の坐すと地と魂の鎭まる地

社や陵、墓所についてや、について勝手氣ままに綴っていきます。

雑記1 『住吉大』

2010年05月17日 22時21分23秒 | 雑記
 住吉大というと、底、中、表筒男の三の總稱をいいます。

 住吉大社の宮司であった津守家の祖を祀る社が大海社であることもあり、住吉三は綿津見三と實は同體であるという考えもあり、そのことより、その地にとどまったものをワタツミ、東遷したものをスミノエとする説もあるのが實際のところです。

 また、住吉三はオリオン座の三ツ星という考え方も存在します。實際、對馬の豆酘、壱岐の筒城、絲島の筒木がオリオン座の三ツ星の配置となっているということです。これは、筒を星(ツツ)とし、底中表の三筒之男をオリオン座の中央にあるカラスキ星(參星)とみなし、航海の目標としたことから航海を司ると考える説に基づくものであります。この場合、「筒」を「星」と見做す為には「石筒之男の筒を星と解し難いことが大きな障害」とその説を唱えた倉野憲司氏は述べておられます。

 伊奘諾が自らの子である火軻遇突智を十握剱で斬ったときに、その滴る血から生まれた磐筒男命と磐筒女命がいるが、住吉三の筒を星と解すとき、これを無視することは出来ません。實のところ、島根、壱岐、筑後久留米、大分、香川、島、知では粒をツヅというので、古く空の星粒のことをツツもしくはツヅといったことが推測されます。實際、金星は「ユウツヅ、ユウツツ」といわれるのは有名な話です。實際、卜部兼方、一條兼良も磐筒男を「太白の精」すなわち金星として考えています。こういったことを踏まえて、大和岩雄は『日本の々』で、金は荒金の精のことであり、荒金の精は剱であるので、剱に關わる磐筒男を金星、航海に關わる表、中、底筒男をオリオン座の三ツ星と考えていられます。無論、金星や三ツ星は航海で重要でありますから。

 住吉大社の本殿は東西を西に面して縦に三つ獨立し竝んで建っているのですが、一般にが一座以上の場合は南向きで横に竝ぶのが通常のことであるため、非常に特殊であり、オリオン座が初冬に眞東より縦一文字に立つ様が筒男三が一つ一つ海から現れる姿を社殿の竝びと向きが示しているとも考えられています。

 なかなか興味深い、の追求。


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