トラカリコン!

「虎・借り・コン!」。虎の威を借りた狐。虎の威を借りて吠える狐が私…。虎が何であるかは、本人にもわからない。

「あさイチ」で女性と安保法案論争の話題

2015-09-28 21:53:38 | 政治や経済
録画してざざっと見ただけだが、嫌な予感。



<1.「あさイチ」が示したレベルに合わせる必要はないんですよ>

(1) あれでは、「もやもやする女同士」で語り合い、運が良ければ「もやもや」しない論争ができるかもしれない・・・で終わり。
・ インターネットで得られる情報が賛成・反対のどちらかに偏りがちなのは、わかりきっている。そこで、「NHKで国会中継を見よう」となぜ言えない? 重要なのにほとんど中継しなかったからだよね~。
・ コメンテーターのうち2名が、わからないから・周りからひかれちゃいそうだから、といった系統の発言を繰り返していた。嫌になっちゃう。体育の跳び箱の授業で、一人が失敗すると続く何人かが失敗するのを連想。
・ だいたい、では、男性が安保法制にどう反応しているかというと、わりと無関心だったりする。法制を理解して論点を追っているわけではなくて、国会審議入りあたりの知識で結論を出している人も珍しくない。

(2) テレビニュースを見て語り合っていた夫婦は、1例だけ取り上げるにしてはあんまりだった。
自信もないので揺れる妻・確固たる主張をする夫、という組み合わせだったが。妻に、野党は最後になって騒いだだけだろ(というような内容の発言だった)と、強行採決を報じるテレビニュースを見ながら説明する夫は、NHK夜7時か9時のニュースしか見ていないだろう。NHKの誘導通りの反応だもん。

(3) 3人のコメンテーターの1人ヤマザキマリ氏(イタリアでは、国会での乱闘も男女での政治の議論も普通、という情報などを語った)と、柳沢氏(NHKが取り上げなかった野党の動きを補足したり)、そして解説委員(反対意見ばかりを扱ったというが、政府の意見を報道することに対してバランスをとった・・・という説明など。そんなこと言われるまでもないと思っていたが、つるの剣士氏のような人も多いようだ。なぜだ?)の発言を拾って膨らませれば、また別の印象になっていただろう。

(4) 私の想像だが。単に男女差で扱うのは現実離れしていると思う。やはり、東京都と例えば地方小都市では、事情が違うだろう。
例えば、安保法案に早々に賛成した金沢市議会と成立後になお不服を申し立てた盛岡市議会。「女性の動き」はあったのかなかったのか。


<2. NHKは「安保法制を知らしめず」から「安保法制に憲法を合わせよう」に転換した?>

「嫌な予感」って、上のことではないんです。
安保法案が通った今、NHKは、「安保法が憲法違反でなくなるように憲法を改正しよう」という方向に誘導しようとしているのではないか? そのために、安保法を取り上げる時間を増やしているような。

参院審議の終盤になって、ようやく安保法制を取り上げた「クローズアップ現代」。内容は、毒にも薬にもならないものだった。そして、成立(前にも書いたが「あの採決は無効」という署名が集められた。手続きを怠る政府って正統性あるのか?)後には、NHK解説委員などが国民が理解(「理解」はしていても「納得」できない、が私の実感。国会での野党の質問の大半に政府は答えないままだ)していない、と。やっと発言し始めた。
安保法制に反対する理由でよく言われるのは。集会のコールやテレビの街頭インタビューの印象では(私の反対理由とは若干異なる)、(a)憲法違反だから、(b)徴兵制(経済的徴兵含む)に反対だから、(c)アメリカの戦争の巻き込まれる可能性が高まるから、(d)採決の方法など法的な手続きがまともではないから、・・・だ。

来年夏の参院選の結果によっては、政府は憲法改正の国民投票を実施できる。
実施されても、国民が賛成しなければ改正されないのだが。今回の安保法制の扱いについて、「憲法違反の法律の国会審議すること自体おかしい」だけの話なのに「反対するなら対案を出せ」という姿勢が通用したんだからなあ(強いて対案を挙げるなら、個別的自衛権の法と外交政策の審議になるはず)。どうなることやら。
なお、「憲法違反」の論陣の出発点となった、小林教授と長谷川教授は、「安倍政権のもとでは憲法改正はするべきではない」という意見だったと思う。国会審議のごく初期のコメントだと記憶しているが、その後の、立憲主義・法的安定性の否定、そして一連の手続きの無視(あの「採決」だけでもあんまりだが、内閣法制局が集団的自衛権の解釈変更に関わる文書を残していなかったそうですよ)など、お二人の見解の正しさが実証された感じだ(以上は、法の分野に限った話。政治的にも、「文化芸術懇親会」への処遇・NHKの広報機関化などは民主主義を軽視する姿勢が露わだし、「アベノミクス」とオリンビック・パラリンピック関連が象徴するように、失敗しかしていない)。


<3.「あさイチ」が示したレベルでは全然間に合わないんですよ>

賛成でも反対でも、同じだ。
憲法改正について考えなければならない。それに際して、「女だからなかなか・・・」とか言うのはいかんな。そこは、男とか女ではなく、「大人としてどうする?」でしょう。

安保法制について、「これで安全性が高まった」と断言するのは安倍首相とその周りくらいのもので。状況によってはかえって危険が増えた、という覚悟を決めた賛成派もいるはず。
逆に、安保法案を廃案にして個別的自衛や外交をああやってこうやったら日本は安泰、と断言できる反対派はいないだろう(しかし・・・。東西対立より南北対立が激しい今、中国を「北側」として味方にし、一緒にISILなどの南側の問題に対処する・・・以外の方法って、あるのか? 衰退しつつあるのは日米だけじゃなくて、北つまり先進国全部だろうに。それとも、軍事力の優越で解決できるつもりなのかな? それは南つまり発展途上国との関係をますます深刻にするだけだと思うけどなあ・・・)。
100%の確信なんて、まともな人には持てない。だが、判断を迫られる。責任が生じる。

「ママ友との人間関係」などにもやもやすることで消耗するなんて、無駄だ。大人なんだから判断する責任を背負わなきゃ。
安保法が成立した今、自衛官は、外国で人を殺す判断をしなければならなくなってしまったのだから。

・・・まあ、人間関係を壊すという危険は怖い(逆に、「この人とこの話ができるんだ!」という感動もなかなかのものだが)。
とりあえず、情報を集めて考える。それは、人生のおりおりでやってきたことであり、特別な行為ではない。みんながそれをやれば、やがては情報交換したりお互いの意見を知りたくなるのが自然なのでは?
原発事故による放射能汚染問題とはタイプが違う。なぜなら、事故現場からの距離などの地域差がない。また、与党の「金目」で分断するテクニックが及びにくい。そして、今はまだ原発ほど生活と一体化していない。まだ引き返せる。だから、肩の力を抜いて話し合いたいよ。


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