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自治会の課題(2)

2005年06月07日 | 学習ノート
 今日は仕事が休みなので、早めにブログを書いてゆっくりすごしたいと思います。
 (最近、ブログ症候群にかかっているような感じなので、少し運営方法を考え直す必要がありそうです。)


 さて、昨日は地縁組織の問題点や課題を新聞での特集記事を紹介する形で検討しました。
 住民自治の必要性が高まる一方で、地縁組織の評価は一般的には低いのが現状ですが、現在の地縁組織に向けられる批判として、次のようなものもあります。
 
 ●自発的に結成されたものではなく、世帯単位の加盟とされており、半ば強制加入だ。
 ●信教の自由やプライバシー権などといった基本的人権が無視されがちだ。
 ●地域のボスや顔役の意のままになる。
 ●行政の下請け機構となっている。
 
 また、自治会組織の課題としてはこの他に、下部組織の「組」や子ども会・老人会などとの関係、上部組織の「連合会」など自治会を基盤とするピラミッド型の組織が形成されていることによって、上意下達的な形態となっている実態もあり、ボトムアップ型の政策提言を行う住民の主体性の醸成を阻害しているのではないかとの意見もあるようです。
 
 
 次に、自治会活動に関するいくつかの判例を紹介しながら、問題点を考えていきたいと思います。
 
 
1.神社経費の負担は違憲

 自治会費を神社の維持経費に充てたり寄付したり、また氏子制度を組み入れたり組織として神事へ参加することは好ましくありません。
 日本独特の神道との関係や祭り・御輿といった伝統行事などは微妙な判断が求められますが、思想信条・信仰の自由(もちろん信仰しない自由)は保証されなければなりませんので、自治会活動とは切り離して行うべきだと思います。

 また、自治会が半強制的に共同募金を集めるもの、本来のありようから考えて好ましくありません。


(以下、http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/hannketu02-03.htmより引用)
佐賀地裁;自治会費の神社費一括徴収は違憲(02年4月12日)==確定
 91年に他県から佐賀県鳥栖市に引っ越し、自治会に加入した仏教の信者である70歳代の原告夫婦は、94年、月額400円の自治会費の中に神社管理費43円(神社に宮司は常駐せず、自治会長が責任役員を務めている)が含まれていることを知り、これらの「特定宗教関係費」43円分の支払いを控除してほしいと要望した。しかし自治会は一括徴収を続けたため、夫妻は同年5月に会費納入の拒否を文書で通告、これに対して自治会は2人を会員名簿から消した。そこで夫婦は99年12月に、信教の自由を侵されたとして、自治会と自治会長を相手に、自治会員としての地位確認と慰謝料など計220万円の支払いを求めた訴訟の判決があった。
 判決は、「当該自治会は任意加入の団体としては加入率が98パーセントと極めて高く、脱退すれば地域社会から疎外されるという心理的負担は軽視できない」として、公共性を認めた、また神社管理費を「特定宗教関係費に当たる」と認定し、自治会の運営について「構成員が様々な信仰を持つことを前提にしなければならない」と指摘した。そのうえで、被告側の、「原告が自治会費の支払いを拒絶した」のは、「脱退の意思表示があった」との主張を「原告らの支払い拒絶には正当の理由があり、脱退認定の根拠にならない」と退け、自治会が神社管理費を含め一括徴収することは、「神社神道を信仰しない原告らにとって事実上、宗教上の行為への参加を強制するもので、信教の自由、信仰の自由を侵害し、自治会の民主的な運営を定めた地方自治法の趣旨に反し違法」として、原告の自治会員としての地位を認めた(一方、自治会の行為は「徴収方法の問題点に気付くのは困難だった」とし、損害賠償に直結する権利侵害はなかったとした)。
 なお、自治会の神社費徴収の問題についての判決は初めてである。この自治会は99年度から、自治会費と神社費を会計上、分けて徴収しているが、問題となった一括徴収は近年、見直しの動きが出ているものの、地方などでまだ相当数続いているとみられる。




2.自治会への強制加盟は違憲

 自治会は、できるだけ多くの住民が自主的に加盟し活動することがベターですが、加盟や活動を強要することは許されません。
 
 
(以下、http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/jitikaidattaisaikousai.htmより引用)
最高裁第3小法廷;公営団地の自治会、退会は自由…が初判断(05年4月26日)=判決全文 

埼玉県新座市の県営団地の自治会が、98年に入居、01年3月から月額2700円の共益費と300円の会費を自治会に支払わなくなり、同年5月に退会した退会した男性に、共益費と会費計7万2000円の支払いを求めていた事案の(公営団地の自治会を自由に退会できるかどうかが争われた)訴訟の上告審判決があった。
 判決は、退会は許されないとして請求全額の支払いを命じた1、2審判決を破棄したうえで、「自治会は、快適な環境の維持や会員相互の助け合いを目的として設立され、強制加入団体ではないから、会員はいつでも一方的に退会することができる」との初判断を示し、退会後の自治会の運営に使用される会費を除く、階段灯の電気料金など共用部分の維持管理に使われる共益費など6万5700円の支払いを命じた。なお、賃貸の公営団地などでは、行政側が共益費の徴収などを自治会に委託しているため、入居者が事実上、加入を強いられるところが多い。
  ▲(朝日新聞記事)団地の自治会「退会は自由」 最高裁が一・二審判決変更▲



3.自治会への違法な補助金支出の問題
 この件について、▲しが自治会オンブズパーソン▲のHPで、「京都・市民・オンブズパーソン委員会」代表の折田泰宏氏(弁護士)の講演を聞くことができますので、参考になると思います。この講演では、町内会の歴史や問題点なども分かりやすく解説されています。

 なお、草津市でも矢橋帰帆島の湖南中部浄化センターが周辺自治会へ交付している迷惑料が不正だとして、訴訟が行われています。▲市民オンブズが下水施設迷惑料支払い中止要望▲



 以上のような問題点や課題をどのように払拭していくのかが、今後の取り組みで問われています。

 ところで、「あなたの『町内会』総点検」(著者:佐藤文明)には、「『あなたの自治会・町内会』民主度チェック」として以下の項目による数値化が示されていますので、参考にされてはいかがでしょうか。

(以下、「あなたの『町内会』総点検」からの抜粋です。)

1.会長は選挙で選ぱれていますか YES/NO
2.この5年間に会長の交替はありましたか YES/NO
3.文書化された会則はありますか YES/NO
4.定期的に会報が出ていますか YES/NO
5.会員の投書が会報に載りますか YES/NO
6.会計報告はされていますか YES/NO
7.電話番号入り会員名簿を作っていますか YES/NO
8.地元神社に寄付していますか YES/NO
9.お払いや祈とうに出資していますか YES/NO
10.祭りは地元神社の礼大祭ですか YES/NO
11.会費の一部を募金に当てていますか YES/NO
12.募金は各戸ごとに集めに来ますか YES/NO
13.議会選挙の投票を依頼されたことがありますか YES/NO
14.公金ル集金を担当する人はいますか YES/NO
15.国勢調査の調査員に役員はいますか YES/NO
16.婦人会代表を割り当てていますか YES/NO
17.防災婦人部代表を割り当てていますか YES/NO
18.子ども会への参加は任意ですか YES/NO
19.防災訓練への参加は任意ですか YES/NO
20.日の丸の斡旋販売はありますか YES/NO
21.郵便受箱の斡旋販売はありますか YES/NO
22.神社札の強制配布はありますか YES/NO
23.当番に代人を立てる自由はありますか YES/NO
24.当番などで弱者への配慮がありますか YES/NO
25.地域管理の上で弱者への配慮はありますか YES/NO

〔採点〕まず、次の回答があったものを評価点とします。
1~7はYES、8~17はNO、18・19はYES、20~22はNO、23~25はYESです。
いくつ評価点がありましたか。その数を4倍したもの それが「あなたの自治会・町内会」の民主度100点満点)です。
▼民主度100 理想的です。地域に骨を埋める覚悟で、活動に協力しましょう。
▼民主度80以上 魅力的です。いっそうの改善が理解される可能性は大です。
▼民主度52以上 平均的です。改善の努力は大変ですが、一歩一歩やりましよう。
▼民主度24以上 硬直的です。地域とは距離を置き、チャンスを待ちましょう。
▼民主度20以下 絶望的です。夜逃げしたほうが身のため。人が住む所ではありません。
(抜粋はここまで)



 あなたの自治会は、何点でした?

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