ポリティカルセオリスト 瀬戸健一郎の政治放談

政治生活30年の経験と学識を活かし、ポリティカルセオリストの視点から政治の今を語ります。気軽にコメントして下さいね!

橋下徹共同代表の慰安婦問題発言について

2013-05-15 08:19:03 | 参議院比例区支部長として

日本維新の会 橋下徹共同代表の慰安婦問題発言について、私の意見を問うメッセージがSNSなどを通じて寄せられておりますので、ここにブログ記事を立ち上げることにしました。既に昨夜、アメブロ政治家公式ブログで、MSNニュース:「橋下氏、ツイッターで改めて持論展開も批判続出」の引用記事としてアップしましたが、こちらでは記事引用ができません。出来れば、両方ともご確認いただき、みなさんのご意見をコメントやメッセージでお寄せください。

■戦争は人心を狂わせる元凶

戦争は人心を狂わせるものです。だからと言って、戦時下のいかなる行為をも、戦時下であったことを理由に、肯定的に評価することは許されません。それは、「戦争」そのものがすべての元凶だからです。

■本音と建前は日本的マインドシフト

日本維新の会 橋下徹共同代表の慰安婦問題や合法的風俗営業に関する発言について一言、意見を申し上げたいと感じております。橋下代表が常に本音で語り、社会の問題を具体的に解決していくリーダーシップを発揮していることは事実です。

しかし、世界に向けて日本を主張するには、そもそも「本音」と「建前」という日本人特有の言葉やマインドの切り替えは、必ずしも世界には通用しないということを自覚しておく必要があるのだと思います。

■社会を治める日本の知恵

日本では昭和33年に売春禁止法が施行されるまで、売春は合法的な商売でした。これは、永井荷風の「墨東綺譚」(ぼくとうきたん)にも描かれているような、日本の風俗文化の一部として近年まで存在していました。

いわゆるお上(政府)が社会全体の風紀を乱さないように「赤線」地帯という特殊な地区を指定して、これらの商売が指定区域外にまん延しないように管理し、このことによって、性犯罪を封じ込め、社会秩序を守っていたと解釈されてきました。

まさに「本音」と「建前」を区別して、社会を治める日本人的発想がここにあります。

■「原罪」(sin)と「犯罪」(criminal)の区別

一方、キリスト教的価値観におけるアメリカ合衆国をはじめとする国家では、そもそも売春は「姦淫」(かんいん)とよばれる「罪」で、これを法で禁止していようといまいと、正当化することのできない行為だと解釈されてきました。

よって、これを「原罪」(げんざい)といい、人間が生まれ持っている「罪の属性」として認識しているために、「法律の範囲内で、いわゆる性的なエネルギーを、ある意味、合法的に解消できる場所が日本にある」との橋下代表の論点は、米軍司令官には受け入れられなかったわけです。

■受け入れられない日本人の本音

「法律の範囲」であれば、たとい「原罪」を犯してもかまわない。

これが日本人的な発想による「本音」であり、これが世界からは理解されにくい論理なのだということを、世界に向けて日本を主張するためには理解しておかなければなりません。

「法律の範囲」を超えた「原罪」(sin)から起こされた、法律に反する行為を「犯罪」(criminal)と呼び、これらの違いを区別することが肝要なのだと思います。そして、「犯罪」はその国の法律によって規定されますから、外国人の価値観の問題とはまったく関係ありません。

母国で認められていない行為を正当化するために、他国に移住することは物理的に可能かもしれませんが、それによって「犯罪」を犯すことにならなくとも、「原罪」は犯すことになりかねませんし、そのことは自分の良識と良心の問題となります。

■聖書に手を置いて宣誓する西洋人の本音

公職に就任するたびに聖書に手を置き宣誓を求められる国情を理解することは、相手国に対して効果的に日本を主張するためには必要なのだと感じます。

「人間はすべて罪びとである。」これが西洋人の本音です。

■日本人の「神をも恐れず…」に凍り付く西洋人

かつて国際連盟を脱退する日本政府の代表者の一人が「我々は神をも恐れず…」と発言し、各国首脳たちの表情が凍ったそうです。なぜなら、彼らのことばはすべて、「我々は神以外の何をも恐れず…」だったからたそうです。

橋下代表には、「司令官は凍り付いたような表情」を見せた原因を、受け止めて頂きたいと思います。

世界に向けて、日本を主張するために!


瀬戸健一郎(せとけん)
Kenichiro Seto (Setoken)
日本維新の会
Japan Resotoration Party
参議院比例区第23支部長(全国)
Director, Proportional Representation District 23
House of Councillors


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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (斉藤)
2013-05-15 11:57:37
まず最初に瀬戸さんの歴史認識を教えてください。
いわゆる「自虐史観」について。
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キリスト教が全てではない。 (YOSHIYUKI)
2013-05-15 12:46:18
キリスト教の価値観ではそうかもしれないが、日本ではキリスト教徒は多数派ではない。よその価値観の押し付けに付き合う必要は無いだろう。需要があればやればいい。只、ゾーニングやレーティングの徹底、衛生面、ヤクザの資金源ならないような管理はもう少ししっかりやらないと駄目かなぁ。
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コメントありがとうございます。 (瀬戸健一郎(せとけん))
2013-05-15 14:32:06
斉藤さん、コメントありがとうございます。

私の歴史認識は、まったく自虐史観とは異なります。それぞれの歴史背景や国際情勢の中で、国家国民としての判断や行為については事実と解釈を区別すべきと認識しています。その上で、日本国の立場を明確にしながら、国際世論を動かし、一部の人々に共有されている自虐的な歴史観を克服し、堂々と世界をリードする国家観を立上げていきたいと考えます。
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コメントありがとうございます。 (瀬戸健一郎(せとけん))
2013-05-15 14:41:49
YOSHIYUKIさん、コメントありがとうございます。

おっしゃる通り、キリスト教が全てではありません。ご指摘の通り、日本におけるクリスチャン人口は永らく全人口の1%未満だと言われています。しかし、キリスト教のみならず、ユダヤ教もイスラム教もまったく同根の創造の唯一神を共有していることも事実です。

世界で最も重要な二国間関係だと言われる日米関係においても、中東問題等についても、国際的な交渉の舞台に立つ時に、相手の価値観の根底に存在する何かを理解しようとすることは必要なのだと思います。

国際関係において、毅然たる態度を取ることと、相手国の根源的なコンテキストを理解することは異なることであり、外国の価値観を日本人が押しつけられる筋合いはまったくないはずだというYOSHIYUKIさんのご指摘には全面的に、私も賛成です。
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Unknown (斉藤)
2013-05-15 15:32:18
よくわからなかったのですが、瀬戸さんの個人的な意見では、「河野、村山談話」の内容は間違っているという認識でよいのでしょうか?
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応援します (浅井和彦)
2013-05-15 17:10:11
参議院比例区、応援します。
(社)青年会議所等々
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河野、村山談話について (瀬戸健一郎(せとけん))
2013-05-16 15:40:08
日本が敗戦国として、東京裁判で戦勝国から裁かれた事実から、自虐的な感情を今もなお、多くの日本人が抱き、その反作用として、過去の大日本帝国の国際社会における地位や名誉、国策や行為を正当化したいと感じることに、私も一定の理解ができます。

また、大日本帝国の帝国主義が、かつて世界に植民地を拡大していった当時のヨーロッパ列強諸国の帝国主義と同様に、アジア周辺国に覇権を広げていったことが、日本の侵略行為であったと相手国の人々が悲痛な痛みとして感じ続けていることも理解できます。

しかし、それらの痛みや感情によって事実がそれぞれの立場から、異なる認識で今もなお、捉えられ、お互いの相互理解につながっていけない現状はもっとも不幸なことだと感じています。

河野談話や村山談話は、そのような日本人の歴史認識や関係諸国の国民に対して、それぞれの感情がからむ歴史的事実をタブー視するのではなく、白日の下に引き出し、究極的な国際相互理解に向けた議論の場を与えていることに、私は意義があるのだと思います。

一人の政治家がこれらの問題を総括出来るほど単純な問題ではありませんし、これを歴史家の手に委ねるというのも、具体的な解決策だとは思えません。

私はやはり、当時の世界情勢がどのようなものであったのかを考えるとき、日本の行為だけがすべての元凶であったとは思いません。しかし、武力によって他国を侵略し、戦争によって自国の正当性を証明しようとする国策なり外交手段は、これが日本一国のことだけではなく、間違った思想であり、行為だったのだと思います。

時の政権の有力者が、国民的な議論やコンセンサスを伴わない個人的な見解を述べたことは、これが国民的な議論への起爆剤になり得るという点で、私はこれを否定する立場は取りません。

しかし、国際相互理解のために必要なのは、まず関係国の国民がより緊密に交流をして、国民レベルでお互いのコミュニケーションを活性化させながら、じっくりとお互いの負の感情を治め、うるわしい関係を醸成していく努力なのだと確信しています。

政治家が歴史認識に関して、個人的な見解を述べる際にも、国民レベルの相互理解の促進が第一なのだという確信と信念に基づいて、発言すべきだと思います。

具体的には、例えば日韓関係においては、もっと若者の相互交流を促進し、多くの韓国人留学生を高校生レベルで受け入れるなどの施策が重要なのではないかと考えます。そのための奨学制度を創設することによって、日本への理解をもっと深めてもらう努力が必要であり、その向こう側に、過去の両国の過去の歴史をどう捉えなおすことが、両国の未来の選択としてふさわしいのかという実質的な議論ができるようになるのではないでしょうか。

世界に向けて日本を主張する!~これは日本が唯我独尊でいるためのエゴではありません。世界から真に尊敬とリーダーシップを求められる国家に、日本が変わるための覚悟を表現しています。決して、自虐的にならず、独立自尊の毅然たる態度をもって、しかし相手国の痛みにも意を尽くす。

斉藤さんのご質問への十分な回答になっていないかもしれませんが、取り急ぎ、私の今、感じることを述べさせていただきました。

今後とも、よろしくお願い申し上げます。

瀬戸健一郎
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浅井和彦さん、ありがとうございます。 (瀬戸健一郎(せとけん))
2013-05-16 15:44:54
浅井和彦さん、ありがとうございます。

どうぞ、よろしくお願いします。

瀬戸健一郎
返信する
Unknown (ノンナ)
2013-05-16 21:28:49
大騒動になっている橋下発言ですが、維新をためにする質問をする記者もいるということを橋下氏は肝に銘じるべきである。安部自民を後押しする保守政党になってもらっては困る人たちが実際にいるのである。
もともと「強制連行の証拠はない」といい続けてきた男なのだから、なんとなく下半身問題のみに焦点を当てて女性蔑視だの何だのと世界を巻き込んで上を下への大騒ぎをするマスコミはいかがなものか。

激しい橋下バッシングを続けてきた二階堂ドットコムが、事この問題に関しては橋下支持にまわったことを見ても何か臭うぞと思ったのは私だけだろうか。
瀬戸さんの言うような宗教的にどうなのかは私にはわからないが、クリントンは現役大統領時代の浮気で全世界の注目を集めたし、ベトナム戦争での慰安所その他、男の性(さが)の問題として考えれば、誰も綺麗ごとをいう資格のある人間などいないだろう。

まして、韓国大統領の報道官は訪米中にセクハラ事件を起こすわ、今なお10万人もの売春婦が世界中で大活躍wしている韓国がガタガタ言う資格があるのか。
ここまで問題が大きくなった以上、橋下氏は維新として積極的に世界に真実を発信していく努力を続けるべきである。しかし、彼の弱点は直情型人間ゆえの方法論の間違いがあることだ。感情でものを言って上手くいくことは少ないものだ。

しかし維新には中山成彬氏という得がたい人材、国士がおられる。これが救いだ。これに櫻井よしこさんが加わり、論客として名高い瀬戸さんが加われば完璧なんだけどなぁと、個人的には思う。

外交とは、武器を持たない戦争とも言われているように、日本人の持つ「惻隠の情」などは、特に中韓には通用しない。謝れば謝るだけ付け上がり、ハードルを上げてくる。これを覆すには、中山氏のように証拠を積み重ね、櫻井女史のように取材に基づく事実の積み重ねが非常に重要だ。

ここまで書いたところでBLOGOSにモヤモヤを解消してくれるエントリーを見つけたので、ぜひ読んで欲しい。これが事実なら、朝日の戦略は大失敗だ。コメント欄もなかなか読ませる
http://blogos.com/article/62387/?axis=&p=1

時間があれば、下記もお勧めです。

従軍慰安婦に関する櫻井よしこさんの発言
http://www.youtube.com/watch?v=anf-kK9Jtk4

河野談話に関しては、息子の河野太郎が昨年のブログに私見を入れずにQ&A形式でUPしています。
http://www.taro.org/2012/08/post-1257.php

カンパとボランティアによって各国語で見られるYouTube。
『危機に瀕する日本』第1巻: 文化略奪と歴史歪曲に関する一考察
http://www.youtube.com/watch?v=sW4H2PGj6JU
これは必見です。政治家だけにまかせておかず、国民ひとりひとりが事実を世界に広める努力も今後は必要だと感じます。
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はじめまして (普通の主婦)
2013-05-20 16:59:34
はじめまして。レイクウッド教会のことを調べていてこちらのブログにお邪魔しました。まさか維新の方だとは。

橋下さんの発言に対する瀬戸さんのご意見はもっともだと思います。韓国はもちろんですが、米国人にも受け入れがたいのは容易に想像できます。

韓国、米国ではキリスト教は大きな影響力があります。日本と違い、理詰めで正しければ納得するという風土ではないところがあるかと思います。

維新にも異文化を理解する方がいらっしゃることが解り、少しほっとしました。
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