2008年12月 5日(金)
師走の忙しさに追われている最中、モータスポーツファンとして、Honda車乗りとしてとても残念なニュースが飛び込んできた。本田技研工業株式会の緊急記者会見が行われてHonda Racing F1の「F1撤退」が発表されたと親友 竜氏からのメールにて教えてもらった。夕方になって慌てて会社に戻り、仕事をしているフリをしながら(笑)インターネットの記事を読んで再び残念な気持ちになった。
いま世界を騒がせている金融問題の影響が大きいらしい。日米欧の他の自動車メーカーと同じようにホンダも業績悪化に悩んでおり、10月には2009年3月期の連結営業利益見通しを前期比42.3%減と大幅に下方修正した。すでに国内外で約14万台を減産し、国内の期間従業員760人を削減すると発表している。F1費用は年間500億~600億円規模に上る。その額は営業利益の1割にも相当する負担だけに「F1に注いできた経営資源や人材を新しい分野に振り向けるべきだ」と福井社長が撤退を決断したと経緯を説明し途中、言葉につまり、涙ぐみながら会見に応じたとのこと。
経営者としてはもっともな経営判断だと思う。その福井社長が「F1というのはHondaの文化」「F1はうちのDNA」と
位置づけてきただけに今回の撤退は断腸の思いだろう。ホンダにとってF1は創業者の本田宗一郎氏の強い意向で始まった重要な事業である。レースをやりたい、F1で技術を磨きたいからとホンダへ入る人も少なくないらしい。福井社長自身「レースがやりたいから」と言ってホンダに入社したらしい。
~毎日新聞「毎日jp」より抜粋~
ホンダがF1撤退を決めたことで、国内で唯一F1参戦を続けることになるトヨタ自動車。トヨタは「撤退する計画は今のところない」(広報部)としているが、世界的な自動車販売の不振やF1参戦のコスト高など取り巻く環境はホンダと変わらない。業績の低迷が続けばトヨタでも撤退に向けた議論が巻き起こるのは必至だ。ホンダのF1は欧州でたばこ広告が禁止された影響で2007年から事実上スポンサーを失った。
一方、トヨタは2002年の参戦当初からパナソニックがメーンスポンサーとなって参戦資金の一部を負担しておりホンダと比べて負担は少ない。しかしF1マシンの開発費用は「0.1秒の短縮に5億円」(関係者)ともいわれ、コスト負担は増える一方だ。F1を統括する国際自動車連盟(FIA)は参戦資金を抑えるためエンジンの開発凍結などコスト削減を進めてきた。しかし各チームは十数億円のコンピューターを投入したり空力開発を行う風洞施設を建設。規制の届かないところで開発競争が激化しコスト増に歯止めがかからない状態になっている。培った技術を市販車に応用することもF1の大きな目的と言われてきた。しかし近年の開発投資の進展などでハイブリッド技術や車の横滑り防止機能など、逆に市販車の方が進んでいるケースも多いという指摘もあり、必ずしもF1が技術開発に不可欠とは言えなくなっている。
さらにホンダの撤退はトヨタのF1への「情熱」も消しかねない。トヨタのF1参戦の公式の目的は、若者へのアピールと市販車の販売につなげることにある。しかし最大の理由と言われるのが、強いライバル意識を持つホンダに対し、販売だけではなくモータースポーツの世界でも勝ちたい、という思いだからだ。厳しい環境の中トヨタは今後、国内F1ファンの注目を一手に浴びることになり撤退となればF1ファンの非難を浴びかねない。本業の低迷が続けば、トヨタとしても今後難しい選択を迫られることになりそうだ。
(資料)「ホンダとトヨタのF1の取り組み」
1)参入年
ホンダ→1964年
トヨタ→2002年
2)運営費(推定)
ホンダ→500億~600億円
トヨタ→500億~600億円
3)運営会社
ホンダ→ホンダGPリミテッド(英)
トヨタ→トヨタモータースポーツ(独)
4)同従業員数
ホンダ→700人
トヨタ→650人
5)本社F1担当者
ホンダ→350~400人
トヨタ→200人
6)総合順位(11チーム中)
・2008年
ホンダ→9位、トヨタ→5位
・2007年
ホンダ→8位、トヨタ→6位
・2006年
ホンダ→4位、トヨタ→6位
(毎日新聞/2008年12月6日/中部朝刊より)
(追記)
ホンダとトヨタを比較したデータを見てみると同じ金額の運営費(推定)なのにトヨタはホンダよりも少ない人員でF1に参戦していることが分かる。とくに本社F1担当者なんかは約半数で業務を行っている。現場の運営会社の従業員数もトヨタの方が少ない。ホンダは他にもHRD(Honda Racing Development)に40名の社員を抱えているから上記の700人プラス40人。
トヨタが650人+200人=850人に対して、ホンダは740人+350人(最小値)=1090人である。トヨタはホンダの約7割の人員だ。・・・ということはホンダは多額の人件費を支払っていたことが推測できる。もしかするとホンダは人件費に食われ開発費の捻出が苦しくなっていた?
トヨタの方が同じ運営費で多くの開発費を出せる可能性があることは上記の資料から推測できる。ホンダの人件費が高くなった要因の一つはチームの重要ポストにニック・フライやロス・ブラウンなどの‘外国産金食い虫’が沢山生息していたからなのかな?(笑)。外資に食われてしまったのかな?(笑)。
人件費の内訳を見ることが出来たのならば分かることだけどネ。Honda Racing の象徴でもある赤「H」マークが付いているF1がサーキットから消えてしまうのはとても悲しいことである。とても残念。
2009年はせっかくの鈴鹿開催なのに、佐藤琢磨もいない(現時点では不確定)、ホンダもいない。まるで吉野家の牛丼を「ツユ無し」で食べているような感じだ。
物足りない。
味気がナイ(笑)。
F1がボクたち日本人にとって、
魅力の薄いモータースポーツになってしまいそうでとても悲しい。
F1 バルセロナ・テスト2008
師走の忙しさに追われている最中、モータスポーツファンとして、Honda車乗りとしてとても残念なニュースが飛び込んできた。本田技研工業株式会の緊急記者会見が行われてHonda Racing F1の「F1撤退」が発表されたと親友 竜氏からのメールにて教えてもらった。夕方になって慌てて会社に戻り、仕事をしているフリをしながら(笑)インターネットの記事を読んで再び残念な気持ちになった。
いま世界を騒がせている金融問題の影響が大きいらしい。日米欧の他の自動車メーカーと同じようにホンダも業績悪化に悩んでおり、10月には2009年3月期の連結営業利益見通しを前期比42.3%減と大幅に下方修正した。すでに国内外で約14万台を減産し、国内の期間従業員760人を削減すると発表している。F1費用は年間500億~600億円規模に上る。その額は営業利益の1割にも相当する負担だけに「F1に注いできた経営資源や人材を新しい分野に振り向けるべきだ」と福井社長が撤退を決断したと経緯を説明し途中、言葉につまり、涙ぐみながら会見に応じたとのこと。
経営者としてはもっともな経営判断だと思う。その福井社長が「F1というのはHondaの文化」「F1はうちのDNA」と
位置づけてきただけに今回の撤退は断腸の思いだろう。ホンダにとってF1は創業者の本田宗一郎氏の強い意向で始まった重要な事業である。レースをやりたい、F1で技術を磨きたいからとホンダへ入る人も少なくないらしい。福井社長自身「レースがやりたいから」と言ってホンダに入社したらしい。
~毎日新聞「毎日jp」より抜粋~
ホンダがF1撤退を決めたことで、国内で唯一F1参戦を続けることになるトヨタ自動車。トヨタは「撤退する計画は今のところない」(広報部)としているが、世界的な自動車販売の不振やF1参戦のコスト高など取り巻く環境はホンダと変わらない。業績の低迷が続けばトヨタでも撤退に向けた議論が巻き起こるのは必至だ。ホンダのF1は欧州でたばこ広告が禁止された影響で2007年から事実上スポンサーを失った。
一方、トヨタは2002年の参戦当初からパナソニックがメーンスポンサーとなって参戦資金の一部を負担しておりホンダと比べて負担は少ない。しかしF1マシンの開発費用は「0.1秒の短縮に5億円」(関係者)ともいわれ、コスト負担は増える一方だ。F1を統括する国際自動車連盟(FIA)は参戦資金を抑えるためエンジンの開発凍結などコスト削減を進めてきた。しかし各チームは十数億円のコンピューターを投入したり空力開発を行う風洞施設を建設。規制の届かないところで開発競争が激化しコスト増に歯止めがかからない状態になっている。培った技術を市販車に応用することもF1の大きな目的と言われてきた。しかし近年の開発投資の進展などでハイブリッド技術や車の横滑り防止機能など、逆に市販車の方が進んでいるケースも多いという指摘もあり、必ずしもF1が技術開発に不可欠とは言えなくなっている。
さらにホンダの撤退はトヨタのF1への「情熱」も消しかねない。トヨタのF1参戦の公式の目的は、若者へのアピールと市販車の販売につなげることにある。しかし最大の理由と言われるのが、強いライバル意識を持つホンダに対し、販売だけではなくモータースポーツの世界でも勝ちたい、という思いだからだ。厳しい環境の中トヨタは今後、国内F1ファンの注目を一手に浴びることになり撤退となればF1ファンの非難を浴びかねない。本業の低迷が続けば、トヨタとしても今後難しい選択を迫られることになりそうだ。
(資料)「ホンダとトヨタのF1の取り組み」
1)参入年
ホンダ→1964年
トヨタ→2002年
2)運営費(推定)
ホンダ→500億~600億円
トヨタ→500億~600億円
3)運営会社
ホンダ→ホンダGPリミテッド(英)
トヨタ→トヨタモータースポーツ(独)
4)同従業員数
ホンダ→700人
トヨタ→650人
5)本社F1担当者
ホンダ→350~400人
トヨタ→200人
6)総合順位(11チーム中)
・2008年
ホンダ→9位、トヨタ→5位
・2007年
ホンダ→8位、トヨタ→6位
・2006年
ホンダ→4位、トヨタ→6位
(毎日新聞/2008年12月6日/中部朝刊より)
(追記)
ホンダとトヨタを比較したデータを見てみると同じ金額の運営費(推定)なのにトヨタはホンダよりも少ない人員でF1に参戦していることが分かる。とくに本社F1担当者なんかは約半数で業務を行っている。現場の運営会社の従業員数もトヨタの方が少ない。ホンダは他にもHRD(Honda Racing Development)に40名の社員を抱えているから上記の700人プラス40人。
トヨタが650人+200人=850人に対して、ホンダは740人+350人(最小値)=1090人である。トヨタはホンダの約7割の人員だ。・・・ということはホンダは多額の人件費を支払っていたことが推測できる。もしかするとホンダは人件費に食われ開発費の捻出が苦しくなっていた?
トヨタの方が同じ運営費で多くの開発費を出せる可能性があることは上記の資料から推測できる。ホンダの人件費が高くなった要因の一つはチームの重要ポストにニック・フライやロス・ブラウンなどの‘外国産金食い虫’が沢山生息していたからなのかな?(笑)。外資に食われてしまったのかな?(笑)。
人件費の内訳を見ることが出来たのならば分かることだけどネ。Honda Racing の象徴でもある赤「H」マークが付いているF1がサーキットから消えてしまうのはとても悲しいことである。とても残念。
2009年はせっかくの鈴鹿開催なのに、佐藤琢磨もいない(現時点では不確定)、ホンダもいない。まるで吉野家の牛丼を「ツユ無し」で食べているような感じだ。
物足りない。
味気がナイ(笑)。
F1がボクたち日本人にとって、
魅力の薄いモータースポーツになってしまいそうでとても悲しい。
F1 バルセロナ・テスト2008