女装をしている人を見かけた。
ちょうど電車の座席の対面に
「彼女」は座っていて、自分の最寄りの
手前の駅まで乗っていた。
白っぽいブラウスにショールのようなものを羽織り、
フリルがついた黒いスカートにタイツを履いて
ロングブーツにピンクのバッグ。
肩までおろした髪に
手にはマニキュアが施されていた。
思えばこういう装いが許容されるのも、
人口が多く匿名性が高い
都市部特有の現象なのかもしれない。
山の中で女装をしている人を
見かけたことは無いし、
田舎だと人の絶対数が限られてしまい
人物が特定できてしまうリスクが高いだろう。
自分の周囲に話を聞いてみると
皆、意外によくそういう光景に
出くわしているようだ。
実はもっと多くの人と日常すれ違っていて
単に自分が気づいていなかったのかもしれない。
そう思うと女装人口というのは
いったいどれくらいのものなのか。
女装をする人は
趣として女性の装いをすることを専らとして
基本は男性がベースにある。
この点においていわゆる「女性を志す人」とは
一線を画しているようだ。
しかし、今回なぜ女装であることに
気がついたかというと、
その顔である。
着けまつげをして
ファンデーションでひげを上手に隠し
きれいに口紅を引いているのに
なぜか出来上がっているのは
微妙におじさんの顔なのだ。
女装も世間に認知されてきているようだし、
今ではネットを通じて愛好の士が
情報交換をしているだろうから
もう少し化粧の技術向上がなされていても
おかしくない。
化粧が下手だった、と
思えば済む話かもしれないが、
ふと、待てよ。
むしろ、それは
わざとなのかもしれない。
あまりに完璧に女装が施されてしまうと
却って気づく人は少なくなる。
街のありふれた風景の一部に同化してしまう。
一方で本来の素性は知られたくない。
自己の存在は気づいてもらいたい。
だけど、個としての自分は知られて欲しくない。
何か裏腹なものを抱えた、
微妙なバランスの上に
成り立っているものがあると思うと、
なかなか隅に置けない心理のような気がする。
ちょうど電車の座席の対面に
「彼女」は座っていて、自分の最寄りの
手前の駅まで乗っていた。
白っぽいブラウスにショールのようなものを羽織り、
フリルがついた黒いスカートにタイツを履いて
ロングブーツにピンクのバッグ。
肩までおろした髪に
手にはマニキュアが施されていた。
思えばこういう装いが許容されるのも、
人口が多く匿名性が高い
都市部特有の現象なのかもしれない。
山の中で女装をしている人を
見かけたことは無いし、
田舎だと人の絶対数が限られてしまい
人物が特定できてしまうリスクが高いだろう。
自分の周囲に話を聞いてみると
皆、意外によくそういう光景に
出くわしているようだ。
実はもっと多くの人と日常すれ違っていて
単に自分が気づいていなかったのかもしれない。
そう思うと女装人口というのは
いったいどれくらいのものなのか。
女装をする人は
趣として女性の装いをすることを専らとして
基本は男性がベースにある。
この点においていわゆる「女性を志す人」とは
一線を画しているようだ。
しかし、今回なぜ女装であることに
気がついたかというと、
その顔である。
着けまつげをして
ファンデーションでひげを上手に隠し
きれいに口紅を引いているのに
なぜか出来上がっているのは
微妙におじさんの顔なのだ。
女装も世間に認知されてきているようだし、
今ではネットを通じて愛好の士が
情報交換をしているだろうから
もう少し化粧の技術向上がなされていても
おかしくない。
化粧が下手だった、と
思えば済む話かもしれないが、
ふと、待てよ。
むしろ、それは
わざとなのかもしれない。
あまりに完璧に女装が施されてしまうと
却って気づく人は少なくなる。
街のありふれた風景の一部に同化してしまう。
一方で本来の素性は知られたくない。
自己の存在は気づいてもらいたい。
だけど、個としての自分は知られて欲しくない。
何か裏腹なものを抱えた、
微妙なバランスの上に
成り立っているものがあると思うと、
なかなか隅に置けない心理のような気がする。