AKB48解析研究所

AKB48時事ニュースを研究して解析します。

AKB48バトルロワイヤル 1巻

2010年12月02日 19時52分09秒 | 研究解析
お久しぶりです。
眠りから醒めたわけではないですが、2chで書かれてる面白い小説があったので
転載して掲載します。
作者は「神島☆」という方です。


☆AKB48バトルロワイヤル☆1巻


[第1話]

「ついに今日ですね。」
スーツを着た男が何とも言えない表情で言った。
「あぁ…楽しみだな。」
眼鏡をかけた中年の男は言葉とは裏腹に複雑そうな表情で言った。



「うぅ、寒いなぁ…」
秋の終わりにもなると車の中でも肌寒く感じる。
薄手のブランケットを羽織りながら高橋みなみは震えていた。
「ねー。暖房きいてないよね?運転手さんに行ってこようか?」
隣の席の前田敦子は気をきかせみなみに訊ねた。
「悪いし大丈夫だよ。ほらこれ羽織ってれば結構暖かいし!」
みなみはブランケットを頭に被り顔だけだして
まるで雪だるまのような格好だった。
「あははったかみなそれウケる!」
敦子はみなみの格好に思わず笑ってしまった。
今や若者なら知らない者はいないと言っても過言でもないほど
国民的アイドルになったAKB48。
だがメディアに出ているのはごく一部で48人で仕事なんて事は
ほぼ無いに等しかった。
しかし2週間前に総合プロデューサーである秋元康から驚くべき発表があった。
「次のシングルの選抜は全員。つまり48人で歌う事が決定した。
この事は次のドームツアーのラストにサプライズで発表するから
外部に洩らさないように。2週後PV撮影をする。
その他の詳しい事はその時発表する。」
突然すぎる発表に驚きのメンバーだったが
普段メディアにあまり出ていないメンバーからは歓喜の声も聞こえた。
みなみは普段選抜に入っているが今回の発表は素直に嬉しかった。
全員でバスに乗り移動するのなんて久しぶりだし修学旅行みたいでワクワクした。
行き先は伝えられていなかったがホテルより旅館がいいなとか
下らない事を考えていた。
「たかみな!」
突然の声にみなみは驚いた。
「何ぼーっとしてんの?おやつ食べない?
ともーみがクッキー作ってきたんだって。」
敦子が手に持った丸い物をパリッと頬張りながらそれが2、3枚入った袋をみなみに差し出した。
「ああありがと!あたしなんかちょっと眠くてさ~」
みなみはちょっと照れ臭そうに袋からクッキーを一枚取った。


[第2話]

「確かにあたしもちょっと眠いかも…みんな元気だよねー。」
後ろを見るとさっきまで騒いでいた多田愛佳や小林香菜が
いびきをかいて寝ていた。
「あれ?さっきまでうるさかったのに…てかいきなり静かになったような…」
敦子はちょっと不思議に思ったがそれよりも眠気のほうが遥かに勝っていた。
「うぅ…」
眠そうな敦子に今度はみなみが声をかけた。
「眠いなら寝なよ。あとどれぐらいかかるかわかんないし。
あたしもなんか眠いし…」
みなみは敦子に起こされた事により一瞬目が覚めたがまた眠気に襲われていた。
「はぁ…」
気付けばみなみも手にクッキーの入った袋を持ったまま寝てしまった。


「うぅ…」
大分寝てしまったようだ。
今何時なのだろうか。
目開けた時、みなみの目の前に飛び込んできたのは学校の黒板だった。
ここは?バスに乗っていたはずだけど…辺りを見回すとメンバーが
学校の椅子に座っていた。多分全員…いると思う。
数えてみると横5列縦10列に50人いる。メンバーは全員で48人のはずだが…
だがそんな事より今の状況のほうが問題だ。
とにかく誰か起こそう。
左隣を見ると小嶋陽菜が可愛い寝顔をこちらに向けて寝ていた。
「にゃんにゃん!起きて!にゃんにゃん!」
陽菜の体を激しく揺らした。すると
「もうあたしだってやればできるのに~ってあれ?たかみな?」
意味不明な寝言の後に陽菜は起床した。
「早く起きて!大変なの!」
寝ぼけていた陽菜だがみなみの声にやっと意識がはっきりした。
「え~?ってなにここどこ?なんで制服なの?てかこの首輪なに?」
陽菜の声で場所に気をとられていたみなみは初めて自分がブレザーの
学生服を着ていた事と首輪の存在に気付いた。
首に銀色の首輪のようなものがついている。「なにこれ…」
みなみや陽菜の声に他のメンバーも次第に目を覚ました。
「ここどこ?」
「なにこの首輪?」
「やだ帰りたい!」
「ナニコレネ申?」
など四方八方から声がした。
「たかみな。」
右斜め後ろの席からみなみを呼ぶ声がした。
「あっちゃん!無事で良かった!」
声をかけたのは先ほどまでバスで隣に座っていた前田敦子だった。
「ここどこなんだろう…」
敦子は他のメンバーのように騒ぎはせず冷静に
しかし不安そうな表情をしていた。
「私達どうなるんだろう…」
二人とも暗い表情をした。
その時、誰か教室に入ってきた。入ってきたのは…
総合プロデューサー秋元康だった。


[第3話]

秋元に次いでAKB48劇場支配人の戸賀崎、その後に迷彩服を着た
身長180cmくらいはあろう長身の男二人が猟銃のようなものを担いできた。
「銃?」
「何が起こるの?」
「どういうこと?」
「PVじゃなくてネ申?」
突然の出来事にほとんどのメンバーが狼狽えていた。
「はいはい静かに。静かに!」
なかなか静まらないメンバーだったが秋元の怒鳴り声に一瞬で静まり返った。
「静かになったかな?それでは率直に。
今から皆さんにはPV撮影という名の殺しあいをしてもらいます。」
《殺しあい》という言葉にメンバーはまた狼狽えた。
泣いているメンバーもいる。
「はいはい静かに。あんまり騒ぐとここで先に殺しちゃいますよ?」
その言葉にまた教室全体が静まり返った。
「同じ事を何度も言わせないで下さい。次はありませんよ?」
秋元の目がキリっと鋭くなった。
「いいですか。今から皆さんにはこの島で最後の一人になるまで
殺しあいをしてもらいます。
その様子を島に設置した小型カメラで捉えそれをPVにします。」
秋元は冷静に言った。
「それって…」
一番前の列の誰かが声を発した。
「それって嘘の殺しあいって意味ですよね?嘘の殺しあいゲームに
勝った人が次のシングルのセンターって意味ですよね…?」
鼻にかかったアニメ声。佐藤亜美菜だった。
「次から質問する時は手をあげるようにな。佐藤。
今回は最初だから特別に許してやろう。」
「すみません…。」
「あと、質問の答えだが嘘の殺しあいなんかではない。
相手の息の根を止めあう本当の殺しあいだ。」
「それじゃあ」
そこまで言った所で、ハッとした表情で柏木由紀はそっと手をあげた。
「そうだな柏木。いいぞ、質問して。」
「ありがとうございます。一人が残るまで殺しあうといいましたが
それじゃあPVを撮っても意味がないんじゃないですか?
レコーディングもしてないし。」
それだけ言うと由紀はそっと手を下ろした。
「意味がなくはない。
これがAKB48のラストシングルでライブ披露もないからな。
あとレコーディングはしているぞ。ずっと前にな。」
秋元はニヤニヤしながら言った。
「あと今回のゲームで勝った者はセンターなんて安い事じゃない。
ソロデビューに加え一生の生活保障と芸能界での活動支援。
それに賞金1億円だぞ?」
満足そうな秋元の顔をよそにメンバーは信じられない…といった表情だった。


[第4話]

「みんなまだ信じられないと言った表情だな…それではこれを見て貰おうか。
持ってこい!」
秋元の声で迷彩服を着た体格のいい男二人が大きな布が掛かっている担架を運んできた。
「なに?」
「怖いよ…」
「やだ…」
「ネ申TVじゃないの?」
さっきより格段に怯える声が大きかった。
「今回の事を彼は頑なに拒んでね…何度も説得したんだが
わかってもらえなかったようだったから仕方なかったんだ。なぁ戸賀崎くん?」
「はい、残念です。」
秋元はニヤニヤしていたのに対し戸賀崎は本当に残念そうな顔をしていた。
「めくってくれ。」
それを合図に迷彩服の男二人が大きな布をめくった。
それと同時に教室中に悲鳴が響いた、
「キャアアアアア!」
叫んだのは最前列にいた佐藤亜美菜と中田ちさとだった。
後ろのほうは「えっ何?」と言った表情だったが
すぐに他のメンバーも悲鳴をあげた。
「キャアアアアアア!」
「死んでる!?」
中から現れたのはSKE48劇場支配人の湯浅洋だった。
「湯浅さん!」
皆が叫んでいるなか一人が血まみれの死体に近付いた。
「湯浅さん!しっかりして下さい!湯浅さん!」
近付いていったのは今回のゲームの最年少。
若干13歳のSKE48の松井珠理奈だった。
「静かにしろ!静かに!」
秋元が怒号をあげ更に猟銃を持っている男達は
その銃をメンバーのほうに向けていた。
「松井珠理奈!座りなさい!座らないと撃ち殺すぞ!
他のやつも自分の席に座れ!」
秋元の怒号に珠理奈は泣きながら席についた。
「全くお前らは何度も何度も同じ事を…次ごちゃごちゃ騒いだやつは
本当に死ぬからな!」
秋元はスーツの内側に入れていた小型の銃で既に亡骸となっている
湯浅の頭を撃ち抜いた。
これにはメンバーもびっくりしたが誰も騒ぐ事はしなかった。
「わかりましたか?これはただのゲームではないんです。
死人が出る殺しあいなんです。」
もう誰も声を出す事は無かった。
「全員わかったようだな…それでは次は細かいルールを説明する。
ビデオを見てもらう。しっかり見ておけよ。」
またしても誰も何も言わなかったがきっと殆どのメンバーの心臓が
高鳴っていただろう。
現に高橋みなみもそうであった。
突然殺しあいをしろだなんて…そして一つ疑問があった。
なぜ珠理奈がいるのだろう。
珠理奈の後ろの席には同じSKE48の松井玲奈がいた。
確かに彼女達はAKBの選抜にも入っているが…


[第5話]

そんな事を考えている間にビデオが始まった。


「皆さんこんにちわ。
このビデオでは皆さんが楽しくゲームを行えるように
ゲームのルール案内をしていきます。
しっかり学んで楽しくゲームをしましょう。
ナレーターは私、SDN48の浦野一美が担当します。」
「シンディ…」
声だけだが浦野だと面識のあるメンバーはすぐに気付いた。

「チャプター1。ゲームが始まったら。」

浦野のアナウンスと共に文字が画面に写しだされた。
「彼女は島崎遥香さん16歳。
今回彼女はバトルロワイアルに参加することになりました。」
画面に出てきたのは研究生の島崎遥香だった。
制服に大きなリュックサックを背負いこの学校の前にいるようだ。
そしてこの時初めてこのゲームがバトルロワイアルというのだと知った。
「はぁ~私殺しあいなんてできるかな?」
遥香の決して上手いとはいえない演技をメンバーは目を反らさず見ていた。
「とりあえずデイパックの中身を確認しようかな~」
赤い文字でマルのマークが大きく出て画面が止まった。
「デイパックとはゲームで最初に皆さんにお配りするリュックです。
デイパックの中には島の地図、磁石、時計、食料、水
そしてそれぞれ違う武器が入っています!
当たりを引くか外れを引くかは運次第!
どんな武器が入ってるかまずはデイパックを確認しましょう。」
そこまで言うとまた画面が動きだした。
「おや?島崎さんのデイパックには銃が入っていたようですね~
これは当たりだ!」
遥香が小型の銃をデイパックから取り出した。
「やった!銃が出た!よ~しいっぱい殺すぞ~」
遥香の言動とは思えない発言だが今更驚きもしなかった。
「あっいけない!地図を確認しなきゃ!」
またしても赤い文字でマルのマークが出た。
「この島はブロック事に区切られています。
6時間毎にそれまでに死んだ参加者と禁止エリアを放送します。
禁止エリアにいると皆さんの首についた首輪が爆発するので
放送を聞き逃さないように気をつけてくださいね。」
禁止エリア…この首輪はその為にあったのか。私達が逃げられないように。
「今は…Hの5か。禁止エリアにはならないね!」
遥香の笑顔が妙にイラッときたのはみなみだけではないだろう。
「あっらんらん…」
遥香の声で画面端に現れたのは研究生の山内鈴蘭だった。


[第6話]

「チャプター2。参加者と出くわしたら」

「おやっ?参加者に出くわしましたね。これはチャンスです!」
浦野のアナウンスと同時に遥香が銃を構えた。
「でもらんらんには何の恨みもないし…」
今度は赤い文字で大きくバツのマークが画面に出た。
「恨みが無くても殺すのを躊躇うのはやめましょう。
生き残れるのは一人です。
誰かが殺すだろうではなく自分で率先的に殺しましょう。
それでもなかなか決心がつかないときは何でもいいので
相手のムカつく所を思い浮かべましょう。少しは殺したくなるはずです。」
途中良いことを言ってるような気がするがかなりぶっ飛んだアナウンスだ。
「らんらんこの前公演の時思いっきりぶつかったくせに
一言も謝ってこなかったよね…痛かったのに…
死ねばいいのに…死ねば…殺してやる!」
いくらなんでも適当すぎだろ!っとツッコミをいれたくなったのは
みなみだけではないだろう。
そんなツッコミと裏腹にビデオは激しい展開を見せた。
「死ねえええ!」
遥香の銃から玉が飛び出しそれが鈴蘭の肩に命中した。
「きゃっ!ぱるる?痛いやめて!」
鈴蘭は本当に痛がって泣いているようだった。
銃はまさか本物なのだろうか?
当然偽物だと思っていたので少し不思議に思った。
「この前ぶつかったのに謝ってこなかったじゃん!
私はあんたの100倍痛かった!」
明らかに鈴蘭のが1000倍は痛そうだが…
「死ねえええぇぇ」
遥香の拳銃からバンッバンッと何度も発砲された。
その鉛玉は鈴蘭の胸、腹、足などに見事に命中し鈴蘭は血を流し倒れた。
「きゃっ」
「嘘…本当に死んだの…?」
ビデオを見ているメンバーから小さく声が漏れた。
「お見事!参加者を殺しましたね!
この調子で一人になるまでばんばん殺しましょう!」
浦野の声高らかなナレーションが入った。
「よっしゃー!優勝するぞー!」鈴蘭を殺したにも関わらず
遥香の表情は明るかった。


[第7話]

「チャプター3。禁止事項」

「所変わりましてここはCブロック10番の灯台。
おや?誰か隠れているようですよ。」
場所が変わり浦野のナレーションが入った。
画面の中央に誰か座っている。
「怖いよぉ…」
声が聞こえた。
「おや?あそこにいるのはいつも元気な島田晴香さんですね。
バトルロワイアルのせいで怖がって隠れているようです。」
研究生の島田晴香だった。いつもはとびきり元気な少女だ。
「もうこんなとこ嫌だな…ずっとここに隠れてようかな…」
おなじみの画面に大きくバツのマークだ。
「このゲームにはタイムリミットがあります。
3日目が終わった時に二人以上が生存していたら参加者全員の首輪が
爆発します。ちなみに24時間以内に一人も死ななかった場合も同様に
爆発しますので注意して下さい。」
つまり最後まで逃げ隠れする訳にはいかないという事だ。
晴香が喋りだした。
「でも逃げても仕方ないし…この首輪外れないのかな…?」
……………バツマークだ。
「首輪を無理に外そうとすると爆発します。やめましょう。
また、海に逃げたり島の範囲外に出た場合も爆発します。
無駄なのでやめましょう。」
この首輪があるかぎり逃げられない。私達は戦うしかないのだ。
「もう…わたしどうしたらいいの…?」
晴香は嘆く。そこに誰かが晴香を呼ぶ声がした。
「はるぅ。」
晴香は驚いた表情をしている。 「ぱるる!」
そこにいたのは先ほど山内鈴蘭を笑顔で殺した島崎遥香だった。
だがさっきとは違い制服も髪も乱れ体中傷だらけだった。
「心配してたんだよ!どうしたのその傷?」
晴香は遥香を気遣う。
遥香はニヤリッと笑顔で言った。
「ちょっとみゆみゆにやられてさ…あいつ天然気取っといて
意外とあざといよ…」
同じ研究生の竹内美宥が…晴香は驚いた表情だった。
「みゆみゆがそんな…それでみゆみゆはどこにいるの?」
また遥香はニヤリッとして
「大丈夫だよ。もういないから。ちゃんとこれで仕留めたよ。」
そう言うと遥香はさっき鈴蘭を仕留めた小型の銃を取り出した。
「いやぁぁ!」
晴香は遥香から少し離れた。
「みゆみゆの事…殺したの?ぱるる嘘だよね?」
晴香は信じられない様子だった。美宥が遥香を襲ったことも
遥香が美宥を殺した事も。
「嘘じゃないよ。それにみゆみゆだけじゃない。
みなるんだって、ゆうちゃんだって、このゲームにのってる。」
晴香はもう絶望的な顔をしていた。


[第8話]

「ねぇ、はるぅはこのゲームで優勝したくないの?」
遥香は笑顔のまま晴香に尋ねた。
「優勝って誰かを殺さなきゃいけないんでしょ?そんなの嫌だ…」
晴香は泣いていた。
「そっか…。はるぅは優しいね。」
遥香がさっきまでのひきつったような笑顔ではなく
本当の笑顔をしたように見えた。
だがその顔は一瞬で悪魔のような顔に変貌した。
「あたしは優勝するから!あたしの優勝の為に死んでね!はるぅ!」
遥香は持っていた銃の引き金を晴香に向けて思いっきり引いた。
「いやあぁぁ!」
晴香の叫び声はその儚い命と共に一瞬で消えた。
遥香の銃弾は晴香の頭に命中し即死だった。
「私が優勝するの!絶対に!その為なら誰でも…」
そこまで遥香が言った所でぱらららっと銃声が聞こえた。
「えっ…?」
遥香は思わず自分の腹をみると複数の穴が空いていた。
そこから血が吹き出し遥香はそれから声を発することなく倒れた。
カメラが遥香の後ろを捉えた。
小柄な体に大きな銃を構えた二つ結びの少女が立っていた。
「ぱるるさん。優勝するのは私ですよ。
いっぱい殺してフレッシュレモンになるんだから!」
可憐な美少女、研究生の市川美織は臆することなく立っていた。
「はーい!ビデオはここまでで~す。皆さんルールはよくわかりましたか?」
ナレーションだけで姿を現さなかった浦野が画面左から美織の隣に現れた。
「調子にのってぱるるみたいにならないで下さいね!」
今度は遥香を殺した美織が笑顔で言った。
「それじゃあ皆さん楽しく殺しあいをしてくださいね~」
今度は二人で仲良さそうに手を振って言った。
だが二人が手を降った瞬間、爆発音と共に二人が画面から消えた。
煙が画面一面を覆っている。
その後、恐らくほぼ全員が聞き覚えのあるであろう声がした。
「なにアンタ達だけで楽しそうにしてるのよ!」
煙を団扇で扇ぐ一人の少女…女性が現れた。
「こんばんは~SDN48のめーたんこと大堀恵よ~ちょっと!
あたしが出ないと思って安心してたんじゃないでしょうね?」
メンバーは唖然とした。
「オファーなんて来なくてもしっかり出演するわよ!
みおりんのエキスもたっぷり貰わないとね~ってあらヤダ!
今手榴弾で吹っ飛ばしちゃったわ!みおりん~どこなの~?
あたしにもフレッシュレモンエキスを分けて~」
恵の最後の意味不明な登場でビデオのテープは止まった。


[第9話]

ビデオが終わると秋元が話し始めた。
「みんなルールはわかったか?
簡単に言えば3日間殺しあえばいいってだけだ。」
ルールはわかったものの殺せだなんて…そんな簡単に無理だ…
殆どのメンバーがそう思っただろう。
「えーっとだいたい今は夜中の3時だから次の放送は朝の9時だ。
がんばって殺しあえよ。
それじゃあ名前を呼ばれたらデイパックを受け取って外に出るように。
廊下でうろついたりしたら射殺するからな。
一人出る毎に3分やるからそれまでに移動しろよ。
あーあとこの分校は全員が出てから20分後に禁止エリアになるからなー。
気をつけろよー。それじゃあア行から順にいくぞ。秋元才加。」
みなみは今気付いたが左から縦に名前順に並んでいた。
だから私の前があきちゃで後ろがたなみんだったのか。
正直みなみは席運がないなと感じた。
才加やあっちゃんともっと近ければ外に出た後に
一緒に行動できると思ったのだが…
「大島優子。」
秋元が名前を読んだ。
優子…そうだ。優子とも近ければ…
そう思いみなみは優子を見たがなんだか様子がおかしかった。
いつもの優子とは雰囲気が違いなんだか怖かった。
この状況におかしくなるのもわかるが大丈夫だろうか…
右斜め後ろの敦子を見た。
敦子もみなみを見ていた。もしかしたらずっと見ていたのかもしれない。
迂闊に喋ると危険だと思ったので見つめあったまま1分ほどたっただろうか。
敦子がみなみの手を握り声は出さず口だけ動かした。
最初はわからなかったが何回も口を見ている間にみなみはようやく理解した。
みなみは深く頷いた。


《絶対に生きて帰ろう》


二人で誓った。
時間は流れみなみの前の高城が呼ばれた。
次だ。
そしてついにその時がきた。
「高橋みなみ。」
「はい。」
みなみはデイパックを受け取り歩きだした。
この馬鹿げたゲームで生き残る為に。

【残り50人】



2巻に続く・・・