会に属していたため、この時期は宗教音楽をほとんど作っていない。

1720年、領主レオポルト公のお供で湯治場で有名なボヘミアのカルルスバート滞在中、妻のマリア・バルバラが急死する。

1721年、宮廷トランペット奏者の娘でソプラノ歌手の、アンナ・マクダレーナ・ヴィルケンと結婚する。

1723年、ライプツィヒの聖トマス教会付属学校のカントル(音楽監督)に就任する。ここでは、校長・市長・市参事会・聖職会議の命令に従う必要があり、これが晩年までバッハを苦しめることになる。基本給は前職の四分の一で、労働環境も劣悪だったが、教会音楽に関わることができるということと、子供の教育を考えて赴任したと言われている。全300曲近くあるカンタータのほとんどを、この時期に作曲した。また、「マタイ受難曲」「ゴルトベルク変奏曲」「ロ短調ミサ曲」といった傑作が、この時期に生まれている。

1737年、批評的音楽家という雑誌が創刊され、昔の弟子であるヨハン・アドルフ・シャイによって誇張や過度の技巧を批判される。時代は荘重で複雑な技巧を凝らしたバロック音楽から、平明で感傷的なロココ音楽に移行していた。

1747年、次男のカルル・フィリップ・エマヌエルがポツダム宮殿の大王の宮廷に仕えていたこともあって、フリードリヒ大王に拝謁する機会を得る。この時に、王から主題を与えられ、3声のフーガを即興演奏した。これを後に6声のフーガにまとめ、「音楽の捧げ物」となった。

1750年、最後の傑作「フーガの技法」作曲中に病に倒れ、永眠する。享年65歳であった。

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バッハと聞くと、一般的に聖人君子の印象を持つ方も多いのではないでしょうか。確かに人徳に優れ卓越した知識と教養を持っていましたが、その一方で、指導していた合唱隊の一人を感情的に叱ったり(恨まれて後に暴行騒ぎになる)、とあるオルガニストを靴屋になった方がましと言ってみたり、子沢山でお金に困っていたため俸給の高い職につくように行動したり、家庭では理想的な暮らしをしていたものの、音楽に対しては頑固で、しばしば周りの人と対立するという不器用さを持っていたり、極めて人間くさい一面がありました。

ヨーロッパ発祥のクラシック音楽はキリスト教と深い関わりがあり、キリスト教の衰退とともに、次第に人気がなくなっていったと主張する方もいます。

確かにクラシックコンサートでは、小さな物音もたてないのがマナーとなっており、真面目な演目を真面目な演奏で聴くと、自分のような無宗教の人でも敬虔な気持ちになるものです。

バッハはプロテスタントルター派の信者で、信仰心も篤かったと言われています。一般的に神は絶対的な存在で、形に表すことのできない存在だと考えています。そう考えると教会音楽の一部は、絶対的な音を表現していると考えることもできます。つまり、川の流れとか山の風景・人物・人間の喜怒哀楽といった目に見えるものを表現するものではなく、言葉でも表現することのできない音楽。強いて言葉にするなら、神のような音楽になります。

また、バッハの曲はポップスやジャズに応用されていますが、違う分野で応用が効くのも、絶対的な音の美しさがあるが故なのかもしれません。

幼児教育(音楽)

2010-01-24 | その他
子供がいないので人ごとのように見ていることも多いのですが、雑誌などで教育関連の記事を目にしたときに、自分に子供がいたらどのように育てるかと想像することがあります。

音楽の分野でも幼児教育というのはありますが、調べてみて驚いたのですが、自分が想像していた以上に体系だっていました。

ザーラ音楽教室 幼児音楽クラス
リトミック

幼児の音楽教育にはリトミックとソルフェージュというのがあるようです。簡単に言えば、「リトミック」は、幼児に音楽を聞かせたり感じたりさせることで、音楽への興味を引き出したり、音感・リズム感を養ったりするもので、「ソルフェージュ」は、楽譜を読んでその曲を理解する能力を養ったり、音を聞いて楽譜に書き取る能力を養う教育になります。

バイオリンの教室を探すついでに音楽教室でお話を伺ったところ、リトミックは早い子で0歳から。遅くとも小学校入学前に終わらせるものとのことです。子供が自然に生活していて、楽器に興味を持つのは小学生入学してからということが多いと思いますので、こちらのリトミックへは、子供が楽器に対する興味を覚える前に、親が意識して通わせるものになります。

子供を音大に通わせて音楽の道に進ませたいという人にとっては、間違いなくリトミックとソルフェージュは必要になりますが、趣味程度に子供に音楽を学ばせたいというのであるのなら、幼児教育は少し過剰なのではないかとも思います。しかし、バイオリンの講師と接してみると、正式な教育を受けることへの重要性が分かりますから(素人とは知識レベル・音楽への感性が全然違う)、趣味レベルでも幼児教育を学ばせた方が子供のためかなとも思ったりします。

子供の習い事、学校の進路なんかは、考えるのは大変そうです。しかしそこが面白いところでもあるのかもしれません。

暴騰時名言集

2009-12-29 | 国際分散投資
前回とは反対に、暴騰時に役に立つ名言集です。

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・2000年3月のような非常に強気の相場の下では、株価収益率は30倍を上回る水準にあった。

ウォール街のランダム・ウォーカー

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・商品ファンドは? ノー。いずれ商品バブルが起きて、馬鹿げたほど高騰した後になってあなたを魅了するファンドが登場するだろう。けれども、株式や債券と違って、商品にはそれを支えるファンダメンタルズ(利益や配当や利払い)が存在しない。

マネーと常識

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・長期投資ではそのほかの金融資産に比べて株式の利回りが一番高いことをよく理解している投資家でさえ、株価が高値圏にあるときには株を買ってはいけないと信じている。しかし、長期投資にあっては、この考えは間違っている。

・株価がピークにあるときに投資を始めたとしても、株式の利回りはそのほかの金融資産の利回りを上回ることがわかる。

・たとえ株価の高値で売り抜けることができたとしても、それだけで多額の利回りを手にすることができるとは限らない。マーケットが高値で沸いているときに売るのが困難なように、株価が安値にあり悲観論がはびこっているときに底値で買うのはさらに難しいからだ。
 1987年の株価暴落以前に、高値で売り抜けられたことを自慢するという投資家は数多くいる。しかし、彼らの大半はその後、株価が直近の高値を超える水準に上昇するまで買いを入れることはできなかった。株価が下がり始める前に高値で売り抜けたことに満足したとしても、再び株を購入する時期を正確に測れなくては意味がない。こうした投資家たちはたいてい、売りどきや買いどきといったものに惑わされずに株式を長期で保有し続けた投資家に劣る利回りしか得られないものだ。

・1929年9月、1933年7月、1946年6月、1961年11月、1987年8月に起こったように、株価の急騰がPERを押し上げた場合、その後5年間の株式の実質利回りは平均1.1%であった。株価の急上昇は、将来の利益成長に対する過剰な楽観が原因のことが多い。期待通りの成長が達成されない場合、株価は下落し、利回りも低下する。

・過去130年間の株式市場の平均PERが14.45であることを示している。つまり、株式益回りは14.45分の1である6.8%である。

株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド

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・「ファンダメンタルズから乖離したリターンは、短期的な価格変動リスクを生むが、その長期的な平均値はゼロになる」

日本経済のリスクプレミアム

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・市場タイミングに賭けるべきではない理由の一つは、運用機関の実績を歴史的に見ると、現金比率をきわめて高くとった時でも、フル・インベストした時と同時に相場が上昇しており、また下落の場合も同じ傾向がみられるということである。
 第二の理由は、さらに衝撃的である。過去75年間という長期間で見た場合、株式リターンのほとんど大部分は、上昇率ベストの60ヶ月間に-この900ヶ月という長期間のわずか7%だが-達成されているという。もしわれわれが、これがどの月かを見分けることができれば、その利益は測りしれない。しかし、それはまったく不可能なのだ。われわれが知りうるのは次のような、単純で、貴重な事実である。すなわち、もしわれわれがこのベストの上昇月を逃したら、まるまる二世代という長期間にわたって蓄積される利益のほとんどを失ってしまうということだ。
 投資家は、「稲妻が輝く瞬間」に市場に居合わせなければならないということだ。

・適切な運用基本方針-市場の長期的な上昇力をうまくとらえるようなポートフォリオを作り上げる方針-を設定し、かつ、それを軽々に変更しないところから成功は得られるのである。長期展望と明確な目的を持った投資家が、現実的かつ十分な情報の下に作り上げた運用方針こそが、ポートフォリオを編成し、長期間の相場サイクルの下でそれを適用していく際の基礎となる。

・株価が上がった時に喜ぶのも間違いだし、下がった時に悲しむのも間違いである。

・仕事から引退した投資家が「心の平安」を得るために、相対的に価格変動が少なく、高い利子・配当が得られる証券を好むとすれば、彼らはその時、経済的利益よりも感情の方を優先させていることを自覚すべきだ。

敗者のゲーム

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・マーケットは不安の壁をよじ登るようなものであると言われてきた。不安の壁を取り除けば、マーケットは上昇する欲求を失っていく。地平線を見渡す限り不安の種がない時が不安を持つべき時であることを優れたトレーダーは認識している。

デイトレード

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