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(読書)政策形成の過程 

2005年02月10日 | 読書感想
副題:民主主義と公共性

著者:チャールズ・E・リンドフロム、エドワード・J・ウッドハウス

 本書は、民主主義に基づいて政治が行われているのに社会問題が合理的かつ効果的な政策が実行されない理由を分析したもの。
 非常に興味深い内容です。

 1978年にノーベル経済学賞を受賞したハーバート・サイモンは、人間は常に最適かつ合理的な判断を行える存在では無いとし、認知限界という概念を打ち出したそうですが、本書でも人間の頭脳は複雑に絡み合う現実社会の複雑な構図をそう簡単にはすべて解き明かすことができないとしています。また、分析というのは一定の限界はあるものの、現実的に政策は分析や情報に基づく合理的な方法を選択するのではなく権力(利害関係)に基づく決定が主流であることから、益々その問題解決に複雑さを増しています。
 そうした中で、民主主義に基づく政治的相互交流が賢明な政策をおこなう上で、どのような潜在的可能性を持っているのか、またその限界はどこにあるのかを分析することがこの本の主題です。

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