「私が最近ブルーなのはどう考えてもこの漫画が悪い!」
最近、ブックオブ、もといブックオフで「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」という漫画を読みました。前から存在は知っていたのですが、ラノベ風のタイトルから、内容については女子高生がモテようと突飛な行動を取り、失敗して逆切れし、クラスメートなんかに八つ当たりするライトなギャグ漫画と思っていました。
実際読んでみると、主人公の女子高生がモテないのは予想通りとして、高校内に友達はおろか知人すら居ない、ヘビーなぼっちあるある漫画だったのでした。校外には中学時代の友達のゆうちゃんや従妹のきーちゃんなんかがいますが。
私も学生時代はコミュ障で、対人不安があり、不安が強い時期はぼっちだったこともあって(対人不安はだいぶ良くなりましたが、現在もコミュ障でぼっちです)興味が湧き、漫画を購入することに決めました。ぼっち編が5巻までのようなので、5巻まで買うことにしました。6巻以降はぼっちでなくなるみたいので、購入は見送りました。
作者が50代位で引退して、落ち着いた老後を希望されているとのことなので、ささやかながらその希望に応えるべく、本屋さんで購入しました。5巻は売ってなかったので、ブックオフで購入しました。
主人公の黒木智子(通称:もこっち)サンは、高校に入学すれば、自動的にモテると思い込んでいたのですが、入学から2ヶ月近く経っても、誰とも会話していないという悲惨な状態です。帰り際に先生から、別れの挨拶をされても、さようならが言えなかったので、先ず身近な異性との会話をしようと弟の部屋を訪れます。
漫画のコマが目に入って来ると笑ってしまうのですが、その後気持ちが辛くなるという新感覚のギャグ漫画です。まあ、青春時代を謳歌した人からすれば、気持ち悪くて笑えもしない漫画かもしれませんが…汗。
そういえば、太宰治の小説も内容は暗いですが、主人公の行動パターンは笑える所も結構あったような気がします。「人間失格」の主人公が軽い知的障害の同級生に道化を演じていることを見破られたくだりなんかは、自分にとっては笑える内容でした。もしかして作者は太宰治の生まれ変わりか?
その後も、もこっちサンがモテるべく見当違いの行動を取って大恥をかいたり、コミュ障故の失敗をしたりすることを繰り返すのですが、その際の心が張り裂けてしまった(張り裂けそう、ではなく、完全に張り裂けちゃってます)際の、もこっちサンの表情が秀逸過ぎます。作画はデビューしたての人が描いたようにちょっと荒いのですが、この表情の描写は他の漫画ではお目にかかることが出来ないかもしれません。
特に最後の2枚の写真の表情は脳裏に焼き付いてしまい、今後漫画を処分したとしても、ずっと覚えているでしょう。
校内で唯一もこっちサンの孤独を察して理解した文化祭実行委員の上級生の今江サン。上の方の写真でも、もこっちサンをフォローしてますね。この今江サンに限らず、基本的にはもこっちサンの周りの人達は優しくていい人が沢山います。弟も姉からひどい八つ当たりをされても、悪態をついたり、蹴ったりしても、見捨てはしません。その優しさがもこっちサンに伝わらず、一人苦悩するところがさらに悲しみを深くします。逆にもこっちサンをいじめるような分かり易い悪人はこの漫画にはいませんね。
最初にこの漫画を購入した日は、読んでいるうちに辛くなって、5巻の最後まで読むことが出来ませんでした。まさにソウルイタターッです。辛い!辛すぎる!充分極悶絶、です(元ネタは「埼玉銘菓 CM で検索!」)。ワタモテについての海外の反応のサイトも見たのですが、海外の人も途中で、部屋の外に出て深呼吸しなければならなかったとか、アニメ版を途中で何度も一時停止したとか書かれていました。また、この漫画が先ず日本よりもアメリカで人気が出たという事実に驚きました。自己主張が求められる明るいヤンキーというイメージのアメリカですが、「ノーと言えない」アメリカ人も沢山いるんですね。6巻以降はぼっち卒業のようなので、ちょっと救われた感じです。5巻の最終話にその兆しが見えているので、自分にとってはいい区切り方です。6巻以降もコミュ障は治ってないので、痛い行動をして失敗を繰り返すのは相変わらずのようですが。
ワタモテの前に「ちょく!」という漫画を描いたとのことで、ブックオフで読んでみたのですが、主人公の女子高生が鼻血を頻繁に出すキャラでした。鼻血女性キャラは「プリズンスクール」(当ブログ:半隠遁生活に一服の性涼剤 二服目:参照)の緑川花サンが初めて私が見たキャラでしたが、その前にも存在していたのですね。だんだん鼻血女性キャラも市民権を得ていくか?
最近はプリズンスクールを読んでハイになり、ワタモテでブルーになることを繰り返しています、汗。