かっぱ堂。

こころにうつりゆくよしなしごとをそこはかとなくかきつくればあやしうこそものぐるほしけれとかなんとか。

町歩きの快楽

2006年08月12日 23時59分43秒 | 昨日・今日・明日
いつからか、僕は町歩きが好きになっていた。恐らくは、東京で暮らし始めた頃に、見知らぬ土地の地理を覚えるためにやたらと歩き回ったのが最初だろうとは思うのだけれど、今となってはもう、よくわからない。ただ言えることはひとつ。他人の倍の速さで、地図も持たず、見知らぬ町を独り歩くというのは、何とも言えず楽しいということだ。観光客でも、地元民でもない、異邦人として。

先週末を仕事で潰し、今週に入ってもその続きとお土産の夏風邪ですっかり嫌気がさしていた僕は、お盆を控えたこの週末、久しぶりに町歩きに出ようと決めていた。行き先は、京都。この碁盤の目のような町に、僕は一度も住んだことはないのだけれど、なぜか今では、何となくでもあちこちに歩いていけるようになっていた。

なかでも、清水寺から産寧坂、二寧坂、一念坂と下る道行きはお気に入りの一つ。観光地然としたところではあるのだけれど(実際、今日はそんな人たちで一杯だった)、あの石段の佇まいと、下りきったところに広がる高台寺ねねの道、その先の八坂さんまで続く程よい距離が、なんとなく歩くのにはちょうどいいのだ。そんなわけで今日も、雨の上がった清水の舞台をスタートし(例によって、雨は僕が傘を買って5分後に止んだ)、途中道草をいっぱい食いながら、町歩きを楽しんだのだった。

八坂さんでお参りをした後、四条大橋まで引き返した僕が、さらに西の錦市場でこれまた道草を食った後には日もすっかり落ちて、ちょうど夕飯時。そうとなればもう行き先は一つで、いつものお店へと足を運ぶことにした。この前来たのは確か2月くらいだから、だいぶ間をおいてしまった。それでも、のれんをくぐったとたんに「ご無沙汰」なんて声をかけてもらったりして、なんだか素直にうれしかった。

さらにうれしかったのは、開店してまもなくて、お客さんも他にいなかったこともあってか、ちょっと試作品を二品ほど試食させてもらっちゃったこと。一つは、「山芋の生湯葉磯辺揚げ」。擂った山芋を生湯葉で包み、さらに海苔で巻いて揚げたもの。塩味でいただくシンプルさが、さっぱりとして夏場にもあう揚げ物だった(これは即、本日のおすすめになってた)。もう一つは「そうめんの焼きなすのせ」。さっぱり目のダシのかかったそうめんの上には、ネギやミョウガといった薬味がたっぷりと、焼きなすがのってる。これまた夏場にイイさっぱりした一品だったのだけど、僕から「もうちょっとボリューム感があると」なんて言ってみたところ、もう一ひねり加わることになった。メニューになる時には、とろろがのるかも。それもぜひ食べてみたい。

そんなこんなで、美味しいものをいただいてすっかり良い気分になった僕は、やってきた阪急に飛び乗り、ゆるゆると帰宅。道草中にみつくろったお土産物も、無事に部屋まで持ってこれた。このうちのどれか、近日中に機会があれば、奥さん方にお持ちすることにしようっと。

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