■全作品/21名63句
No.1 桑本栄太郎
01. 寒拆の辻に透き居り高階に
02.イーゼルの脇で弁当冬初め
03.葉を落とすほどに色づく花梨の実
No.2 黒谷光子
04.冬の月列車の音の遠ざかる
05.柚子の黄の際立つ庭木の濃き中に
06.落ち葉踏み足裏よろこぶ音を聞く
No.3 多田有花
07.山茶花の長き季節の始まりぬ
08.落葉踏み山を巡りて戻りけり
09.スキー場近づく雪を待っており
No.4 津本けい
10.きらきらと時雨の後の京ひかる
11.夕暮をこぼれつ匂う花柊
12.パラグライダー長く空にあり冬晴るる
No.5 下地 鉄
13.裏山に小菊の明りちらほらと
14.菊咲いて姉の命日思い出し
15.朝月の海の向こうの村一つ
No.6 後藤あゆみ
16.山茶花や傘弾ませて子が来るよ
17.初冬の月円かなるエアポート
18.流水に洗う冬菜の柔さかな
No.7 河野啓一
19.冬霧の中に生駒を遠望す
20.欄干に並び潮見や百合鴎
21.クリスマス近しハモニカ吹いてみる
No.8 小口泰與
22.遠山の十重になりけり冬の朝
23.きらきらと浅間の星や冬に入る
24.眼間に富士の雪襞彫り深し
No.9 高橋信之
25.自家製のパン焼きあがる十一月
26.明日がある炬燵出す日の喜びよ
27.時雨に散ればユッカ路上に美しき
No.10 安藤智久
28.冬晴れの海の輝きしらす漁
29.物産展に林檎の積まれ香りけり
30.湯に低く父の鼻歌冬浅し
No.11 小西 宏
31.冬薔薇の白きに仰ぐ観覧車
32.切り落せし枝に冬芽の尖り見る
33.木枯や房総と富士一望に
No.12 高橋秀之
34.夜明け前輝く冬星高々と
35.冬月の照らす岸辺に波の音
36.夜が明けて箪笥の奥から冬帽子
No.13 迫田和代
37.児の乗りし橇坂道を神無月
38. 牡蠣船の灯揺れて日が暮れる
39.梟の鳴く帰り道月あかり
No.14 足立 弘
40.紅葉の葉裏透かして青空へ
41.瀬戸内の海見える丘秋夕日
42.舞妓はんの後ろ姿や白粉花
No.15 古田敬二
43.お茶の花金色のしべ濡れており
44.鮮やかに濡れて群れ咲く野菊かな
45.干し柿へ晴れの約束朝陽さす
No.16 川名ますみ
46.枕辺のどの団栗も裂け目もつ
47.枕辺にどんぐり今朝は割れて在り
48.上弦の月に呼び鈴明かなる
No.17 高橋正子
49.うすら日にユッカの花の鈴が鳴る
50.咳こぼし青年ふたり歩み去る
51.煙草吸う君やすでに冬に入る
No.18 小川和子
52.チマチョゴリの少女らに冬日さんさんと
53.大いなる冬河国境へと流る
54.冬河を隔て見る国人立たず
No.19 藤田洋子
55.丘登る落葉いろいろ踏み鳴らし
56.子ら駆ける桜紅葉の降る丘に
57.初冬の皇帝ダリア丘に映ゆ
No.20 佃 康水
58.黙々と手鉤違わず牡蠣打ち女
59.魚跳ねて波紋に乗るや浮寝鳥
60.冬空に触れて沖ゆく給油船
No.21 祝恵子
61.冬浅しムカゴ飯の湯気あがる
62.借りし本ズラリ並べて冬畳
63.冬の土手校舎めがけてランナー達
No.1 桑本栄太郎
01. 寒拆の辻に透き居り高階に
02.イーゼルの脇で弁当冬初め
03.葉を落とすほどに色づく花梨の実
No.2 黒谷光子
04.冬の月列車の音の遠ざかる
05.柚子の黄の際立つ庭木の濃き中に
06.落ち葉踏み足裏よろこぶ音を聞く
No.3 多田有花
07.山茶花の長き季節の始まりぬ
08.落葉踏み山を巡りて戻りけり
09.スキー場近づく雪を待っており
No.4 津本けい
10.きらきらと時雨の後の京ひかる
11.夕暮をこぼれつ匂う花柊
12.パラグライダー長く空にあり冬晴るる
No.5 下地 鉄
13.裏山に小菊の明りちらほらと
14.菊咲いて姉の命日思い出し
15.朝月の海の向こうの村一つ
No.6 後藤あゆみ
16.山茶花や傘弾ませて子が来るよ
17.初冬の月円かなるエアポート
18.流水に洗う冬菜の柔さかな
No.7 河野啓一
19.冬霧の中に生駒を遠望す
20.欄干に並び潮見や百合鴎
21.クリスマス近しハモニカ吹いてみる
No.8 小口泰與
22.遠山の十重になりけり冬の朝
23.きらきらと浅間の星や冬に入る
24.眼間に富士の雪襞彫り深し
No.9 高橋信之
25.自家製のパン焼きあがる十一月
26.明日がある炬燵出す日の喜びよ
27.時雨に散ればユッカ路上に美しき
No.10 安藤智久
28.冬晴れの海の輝きしらす漁
29.物産展に林檎の積まれ香りけり
30.湯に低く父の鼻歌冬浅し
No.11 小西 宏
31.冬薔薇の白きに仰ぐ観覧車
32.切り落せし枝に冬芽の尖り見る
33.木枯や房総と富士一望に
No.12 高橋秀之
34.夜明け前輝く冬星高々と
35.冬月の照らす岸辺に波の音
36.夜が明けて箪笥の奥から冬帽子
No.13 迫田和代
37.児の乗りし橇坂道を神無月
38. 牡蠣船の灯揺れて日が暮れる
39.梟の鳴く帰り道月あかり
No.14 足立 弘
40.紅葉の葉裏透かして青空へ
41.瀬戸内の海見える丘秋夕日
42.舞妓はんの後ろ姿や白粉花
No.15 古田敬二
43.お茶の花金色のしべ濡れており
44.鮮やかに濡れて群れ咲く野菊かな
45.干し柿へ晴れの約束朝陽さす
No.16 川名ますみ
46.枕辺のどの団栗も裂け目もつ
47.枕辺にどんぐり今朝は割れて在り
48.上弦の月に呼び鈴明かなる
No.17 高橋正子
49.うすら日にユッカの花の鈴が鳴る
50.咳こぼし青年ふたり歩み去る
51.煙草吸う君やすでに冬に入る
No.18 小川和子
52.チマチョゴリの少女らに冬日さんさんと
53.大いなる冬河国境へと流る
54.冬河を隔て見る国人立たず
No.19 藤田洋子
55.丘登る落葉いろいろ踏み鳴らし
56.子ら駆ける桜紅葉の降る丘に
57.初冬の皇帝ダリア丘に映ゆ
No.20 佃 康水
58.黙々と手鉤違わず牡蠣打ち女
59.魚跳ねて波紋に乗るや浮寝鳥
60.冬空に触れて沖ゆく給油船
No.21 祝恵子
61.冬浅しムカゴ飯の湯気あがる
62.借りし本ズラリ並べて冬畳
63.冬の土手校舎めがけてランナー達