保育を考える葛飾区民の会

「保育園児にとって最も安心できる環境」を行政と協働しつつ整備することを目標に活動をするものです。

保育を考える葛飾区民の会の考え

2006-06-08 07:28:09 | 保育園民営化について
6/4(日)、第4回勉強会を行いました。
参加頂いた皆様、ありがとうございました。

区民の会としては保育園の民営化の動きに対しては敢えて反対を唱えるのではなく、行政と協働し、よりよい保育環境の整備を目指して活動しております。
しかしながら、先日参加頂いた方の中から、「民営化についてはなぜそれが必要なのかという部分からしてまだ明確な理由が提示されていない。それなのに、民営化するならばという前提で話を進めるのはおかしい。」
「アンケートの結果は反対がほとんどだろう。区民の会ではその結果を踏まえ、どのように今後進めていこうと考えているのか」などの質問・ご意見がありました。


まず、民営化する事が必要であるという明確な主旨は、保護者が納得するものとして出てくる事は難しいでしょう。
民営化自体本当に必要不可欠なのか?といえば、そうではないとも思います。

葛飾区ではこの3月に民営化対象5園が発表され、事が動き出しています。
参加者の方のおっしゃるように、「今反対しないでどうする」というご意見も多々あるでしょう。

しかし、区民の会として思う事は、ただ「反対」だけで他の手を打っておかないというのは、心配だという事です。
他区の例で見ても、親の反対にあっても結局行政が強行し、かかげた期限内に(または若干先延ばしにするだけで基本的には何も変わらない状態で)民営化されてしまった園が多くあります。
行政に対して反対運動をするのはいい。
しかし、一方で最悪の場合撤回できなかった時にどうするかも考えておく必要があるのではないか。

世田谷区や北区のように保護者がガイドライン策定に動き、行政に歩み寄っている印象で進めた区もあります。
葛飾がそうすべきだと言う事ではなく、万一反対しても民営化の動きを止められなかった場合に、ガイドラインを策定することや、どうすれば民営化に際し子供達を守る事ができるのか、絶対に継承しなければならない保育の質とは何かを考えておかなければならないのではないか。

葛飾区は4年という期限を設けています。強硬に反対姿勢を示し、民営化を白紙撤回させられるならそれが一番子供にとっての負担は少ないと思います。
しかし、もし仮に撤回させられなかったら?
4年以内に必ずやろうとする行政に対し、ここからの1-2年を反対運動のみで、万一民営化が避けられなかった場合にどうすればいいのかを考えておかなかったら?

ぎりぎりになって「やはり白紙撤回は無理だった。では民営化されてしまうのであれば、こうして欲しい」というものをまとめるだけの時間的猶予が残されていなかったら?

それを行政に提示するしないに関わらず、「万一民営化されてしまった場合」の次の手として、「保育の質とは?」「民営化される場合に子供達を守るにはどうすればいいのか?」というガイドラインなりを、今この時期に考えておく必要があるのではないか。
そしてそれも、民営化に反対するのと同じくらい、子供達を守る事に繋がるのではないか?

当該園の保護者の方々は、まだ発表されて間もなく、混乱し、「民営化される前提で考えるなんてできない」という意見の方が多いのではないかと思います。
先日参加された当該園の保護者の方々も、大半がそのように仰っていらっしゃいました。

だからこそ、区民の会では「万一民営化が止められなかった場合」に備え、他区のガイドラインなどを参考に「どうすれば民営化されても子供達の受ける保育の質を守れるか」「子供達を守るにはどうすればいいのか」を考えていくべきではないかと思っています。

行政に対しても歩み寄りの姿勢をみせる事で、こちらの意図を伝え、より真剣に「子供にとって」という部分を考えてもらえるようにできれば。
そして、民営化に限らずに「葛飾の保育全体」という広い視野を持とうとする事で、当該園だけではなく、他の保護者、そして地域の方々の関心を集めていく事ができればというのが、区民の会の考えです。

保育園民営化「急ぎすぎ」 横浜地裁、市に賠償命令

2006-05-25 05:16:37 | 保育園民営化について
横浜市での保育民営化について、保護者が起こした裁判の判決が出されました。
以下、記事を転載します。

*************************************************************************
保育園民営化「急ぎすぎ」 横浜地裁、市に賠償命令

横浜市が04年4月に民営化した四つの市立保育園の園児と保護者が「子どもが通っている途中での民間移管は影響が大きい」として、民営化の取り消しなどを求めた訴訟の判決が22日、横浜地裁であった。河村吉晃裁判長は、同市の性急すぎる民営化の手続きは違法と指摘。現在も保育園に通う園児の保護者について、1世帯あたり10万円、合計280万円の支払いを命じた。

 判決は、保護者の「継続して同じ保育所で保育を受ける利益」を初めて認めた。民営化の取り消し請求自体は退けた。

 横浜市は03年4月23日に市立保育園の段階的民営化を発表し、04年4月に4園を民営化。この4園の保護者が「全職員が入れ替わり保育環境が激変する」と訴えていた。

 判決は、民営化で保育の質が悪化するとは言えないとする一方で、「全職員が入れ替わることにより相乗的な混乱が起きることは容易に想像できる」と述べ、民営化が園児に悪影響を及ぼす可能性があるとした。

 その上で、「保護者には保育所を選択する権利と、同じ保育所で継続した保育を受ける権利がある」とし、民営化時の保護者への説明や手続きの不備を指摘。

 民営化にあたり、業務引き継ぎのため、市の保育士と移管先法人の保育士が3カ月間、共同で保育を行ったことについて、判決は「3カ月の引き継ぎ期間で民営化した高石市や大東市(大阪府)では少なからぬ混乱があった」と指摘。先行する他都市の状況を参考に決めたとする横浜市側の主張を「根拠がない」と退けた。

 さらに、判決は「民営化そのものは違法とは言えない」としながらも「児童が不利益を被る可能性があることを思えば、早急な民営化を正当化する根拠は不十分だ」と述べ、民営化の実施時期を04年4月としたことは裁量権を逸脱し違法と結論づけた。

                             (朝日新聞)
*************************************************************************

これは、民営化自体を違法としたものではなく、「3ヶ月という移行期間について違法性を認めた」という内容です。

葛飾区は4年という期間を設けています。

保護者側も「ただ反対」そして逆に「今の園に不満があるから、具体的な事はよくわからないけど感覚的に賛成」という視点ではなく、保育民営化によって、子供達の置かれる環境が具体的にどう変わるのかをまず「知る」必要があると思います。

その上で、今回の横浜含め、他区で既に民営化に関する問題がおきている部分について、「具体的にどのような問題が起きているのか」を検証し、更に「そういった問題を回避するにはどうすればいいか」を考え、行政に訴え、提案していく事が必要ではないでしょうか。

そして、当該園でなくとも、同じ子供を預ける親として、「他岸の火事」的視点ではなく「自らにも関わる社会全体の関心事」という視点で考えていくべき問題だと思います。

6/4 学習会案内チラシ配布について

2006-05-18 10:08:46 | 勉強会情報
 6/4の学習会の案内を順次発送しようと思っています。

 今までに2回程学習会を開催しております。保育園の父母会宛、もしくは
保育園宛に郵送で発送させてもらっていますが、必要な情報が必要な所に確
実に届いてはいません。せっかくお金をかけて郵送してもこれではもったい
ないと感じています。

 そこで希望する方にはメールなどでお送りさせて頂きたいと思います。こ
ちらにコメントとして記入して頂くか、事務局宛にメールを頂戴頂けると幸
いです。SGL01124@nifty.ne.jp、mai-inoue@aa.isas.ne.jp

 また「○○保育園ならば知人がいるから渡せるよ」「近所だからポストに
投函するよ」という申し出も有り難いです。どうぞご協力の程よろしくお願
い致します。

学習会保育について

2006-05-10 05:14:49 | 勉強会情報
 前回の学習会の状況をみて、現在事務局では保育を検討しています。
しかし財政的にも、環境的にもなかなか厳しい状況ではあります。せ
めて話を聞いている時くらいはゆっくりと聞ける状況にしたいと思い
ますが、保育のニーズ自体どのくらいあるのか?という疑問もありま
す。参加を検討する場合、保育があったら預けますか?またその場合
別途費用を請求するかたちになるかと思いますが、それについてのご
意見も頂戴できると嬉しいです。

 保育室は確保されていますが、人数はMAX12,3人と思ってい
ます。月齢にもよりますが、有資格者の保育士を確保して、他にも数
名の大人を配置しようと考えています。

 まだまだ手探りの状況ではありますが、是非ご意見をお寄せ下さい。
よろしくお願い致します。

第4回勉強会開催決定

2006-04-29 12:18:45 | 勉強会情報
延期となっていた「第4回勉強会」の開催が決まりました。

2006年6月4日(日)
10時から12時
ウィメンズパル 洋室D
参加費 300円(資料代含む)
申込不要

【内容(予定)】
・現在の葛飾区の状況
・他区の例から考える民営化と公立保育園のあり方
・グループトーク
・前回勉強会でのアンケート集計報告


※当日の保育は現在検討中ですが、主催側で保育の準備は今のところ難しい状態です。
※当日はお子様連れの参加はOKです。ただし、主催側で保育の用意ができない場合、同席にてご参加頂く事となりますので、ご了承ください。

※詳細は追ってアップします。

勉強会延期のお知らせ

2006-04-17 11:24:59 | 勉強会情報
4/23(日)に予定していた勉強会ですが、都合により延期となりました。
予定して頂いていた方には大変申し訳ございません。

5月中には開催予定です。

詳細決まりましたらまた告知させて頂きますので、どうぞよろしくお願い致します。

住吉保育園での民営化説明会

2006-03-25 00:57:36 | 保育園民営化について
平成22年4月までに運営委託される公立保育園5園のうちのひとつ
住吉保育園での説明会の日程が発表されました。
4月14日(金)午後6時45分から園内のホールで開催されます。
保護者会全体会の後、クラス別の保護者会を潰しての開催となります。

民営化って何?先生が全員変わってしまって子どもたちはどうなるの?
保護者の不安の声に区はどのように対応するのでしょうか・・・。

説明会は対象園の保護者だけでなく広く地域にも呼びかけるべき
というのが建前となっています。
区民の一人一人がその動向を見守りつつ、葛飾区の保育の未来を考える事が必要ではないかと思います。
行政側が葛飾区の保育園をどのようなものにしたいのか・・・
民営化園の未来にその姿が見えるのではないでしょうか。
同時に、民営化対象園に限らず、保護者のひとりひとりが「本当によい保育とは何か?」を考え、本当に子供達が笑顔で過ごせる保育園を作っていく努力をしていくべきだと思います。

公立保育園の今後のあり方を考える

2006-03-23 10:44:09 | 公立保育園の今後
3/15 保健福祉委員会の場で、葛飾区は5園の民営化を発表しました。
これからしばらくの間、行政は民営化の説明会などで大忙し、といったところでしょうか。

しかし、民営化対象にならなかった38園についても、保育の質の向上が計られるべきです。
「公立保育園はすべて同等のサービスを提供する」が基本ですが、現状はばらつきがあるようです。

保護者もそれぞれですので、同じ事を経験しても意見はそれぞれ違うと思います。
でも、子供達にとってよりよい環境を望み、安心・安全で楽しい生活を送ってもらいたいという思いは、同じではないかと思います。

私たち「保育を考える葛飾区民の会」では、現在の公立保育園の変えて欲しいところ、よりよくしていく為には何が必要かも考えていきたいと思っています。

ご意見や情報をお持ちの方は、是非お寄せください。

勉強会のお知らせ

2006-03-23 09:51:18 | 勉強会情報
「保育について語ろう」

日時:4月23日(日)10時から12時

場所:男女平等推進センター(ウィメンズパル別館1階洋室D)

参加費:300円(資料代、会場費等)

予約不要

※当日は子連れ参加OKです。保育については現在検討中ですが、保育士や保育場所を確保できない場合には、申し訳ありませんが子供同席での開催となります。

※内容についての詳細は、また後程アップします。今のところ予定としては、
1.葛飾区の現状について
2.保育園民営化について
3.公立保育園のあり方について(変えていくべきところや、よりよい保育環境を実現する為に何が必要か)
などの話ができればと思っています。

※私たち主催者側も、まだまだ勉強不足でわからない事だらけですが、いろんな意見を出し合い、よりよい保育について考えていく場にできたらと思っています。

※当日は夕方まで場所を押さえてありますので、勉強会としては12時で一旦区切りますが、その後もお時間の許す限り意見交換、情報交換などをしていければと考えていますので、どうぞよろしくお願いします。

プロポーザルとは?

2006-03-23 09:39:56 | 保育園民営化について
葛飾区では、公設民営(全体の責任は区が負うが、運営は民に任せる)という方法で民営化を進める予定です。
委託先業者の選定にあたっては、「プロポーザル方式」を取ると思われます。(昨年葛飾区では初の公設民営の保育園『小谷野しょうぶ保育園』を開設するにあたり、業者選定に使った方法です)

ここでは、「プロポーザルって一体何?」という事を説明しておこうと思います。

***************************************************************************

★プロポーザル=提案書

「プロポーザル方式」とは、そのプロジェクトに最も適した創造力,技術力,経験などを持つ「設計者(人)」を選ぶ方式です。
 すなわち、技術力や経験、プロジェクトにのぞむ体制などを含めたプロポーザル(提案書)を提出してもらい、公正に評価して設計者を選ぶ方式です。
※今回の保育園民営化の場合、「設計者」=「委託先事業者」となります。

選定後から,具体的な設計(運営内容)を発注者(葛飾区)との共同作業により進められるため,発注者(葛飾区)の要求する質の高い設計(運営内容)が可能な方式と認識されているようです。

一般的に、選定方法には「プロポーザル方式」と「コンペ方式」があるようです。


《プロポーザル方式》
発注者(葛飾区)が「具体的な課題」を設計者(委託先候補)提示
       ↓
設計者が「その課題に対する提案及び業務の実施方針」を提出
       ↓
設計者を評価、選定し、決定する


《コンペ方式》
発注者(葛飾区)が明確な設計条件を提示
       ↓
設計者が設計案を作成
       ↓
提出された設計案を選定し、決定する




1 設計者選定には、公正性、透明性、客観性が求められています。
 「プロポーザル方式」では、客観的な評価基準をもとに、公正な審査が行われ、評価基準等も公表し,選定プロセスも透明性が確保されます。時代が要請する公正性、透明性、客観性をもつ設計者選定が可能な方式です。

2 選定までの費用・労力・時間に負担をかけない。
 「プロポーザル方式」では、具体的な実施方針・設計体制や実績などに関する提案書類を作成することが中心です。
 「コンペ方式」に比べて提出者側も主催者側も簡便に対応できる点が大きな利点としてあげられます。

3 設計案ではなく、設計者(人)を選ぶ方式。
 「コンペ方式」は設計競技であり、「設計案」の良否を検討して選ぶものです。これに対して「プロポーザル方式」は「設計案」ではなく、設計を委託すべき「人(設計者)」を選ぶ点が異なります。

4 発注者と設計者との共同作業が図れる。
 「プロポーザル方式」では、設計者を選定し、それから具体的な設計が発注者との共同作業により進められます。いわば、設計者と発注者との密接なコラボレーション(共同制作)による質の高い設計が可能な方式といえます。

5 ヒアリングを行い、設計者の能力を総合的に判断。
 書類提出だけではなく、ヒアリングを行うことで設計者の総合的な能力を直接評価することができます。


***************************************************************************

以上、プロポーザルについての説明です。
プロポーザルを行うにあたり、行政側からその内容が公表されると思われます。
私たち保護者も、この「具体的な課題」を検討し、保護者の要望が盛り込まれた内容で選定が行われるよう、働きかける必要があると思います。

いかに「子供」を主体として考え、子供にとって最善と思われる方向に進めていけるか・・・。
『保育を考える葛飾区民の会』としても、こうした内容を学びつつ、よりよい方向に進める努力をしていきたいと思います。