異日憧憬

平成生まれの写真記録。茅葺民家、集落、道や橋、民間信仰等、若者らしくないテーマで綴ります。

境界の姿1 棚木集落の道切り

2016-09-21 22:10:00 | 境界の姿
棚木集落西側の道切り

現代は境界性が見えにくくなった時代だと思う。かつてのように人が生きていく上で存在した様々な境界を意識することも今は少なくなった。そんな境界に関わるものを見ていきたい。

道切りという風習がある。集落への疫病のような災いを防ぐために、集落の入口、隣の集落との境界に注連縄等を張り巡らすというものだ。呼び方に地域差はあれど、全国で広く行われていた。行き止まりの集落であれば、道切りも一ヶ所で済むが、集落を街道が貫いていれば、道切りも複数箇所で行われる。写真の集落は磐城街道沿いにあり、道切りも集落の東西二ヶ所で行われていた。

集落東側の道切り

集落東側の道切り

棚木集落

集落西側の道切り


福島県いわき市川前町棚木集落 2010年撮影