Evolutionはどうなのよ

今の自宅サーバは、外出先からのリモートデスクトップ(VNC経由)を兼ねている。今回はGNOMEデスクトップを入れてみた。したがってデスクトップの標準メーラはXimian(今はNovell?) Evolutionということになる。
せっかくだから使ってみた。すると、これが実によいのだ。振り分けルールの自動生成や、Spamassassinとの自動連携(spamdが起動してなかったら起動する、までやる)など、とても親切設計。まあ、詳細は他の紹介記事なりプロジェクトのホームページなり見てください。
さっそくメインとして利用しようと思っていろいろと設定する。Maildir上のIMAPだから、メーラーの乗り換えは楽。さて、といくつかメールの送受信をしてから、メッセージのソースを確認…?!
本文は設定どおりContent-Type: ISO-2022-JPなんだが、Subjectが「=?UTF-8?Q?...」。
これでは使い物にならない。なんか他に設定あるのかなあ、と探すが見つからないので困ったときのgoogle詣。
3つ分かった。まず、日本で使ってる人はほとんどいない。次に、日本語を使うときにヘッダを本文のContent-Typeに合わせることはできず、必ずutf-8になってしまう。そして、どうやら作者はUnicodeが好きらしい。
とりあえず、本家のbugzillaを探してみる。ありましたありました。問題提起をしているのは韓国の人、やっぱり困るのはCJKなのね。斜め読みだが、作者の主張はおおむね(というかかなりいい加減に読んでさらに歪曲すると)こうだ。
  • ヘッダは入力された文字列のコード範囲がもっともうまく収まる文字セットでエンコードする。
  • どの文字セットでも決めきれない場合は、utf-8にする。
  • 従って、東アジア言語ではコード領域が重なっているので、utf-8になってしまう。
  • Evolutionのユーザー設定で決めたエンコーディングは、ヘッダのエンコーディングを決める部分のコードでは参照できない。
  • たとえOutlook ExpressやYahoo! Mailで読めなくっても、これが、私が考えたデザインだ。互換性についていろいろ言う人もいるかもしれない。それは対応するメールソフトを作る会社や利用者が、この仕様に合わせてもらうしかない。これは僕が作ったもので、そういう仕様にしている。明確な意思を持っているのであって、間違ったわけではない。世界で一番美しいものを作ったと思う。著名建築家が書いた図面に対して門の位置がおかしいと難癖をつける人はいない。それと同じこと。(嘘です、念のため)
  • 要するに受け取る側がutf-8に対応してね。


つまりだ、CJKを使う場合、本文は基本的に指定されたエンコードになるが、ヘッダは必ずutf-8になるのが仕様という主張である。しかし、これは詭弁だ。utf-8のQエンコーディングされたヘッダを正しく読めるMUAであれば、たとえ本文がutf-8であっても正しく読めるに決まっている。したがって、本文のエンコーディングとしてISO-2022-JPを設定できる機能自体に全く意味がなくなってしまうではないか。
ま、主張はともかくとして、これでは現状日本語で使うことができない。さすがにいまだにRFC1468かは置いといて、MIMEが標準的になったとはいえ、公開メーリングリストやnewsgroupなどでutf-8のヘッダなどまだまだ論外だから。

件のbugzillaでも、一応非公式パッチは載っていた。が、相変わらず設定は無視し、なんとユーザー環境のlocaleを見て、それを優先してヘッダのエンコーディングを決めるというもの。自分が使ってるFedora Core-3はどのみちutfなので意味がないし、
LANG=ja_JP.eucJP evolution
などと起動してEUC-JPになったところで役にたたない(ほんとにそうなるのかは知らないけど)。

そこで、悩んだ挙句、ヘッダをutf-8のデフォルトに落とすところのコードをiso-2022-jpになるようにハードコードしたパッチをあてて、rpmを作ってインストールしてみた。ヘッダは確かにiso-2022-jpになった。わが軍の勝利である。空しい勝利である。さて、次のメーラー探さなきゃ。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« February 1210SA linux... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。