うつりにけりな

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ゆれる ディアドクター 

2017-08-14 22:15:55 | 映画レビュー
西川美和監督。この人は・・・・カープファンである。
広島生まれなので、(ガチ)の部類の人でいらっしゃるだろう。
(永い言い訳)では、ご本人の許可を得て、(きぬがささちお)が主役である。

ということで、観た(永い言い訳)がおもしろくて、つい他の作品まで観てしまいました。

おすすめの順に

1.ゆれる
東京でカメラマンとして成功している弟(オダギリジョー)と、田舎で家督を継ぎ、ガソリンスタンドを経営しながらそこで働く兄(香川照之)が、母の一周忌で再会する。
そこで、ガソリンスタンドで働く幼なじみ(真木よう子)が、普段は兄といい感じで仲良くなりつつも、かつてつきあっていた弟に、言い寄ってしまい、つい、深い関係になってしまう。幼なじみは本気で、でも、弟にとっては完全に本気ではない。
そんななか山奥の川に遊びに行く弟、兄、幼なじみ。
古い吊り橋をわたって弟に会いに行こうとする幼なじみ、それを止めようとした兄、しかし、幼なじみは、吊り橋から転落し、死んでしまう。
弟は、川の別の場所で写真を撮っていたため、幼なじみのさけび声をきき、急いで吊り橋の方に向かうと、そこにわなわなふるえながら、吊り橋から下を見て叫ぶ兄がいる、
幼なじみは、ゆれる吊り橋で、事故で亡くなったのか?あるいは、本当は、兄に突き落とされたのか?

というところから話がはじまり、裁判に向かっていきます。
逮捕された兄が、裁判で証言し、その証言がまた真実なのかどうか不明なまま、ゆれていく。

ミステリーでもあり、ドラマでもある、ドキドキするものの、地味な話が続いてく感じです。
この田舎のリアルさもまたなんともいえない。
そして、兄の本心、弟の本心がずっと読めないまま話がすすんでいき、

(以下ネタバレです)

結局、真実は、藪の中なんですよ・・・・。

ああ~。なんともずるいわ、、と思うラストですが、いろいろ議論や妄想の余地があり、それがまた面白いのかなとも思えます。
おすすめにした理由は、単純に映画がそんなに好きじゃなくても、二時間サスペンスドラマをもっと複雑かつ鮮やかにした感じで、楽しめる人が多い気がしたから、です。とはいえ、
全体的に、オダギリジョー、香川照之、真木よう子の、の、演技とインパクトでもっているものの、地味~な映画ではあります。

でも、おもしろい!と、思うので一番おすすめです

最近よくあるのが、人の表と裏をしっかり描いてそれをオチにするような話・・。私も好きな、古沢良太さんの脚本とかそんな感じですが、西川監督は、人の表と裏と、さらにその中間までしっかり描かれていると感じます。
極端にいい人もいなければ、悪い人もいないけど、でも、(あまりそこは指摘しないでほしい)というようなナチュラルな打算がしっかりと描かれていて、ほんと、写真を見ると美人で可愛い人だけど、性格悪いんじゃないのー?と思うほどの、描写です。なんか嫌だな~と思ってもやみつきになってしまいます。


2.ディアドクター
これは、私は個人的には一番好きです。
なぜなら・・微妙に、ハッピーエンドです。

キャッチコピーは、(その嘘は、罪ですか)だそうです。
うーん。
無医村で勤務する医者(笑福亭鶴瓶)がある日、失踪するところから、話がはじまります。
ベテラン看護師(余貴美子)、無医村に研修でやってきた若い研修医(瑛太)そして、村の患者の一人の未亡人(八千草薫)が話のキーになります。
医者は実はもと薬品会社の営業で、無資格であり、その場しのぎで医療にたずさわってきた。
なぜそんなことを?という謎から、一体なぜ失踪したのか?という謎へ。
村の世界の狭さなど、なんともリアルです。
この、なんともリアルな感じが今時の映画なのかな、(ファンタジーさが、ない)と思いながら、つい観てしまいます。

八千草薫の演技が、とても上手で、私の知ってる、お上品なお年寄りを再現してるかのよう、お上品でも、けっこうしたたかだったり。

本当のことってどれだけ大事なのか、人の人生の岐路って自分で選べるようで意外に選ばれてずるずる決まってしまう、善悪の基準っていったい何なのか、などなどを車がコーナーをきゅきゅっと回るように回っていきながら、・・・へえ~・・・というハッピーエンドにコーナー曲がってたどりつく、感じです。

ラストが意外なところが、また、今時なのかな。と思いつつ、面白かったです!

瑛太はなんか感じ悪いけど、やっぱり、独特の雰囲気で、いいですね。
余貴美子のいそうな看護婦さんな感じが、なんとも。
そして、主役の笑福亭鶴瓶については、そのイメージそのもので、説明が要らない感じです。

どちらの作品も田舎の独特の閉ざされた感じ、がしっかりと伝わってきて、よかったです。



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