卑劣な通り(2006)

一番驚いたのはラストのカラオケシーン、
アラン・パーソンズ・プロジェクト の名曲「Old And Wise」を歌い、
それがそのままエンドロールに繋がっていくというところ！！！
なぜに、アラン・パーソンズ・プロジェクトってところがね、渋いっ。
懐かしくてその後ＣＤを引っ張り出して聴きたおしました。。。

「マルチュク通り」の続編的作品とはいえ別物。
そしてチョ・インソンの魅力満載でございます～～～
暴力シーンがこれまた痛い痛いの連続でもあるのですが、
家族や手下たちや友人への、愛や信頼や友情を大切にしている部分も描かれているので、
ギャングだけれどビョンドゥに同情して見てしまいました。
一方、優しく笑顔を絶やさず善人のような人間でも、そうだとは限らないという逆説的なものを感じました。
人間の“卑劣”さがよく描かれていた映画でした。
そしてチョン・ホジンさんがとてもいいです！！！
公開は、８月２５日（土）からです。
　ＯＳＴ 「OST/卑劣な通り」

＜あらすじ＞　暴力団組織のナンバー２のビョンドゥ。
組織のボスと、這い上がってくる後輩たちの狭間で、チャンスは一度もつかめない。
組織内ですることは、踏み倒された金を回収してやる程度。
病気の母と妹弟まで責任を負わなければならない
ゲームセンターの経営権までボスの代りに監房に入る後輩に奪われたビョンドゥ。
未来を保障してやるから自分を困らせる部長検事を処理してくれと、以前に組織の後見人ファン会長がボスに相談していたのを思い出し。。。
映画監督になって訪ねてきた同窓生ミノとの友情も、初恋の人ヒョンジュとの再会も果たしていたある日、
誰にも打ち明けられなかった内心をミノに打ち明ける。。。
チョ・インソン　・・・・・キム・ビョンドゥ
チョン・ホジン　・・・・・ファン・ミョングン会長　「雪の女王」ボラ父、「宮ｓ」イジュン父
ナムグン・ミン　・・・・キム・ミノ（ビョンドゥの同窓生）　「ある素敵な日」カン・ドンハ
イ・ボヨン　・・・・・・・・カン・ヒョンジュ（ビョンドゥの同窓生）　「マイブラザー」チョ・ミリョン
チン・グ　・・・・・・・・・ジョンスゥ（ビョンドゥの手下）　「オールイン」イナ子役、「甘い人生」
ユン・ジェムン　・・・・・ノ・サンチョル（盧相哲）中間ボス　「ユア・マイ・サンシャイン」ソクチュン友人
ソヌ・ウンスク　・・・・・ビョンドゥの母　「フルハウス」ヨンジェ母
イ・ジョンヒョク　・・・・映画の中のやくざ主人公　「マルチュク通り」風紀委員長
チョ・ジヌン　・・・・・・・ヨンピル（サンチョルの手下）
ホ・イジェ　・・・・・・・・ソノク（ビョンドゥの妹）　「宮ｓ」スニ
イ・シンソン　・・・・・・・ピョンシク（ビョンドゥの弟）
クォン・テウォン　・・・・パク部長検事　「カル」スヨン父
キム・ビョンチュン　・・ウ刑事
パク・ヒョジュン　・・・・ハマ（河馬）（ビョンドゥの手下）　「マルチュク通り」ハンバーガー
パク・ミンギュ　・・・・ホンマン（ビョンドゥの手下）
パク・ヒョンミン　・・・・ムンシク（ビョンドゥの手下）
キム・スナム　・・・・・チュンホ（ビョンドゥの手下）
チェ・ジェファン　・・・・ミョング（マンネ（末っ子）ビョンドゥの手下）
キム・ヨンピル　・・・・イ代理（書店職員）
パク・チンソン　・・・・映画会社社長
イ・ヤンヒ　・・・・・・・ナ刑事
チュ・ヨンミン　・・・・チャン武術監督
□ＨＰ　http://www.dirtycarnival.co.kr/（韓国）
（↓　以下ネタばれあり）☆☆☆☆☆

ビョンドゥは病気な母親や妹弟のために、
学校を中退して、手っ取り早くお金が手に入るヤクザな道に入ったのでしょう。
仕事的に非道になってしまいますが、
純粋で情に深く、時折見せる照れくさそうな笑顔が印象的でした。
部下たちに度々「家族ってなんだ？」と問いかけたり。
ヒョンジュへのプレゼントに靴を買うのだって、靴のサイズを知りたくて本をわざと落としたりするのです。
カラオケや歌うシーンが何度か出てくるのですが、インソンくん上手い。
ヒョンジュが歌った歌を、後に行ったカラオケで同じ歌をビョンドゥも歌うのも好きなシーンです。
立ち仕事で疲れるからと店員さんへ歩きやすいのをって注文したり、
病気のヒョンジュをおぶって病院へ連れて行ったり、おかゆなど作ってあげたり、
ヒョンジュへの想いがあふれて帰り際強引にキスするシーンには、キャ～～～～～って感じで。
ヤクザから足を洗ってもいいとまでヒョンジュへの愛が高まるビョンドゥ。

人間は保身のために何でもするという卑劣さ。
ミノ。
ナムグン・ミンさんの笑顔ってキム・レウォンさんに似て見えました～～～。
ヒョンジュと再会させたのも、ビョンドゥの機嫌をとっておこうと思ったのではないかしらん。
映画監督として成功するために、ヤクザ映画を撮りヒットさせるために、ビョンドゥに近づき友情を利用したミノ。
ビョンドゥが純粋なのと対照的に、どんどん表情に腹黒さが見えてきたらやっぱりっ。
見事に裏切りやがって～～～。
そしてジョンスゥ。
ビョンドゥの信頼を受けながらも、裏切った友人を殺すことはできないというビョンドゥの姿に見切りをつけたのか、
（つけこんでファン会長が依頼したのかもしれないけれど）
警察にタレこむのを見越してミノを脅したんだと思うけど、それに失敗すると、
子分たちとビョンドゥを殺害してしまう。
そしてファン会長。
自分の敵をビョンドゥを利用して処分させ、
裏切ったミノを処分させるより、娘を女優として出演させたし映画監督として成功したのを利用する方が、いいと判断したのでしょう。
ギャングの代わりはいるから。

で、ここで「Old And Wise」ですよ！
As far as my eyes can see
There are shadows surrounding me
And to those I leave behind
I want you all to know
You’ve always shared my darkest hours
I’ll miss you when I go
And oh, when I’m old and wise
Heavy words that tossed and blew me
Like autumn winds that will blow right through me
And someday in the mist of time
When they ask you if you knew me
Remember that you were a frined of mine
As the final curtain falls before my eyes
Oh when I’m old and wise
As far as my eyes can see

ミノとジョンスゥはビョンドゥの情の深さにあらためて気付いたのでしょうか。
（ジョンスゥは学があるのかはわかりませんが）
そんな表情に見えました。
選曲したファン会長もそれを感じながら、（ズル）賢く年をとっていく自分を悲観しながら歌ったのでしょうか。。。
カラオケでは出る歌詞がここで出ないのが残念でした。
そして何故に歌のタイトルが「ユリは最高」？
で、「俺たちの生き様を撮ってくれ、頼むぞ」と言っていたビョンドゥの姿がズキンとくるというか。
深いな～～～