続・時計のオーバーホール（分解掃除）はなぜ必要なのでしょう？

続・時計のオーバーホール（分解掃除）はなぜ必要なのでしょう？

写真の丸いものは、機械式時計の心臓「テンプ」の芯を支える、直径1ミリ程の小さな部品「石」です。
右の表面は綺麗ですが、左は中心に汚れがこびり付いているのがお分かりになりますか？
これは劣化して固まった油です。

本来は、右のように綺麗な石がテンプの芯を支え、その隙間には油が指してあります。
その油がテンプの動きを滑らかにして、正確な1秒を作り出します。
しかし左のように油が固まってしまっていると、時計の精度が落ちるばかりか、テンプの芯まで磨耗してしまうことにもなりかねないのです。

テンプの芯はとても繊細で、髪の毛ほどの太さしかありません。
ほんの少し磨耗しただけでも、その性能はグッと下がります。

もちろん、注油してあるのはこの箇所だけではありません。
何十、何百とあるパーツの要所要所に油が指してあります。

時間が経って劣化した油を取り除き、新しく油を指し直す作業。
それが「オーバーホール（分解掃除）」なのです。


梶本時計店
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