【釜山(韓国)25日塩田芳久】人骨を使った放射性炭素(C14)年代法で、弥生時代の開始期は定説通り紀元前五世紀ごろ―とする研究報告をまとめた九州大大学院の田中良之教授(考古学)らは二十五日、韓国・釜山市であった考古学大会で成果を発表した。会場には二百人を超す日韓の研究者らが詰め掛け、「開始期は紀元前十世紀ごろ」という国立歴史民俗博物館(歴博、千葉県佐倉市)の新説に対する初めての本格的反論に強い関心が寄せられた。
田中教授は、炭素を抽出できた七例の測定数値を示しながら、「歴博と同一の手法で行われており、それが異なるということは、どちらかの年代に問題がある」と説明。「人骨を試料とした年代測定は大半が古い数値を示す。実際の試料の年代が今回の値より古くなることはない」と、弥生開始期が紀元前五世紀より遡(さかのぼ)ることがないという自説に自信を見せた。
発表に対し、日韓双方の出席者から、「なぜ歴博の年代はあれほど古く出たのか」「試料の具体的な分析法は」といった質問が出た。田中教授は研究データを示して答え、「今後試料数を増やし、今回の成果を体系化したい」と述べた。
九大グループは九州北部で出土した人骨と獣骨の年代を、加速器質量分析(AMS)を使って年代測定。同時に出土した甕棺(かめかん)と土器の形状などによる年代区分と比較・照合した。結果、甕棺や土器の年代区分と、試料の年代がほぼ一致し、「弥生時代は従来の年代観で妥当」との結論を導いた。(西日本新聞)
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田中教授は、炭素を抽出できた七例の測定数値を示しながら、「歴博と同一の手法で行われており、それが異なるということは、どちらかの年代に問題がある」と説明。「人骨を試料とした年代測定は大半が古い数値を示す。実際の試料の年代が今回の値より古くなることはない」と、弥生開始期が紀元前五世紀より遡(さかのぼ)ることがないという自説に自信を見せた。
発表に対し、日韓双方の出席者から、「なぜ歴博の年代はあれほど古く出たのか」「試料の具体的な分析法は」といった質問が出た。田中教授は研究データを示して答え、「今後試料数を増やし、今回の成果を体系化したい」と述べた。
九大グループは九州北部で出土した人骨と獣骨の年代を、加速器質量分析(AMS)を使って年代測定。同時に出土した甕棺(かめかん)と土器の形状などによる年代区分と比較・照合した。結果、甕棺や土器の年代区分と、試料の年代がほぼ一致し、「弥生時代は従来の年代観で妥当」との結論を導いた。(西日本新聞)
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