絵本セミナーの記録②

296月絵本セミナー 「人形でトーク」 (小さいお子さんも一緒なので、飽きないようにペープサート人形がしゃべっているように二人でトークしました。 (自分の言葉で語ったので、違う言い方になったり省略したりしました。赤字は参考文献など)

ウサギ:えっと、まず、絵本はどんな時に使えばいいのかなあ。
クマ: おもちゃと同じだね。大人と子どもが遊ぶ時の道具、コミュニケーションツールっていうことですね。本棚の他にもおもちゃ箱に入れて、気軽に手に取れるといいね。それと、今、大人向けの絵本も出ているけど、大人が子どもの相手ばかりしてなかなか読書する暇がないでしょ、そんなとき絵本を開いて大人の自分に戻ることもできるよ。

ウサギ:でも、読もうと思っても、絵本は本屋さんや図書館にいっぱいあってどうしていいかわからないんだよね。
クマ
:そうだね。じゃあだいたい、絵本を2つのグループに分けてみようか。まずAタイプとして歌や赤ちゃん絵本のグループで、言葉と絵の関わりが面白いもの、それからBタイプとして物語絵本というグループで、物語に絵がついている物です。
芸人さんで例えると、Aタイプはリズム系と言われる人たち、例えばピコ太郎とか、ラッスンゴレライとかいう人みたいなもの。文が短くて、意味はたいしてないけど言葉や見た目で楽しむもので、Bタイプは落語家さんみたいに話を聞いて楽しむ、そういうものですね。どちらもとても大事。そして絵本はその特性が重なり合っているものが多くて、これはだいたいの分類です。
 (これは、私が紙芝居の本をいろいろ読んで学んだ結果です。絵本も紙芝居も絵を見せて語るということでは同じです。物の良しあしでなくジャンル分けして、時代や受け手との兼ね合いを合わせて研究していくということが大事ですね。『紙芝居選び方・生かし方』上地ちづ子・児童図書館研究会/編(児童図書館研究会)を読んだのがその最初です)それから、雑誌は、ABが混ぜて編集してあるので、便利ですね。

ウサギ:で、選ぶ時はどうすればいいの?
クマ:2歳くらいまでなら、Aタイプのものがいいね。それから赤ちゃん絵本、って書いてある棚から好きなものを選べばいいね。良いものって思って探すと疲れるから、最初は大人が「楽しそうだね」と思うものを見るとか、絵が気に入ったとか、軽い気持ちで大丈夫だよ。子どもに着せる洋服を選ぶような気持ちでね。それからいちいち買っているとお金がかかってしょうがないから、図書館で借りるという方法もあるよ。 

ウサギ:図書館って静かにしてなくちゃいけないんでしょ。
クマ:確かにそういう場所もあるけど、今はわりと子どもの声を受け入れようというふうに図書館は変わってきているから大丈夫。パンフレットにある赤ちゃんタイムに行くと、特に安心できると思うよ。図書館の使い方やおすすめリストが袋に入っているから、後で見てね。 

ウサギ:もしも図書館の本を汚したらどうしよう。
クマ:わざとじゃないんだから、まずカウンターの人に謝るといい。汚れの程度によってカウンターの人が判断するからその人と良く相談すればいいと思うよ。今はいろんな技術があるから結構直せるらしい。それから、ピンチをチャンスに変えるという考えもあるよ。誰でも失敗することがあるでしょう。失敗したら謝る大人の姿を見て、子どもがそれを学ぶこともできる。それは滅多にないチャンスだね。でも、無理に汚すことないけどね。それから、絵本に詳しい人が結構いてね、本を大事にするあまり、時々こんな本だめだとかこれはここが悪いとか言われるかも知れないけど、それはとりあえず聞いておいて、別の見方でその本のいいところを探す習慣を持つといいね。 

ウサギ:どうして?
クマ
:そういう習慣があると、自然と自分の子どもに対しても、いいところや人と違う個性を見ることが普通になっていくね。そうすると子どもは受け入れられていると感じて自己肯定感が育って、大人と信頼関係がちゃんとできていくと思うよ。それから、昔から読み継がれているという絵本のグループがあって、図書館のリストに載っているのは割とそういうものだけど、そういうのはベーシック絵本ってよばれています。『ベーシック絵本入門』生田美秋/編著(ミネルヴァ書房))
そういうのを少し持っている
と、ベーシックな洋服と同じように困った時に使えるから便利かも。でもベーシックな洋服ばかりだと飽きちゃうから、自分なりにおしゃれしたり、自分の子どもに合いそうなものを探したり、つまりいろいろ好みを組み合わせればいいと思うよ。 

ウサギ:見方はわかったけど、絵本ってどうやって読めばいいかわからないのが 時々あるよね。
クマ:これも絵本の見方と同じで、いろんな読み方があると面白いね。だからうまく読むことばかり考えなくていい。書いてある通り読んでもいいし、佐々木宏子さんていうあかちゃん絵本の先生がいうのは、抑揚をつけて歌うように子どもを巻き込むようにっていうやりかた。赤ちゃんも絵本を眺めてるのだから、赤ちゃんの反応を見ながら、大人と子どもがお互いに感じ合うっていう考え方だよ。(『絵本BOOK END 2015』絵本学会機関誌編集委員会/編(絵本学会))
でも赤ちゃんが本を本としてわかるようになるのは2歳
近くって話だから、小さいうちは何かの絵を見ておしゃべりしあうような気楽な気持ちで遊べばいいよね。 

ウサギ:へえ、じゃあ、あとでやってみようね。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 絵本セミナー... 館長挨拶に異論 »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。