校長室だより ~ 武蔵野の森で紡ぐ友情『明星学苑・スクールライフ』

民間企業勤務から中学、高校、大学など、教育現場へ転じた『キャリアコンサルタント』の日常をお伝えします。

ノーベル賞受賞者・大村智先生の人生

2016年12月11日 05時46分41秒 | 本の紹介
本日の未明、ノーベル賞の授賞式が行われ大隅良典・東京工業大栄誉教授が晴れの舞台に臨まれました。昨日はそのニュースで持ちきりでしたが、1年前は大村智教授が受賞された時のことを思い出します。その大村教授について先日、本校に『大村智物語~ノーベル賞への歩み』という本が送られてきたので、さっそく読んでみました。大村教授についてはノーベル生理学賞、医学賞を受賞された偉大な研究者ですが、授賞式で見せられた飾らないお人柄と、気さくな笑顔が強く印象に残っています。研究内容としては『微生物の生産する有機化合物の探索研究』ということで、これまで数多くの医薬品の開発に活用されて『数億人の命を救った』と称され、世間を驚かせました。私自身はその偉業とともに、美術館や温泉施設を建設されたことなど、人物の大きさを感じたものです。独創的で自由な生き方と言うのでしょうか。一般的な研究者の範疇では、到底くくれない魅力的な人なのだろうと思いました。
本書には、研究者としての大村さんだけではなく、経営者であり、芸術を深く愛する異彩の人物であることが余すところなく書かれています。さまざまなエピソードとともに、そのご経歴と人生観がまとめられ、心から敬服いたしました。経営者というのは、大村さんが所長を勤めていた『北里大学研究所』を、赤字で倒産寸前だったところから、200億円の収益を上げるまでに再建されたということ。さらに埼玉県に新病院を設立された時も、一流の経営哲学が反映されているように感じました。そんな大村さんの研究人生は、必ずしも順調とは言えず、そもそも社会人のスタートは夜間高校の教師だったというのは知っている人も多いことでしょう。その後、どのようにして人生の恩人と出会い、輝かしい人生を歩まれていったのか。本書のまえがきに『若き日の君たちに伝える』という御自身の言葉も添えられていますが、図書館に寄贈してありますのでぜひ手に取ってみてください。
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