フェイスブック句会

主宰・選者:高橋正子
花冠発行所

■第5回フェイスブック日曜句会全作品■

2011-11-20 09:50:50 | 俳句
■全作品/21名63句

No.1 桑本栄太郎
01. 寒拆の辻に透き居り高階に
02.イーゼルの脇で弁当冬初め
03.葉を落とすほどに色づく花梨の実

No.2 黒谷光子
04.冬の月列車の音の遠ざかる
05.柚子の黄の際立つ庭木の濃き中に
06.落ち葉踏み足裏よろこぶ音を聞く

No.3 多田有花
07.山茶花の長き季節の始まりぬ
08.落葉踏み山を巡りて戻りけり
09.スキー場近づく雪を待っており

No.4 津本けい
10.きらきらと時雨の後の京ひかる
11.夕暮をこぼれつ匂う花柊
12.パラグライダー長く空にあり冬晴るる

No.5 下地 鉄
13.裏山に小菊の明りちらほらと  
14.菊咲いて姉の命日思い出し
15.朝月の海の向こうの村一つ

No.6 後藤あゆみ
16.山茶花や傘弾ませて子が来るよ
17.初冬の月円かなるエアポート
18.流水に洗う冬菜の柔さかな

No.7 河野啓一
19.冬霧の中に生駒を遠望す
20.欄干に並び潮見や百合鴎
21.クリスマス近しハモニカ吹いてみる

No.8 小口泰與
22.遠山の十重になりけり冬の朝
23.きらきらと浅間の星や冬に入る 
24.眼間に富士の雪襞彫り深し

No.9 高橋信之
25.自家製のパン焼きあがる十一月
26.明日がある炬燵出す日の喜びよ
27.時雨に散ればユッカ路上に美しき

No.10 安藤智久
28.冬晴れの海の輝きしらす漁
29.物産展に林檎の積まれ香りけり
30.湯に低く父の鼻歌冬浅し

No.11 小西 宏
31.冬薔薇の白きに仰ぐ観覧車
32.切り落せし枝に冬芽の尖り見る 
33.木枯や房総と富士一望に

No.12 高橋秀之
34.夜明け前輝く冬星高々と 
35.冬月の照らす岸辺に波の音 
36.夜が明けて箪笥の奥から冬帽子

No.13 迫田和代
37.児の乗りし橇坂道を神無月
38. 牡蠣船の灯揺れて日が暮れる
39.梟の鳴く帰り道月あかり

No.14 足立 弘
40.紅葉の葉裏透かして青空へ
41.瀬戸内の海見える丘秋夕日
42.舞妓はんの後ろ姿や白粉花

No.15 古田敬二
43.お茶の花金色のしべ濡れており
44.鮮やかに濡れて群れ咲く野菊かな
45.干し柿へ晴れの約束朝陽さす

No.16 川名ますみ
46.枕辺のどの団栗も裂け目もつ
47.枕辺にどんぐり今朝は割れて在り
48.上弦の月に呼び鈴明かなる

No.17 高橋正子
49.うすら日にユッカの花の鈴が鳴る
50.咳こぼし青年ふたり歩み去る
51.煙草吸う君やすでに冬に入る

No.18 小川和子
52.チマチョゴリの少女らに冬日さんさんと
53.大いなる冬河国境へと流る
54.冬河を隔て見る国人立たず

No.19 藤田洋子
55.丘登る落葉いろいろ踏み鳴らし
56.子ら駆ける桜紅葉の降る丘に
57.初冬の皇帝ダリア丘に映ゆ

No.20 佃 康水
58.黙々と手鉤違わず牡蠣打ち女
59.魚跳ねて波紋に乗るや浮寝鳥
60.冬空に触れて沖ゆく給油船

No.21 祝恵子
61.冬浅しムカゴ飯の湯気あがる
62.借りし本ズラリ並べて冬畳
63.冬の土手校舎めがけてランナー達