1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

「悪の教典(上)」(貴志祐介)

2011-02-09 20:23:04 | 
2010年度「このミステリーがすごい!」の第1位の作品。



東京にある私立高校が舞台の物語です。有能で、生徒にとても人気のある英語教師が、実はとてつもない殺人鬼だったというお話。他人の痛みに共感することができず、自分の邪魔になる者は、次から次へと、残酷な手段で殺害していきます。上巻を読み終わったところだけれど、もう何人が殺されただろう。

次のような、どきりとする文章も出てきます。

「学校とは、子どもを守ってくれる聖域などではなく、弱肉強食の法則が支配する生存競争の場だ」

「教師に対して幻想は持っていなかったが、学校というのは、青少年にせこい大人の姿を見せつけて、同じような人間をつくりだすための鋳型のような気さえしてきた。」

「教育とは、つまるところ洗脳の一種に他ならない。」

聖職者であることをもとめられてきた教師が、聖域とされてきた教育現場で、つくりあげられてきた「聖」という虚構を、殺人という形ではぎ取っていく。上巻は、そんな展開の物語だけれど、さてこの先どうなるんだろう。


このままではあまりに救いがなさすぎる。下巻へ続く・・・


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