東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

南禅寺天授庵の長谷川等伯障壁画(永青文庫)

2017年10月21日 | 展覧会(日本美術)
重要文化財 長谷川等伯障壁画展
南禅寺天授庵と細川幽斎
2017年9月30日〜11月26日
永青文庫
 
 
前期:〜10月29日
後期:10月31日〜
 
 
   前期を訪問する。永青文庫には「春画展」以来2展目の訪問となる。
 
 
   長谷川等伯の南禅寺天授庵方丈の障壁画は、全32面。
 
 
   前期は、室中の重文《禅宗祖師図》16面の展示。
 
 
   《禅宗祖師図》は、16面中8面が昨年(2016年)東博「禅―心をかたちに―」展に出品(前後期に4面ずつ)されており、私は後期に4面見ているらしく、ブログにも写真を掲載しているのだが、記憶に残っていない。
 
 
   後期は、上間二之間の重文《商山四皓図》8面、および下間二之間の重文《松鶴図》8面が展示予定。
 
 
 
 
   永青文庫の4階展示室。


   重文《禅宗祖師図》16面が、室中と同様の配置で展示される。
 
 
   右手のケースに《船子夾山図》4面。


   正面のケースに《五祖六祖図》と《趙州頭戴草鞋図》の8面。
 

   左手のケースに《南泉斬猫図》と《懶瓚煨芋図》の4面。



   印象的なのは、やはり《南泉斬猫図》。 右手に刃物を持ち、左手に竦んだ猫をつかむ男。その目。 


   草履を頭に載せて歩く男の《趙州頭戴草鞋図》。


   この2図が直角で相対する。
 
 
 
   舟に乗っている男と、岸辺を歩きながらその男を振り返る男の  《船子夾山図》。
 
 
   右手の棒きれで地面をつつき左手に芋を持つ男、鼻水も垂らしているのかもしれない。と、の仰々しい服装の男とそのお付きらしい子供の《懶瓚煨芋図》。


   二人の男が並ぶ《五祖六祖図》は、アトリビュートありとのこと。
 
 
 
   「等伯晩年の水墨人物画の名作」とも言われているらしいが、その辺は疎いが、充分に楽しむ。
 
 
   受付では、図録代わりの永青文庫の季刊誌(300円)のほか、全32面を完全収録という2015年青幻舎刊行の書籍『等伯の説話画  南禅寺天授庵の襖絵』(その約10倍)も販売。
 
 
 
細川家ゆかりの南禅寺塔頭・天授庵。
その方丈を飾る長谷川等伯の障壁画全32画面を公開します。(展示替あり)

   天授庵は、南禅寺開山の無関普門の塔所として、暦応3 年(1340)に創建された由緒ある塔頭です。応仁の乱以降荒廃していましたが、慶長7 年(1602)に細川幽斎の援助をうけ再興されました。幽斎により再興された方丈、正門などは当時のまま現存しており、その方丈には、長谷川等伯の晩年の作風を伝える障壁画「禅宗祖師図」「商山四皓図」「松鶴図」(いずれも重要文化財)が残されています。長谷川等伯は、豊臣秀吉や千利休に重用された桃山期を代表する絵師ですが、細川家に関わる画事も行っていたのです。

   本展では、天授庵方丈障壁画を細川家ゆかりの永青文庫にて全場面公開することで、天授庵と幽斎との関わりを改めて紹介します。また、日通筆「等伯画説」(重要文化財、本法寺)、長谷川等伯「玉甫紹琮像」(高桐院)を特別に展覧します。

   細川幽斎は武将であるとともに深く文雅を解した文化人としても知られています。その人物像を通じて細川家に関わる芳醇な人物交流の世界をご覧ください。


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