ゲーム君

今、普段のコンビニのバイトとは別に派遣会社のアルバイトをしています。
派遣って時間の融通がきくし、大抵はじめての場所ではじめての仕事をするから結構気楽に楽しくやっています。

先日も郊外の某所で一日働いてきたのですが、そこで素敵な出会いがありました。

午前の仕事が終わり休憩室で煙草を吸っていると、やおら「そこの本読んでいいですよ」と声をかけられました。
その本はパチンコ情報誌、声の主は若い男でした。

僕はパチンコやスロットはやらないし、やりたいとも思わないので、なれない場所で緊張をほぐすきっかけをくれたことに感謝しつつも相手の気を害さないように適当に流しておきました。

しかし彼はさらに続けた。
この前北斗で云々かんぬん、なんかの何が揃うと熱いどうこう、ダチがなんだかで何万勝ったうんちゃら・・・
もう話す話す。

きっと自分とは育ってきた畑が全く違うんだな（「ダチ」という言葉を多用するのが印象的だった）と感じつつも、試しに彼の世界に付き合ってみようと思い、いろいろ聞いてみた。

「パチンコ嫌いなんだけど、やったら面白いものなんですかね？」
「全然知らないんだけど、連チャンって何が連続してるんですか？」
「あと、確変ってなんのことですか？」
「よくわからないんですけど海物語の童顔のマッチョのキャラクターきもくないですか？」
「最近なんでもパチスロになりますよね。なんでもＣＲって付けとけばいいみたいな」
「儲かりますか？あ、僕はパチスロ嫌いなんですけどね」

話の腰が折れてくれることを願いつつ質問しまくってみた。
僕の密かな願いも空しく、もう彼はノリノリで話してくれました。
話によるとどうやら彼は高校二年生で、パチンコに限らずゲームが大好きなようでした。
気を良くした彼はお気に入りの携帯の着メロを聴かせてくれました。


「あ、ロックマン」


この僕のレスポンスが後にどんな事態を招くかなんてその時はまだ知る由もありませんでした。