住まいづくりの情報講座

新築の家を建てようとしている方はぜひご覧ください(知りたい情報があればお気軽にコメントください)。

悪質建築業者の「だまし」の手口、その2

2005-11-07 10:39:31 | 建築会社の選び方
もっとも怖いのが新築工事でのだましです。被害金額は何千万円にもなります。

決定的な注意信号は、見積もり金額が「安い」ことです。本来、安いことはいいことなのですが、建築工事では材料費と人件費の総合で見積もりが決まりますので、金額は、悪い材料の使用やへたくそな職人での施工や手抜きで何とでも調整ができます。また、追加工事の請求や雨戸や網戸などが別途請求されたり、結局何にも安くなかったりします。ハウスメーカーでもこんな紛らわしい価格設定で集客するところがあります。

しかし、同等の仕様で何社かの見積もりが出た場合に2、3割安い業者がいた場合は要注意です。仕様が決まっているのに極端な見積もりを出す業者は、どんなもっともらしい理由をつけても何か問題を隠しています。

採算が取れなくても、その受注が欲しい理由があるのです。倒産間近なのか、契約金か上棟時金を受け取って逃げるつもりかどちらかの危険性があります。何度かこんな業者とバッティングしたことがありますが、施主が欲を出しすぎると悲惨な結果が待っています。

また、業者を引っ掛けるすごい建築会社もありました。「手形は無しで現金決済」の条件で各業者に分離発注し、何度目かにはめるのです。傷や納期など何でもいいから些細なことを理由に、大工や設備屋、左官屋、クロス屋などに損害を請求し、1円の支払いもしないのです。何十万、何百万の工事費用が支払われないので大変な事態になります。施主からは契約どおり入金をうけて、施工した業者に1円も支払わないのです。1件当たり数千万円の丸儲けです。

話し合ってもらちがあかない業者は、「債権回収業者」に依頼し強行回収を図ります。ここで初めて、建築会社の正体がわかります。やくざに乗っ取られた会社だったのです。こうなると、多くの債権者が自分の債権だけは確保しようとして横の連絡も取れず、仮差押の費用も用意できず、引渡しが終われば、善意の第3者である施主にも請求できず、泣き寝入りとなります。

建物は手抜きの塊のような状態で、不具合を補修してくれる業者もいませんし、会社は集金が済めば施主のクレームなど取り合ってくれません。

そして、この会社は「安いです」を競争力に営業を続け、新たな犠牲者を作り続けます。適当な時期に倒産させ、このノウハウを元に新しい会社を次々起こしていくはずです。実話です。





悪質建築業者の「だまし」の手口、その1

2005-11-06 09:37:34 | 建築会社の選び方
建築や不動産の売買は金額が大きいので、悪質な連中が横行しやすい世界です。また、専門的な分野でもあるのでだまされている側も、欠陥だらけの施工や法外な金額に最後まで気がつかない場合もあります。一生の一大事にもかかわらず、なぜこうも簡単に、被害にあってしまうのでしょうか。

リフォーム被害の実例から。殺し文句がいくつかあります。

「このままでは家がつぶれてしまいます」。こんなこと言われたら誰だって驚きます。訪問施工業者が、「近くで工事をやってますので、無料点検します」とやってきます。かわらの漆喰が欠けてる(雨漏りには影響ありません)とかこの家の地盤が湿っているとか、不安をかきたてながら家に入ろうとします。

屋根に上がれば、瓦を割る、瓦をずらす、やりたい放題で、おまけにそこを写真に撮ってきて見せるのです。「大変なことになってます」。床下にもぐれば、シロアリをまいて「土台が腐ってます。シロアリもいました」。排水管の清掃点検では、管をはずしたり割ったりします。

そして、工事の格安を強調します。「近所の工事のついでだから」「工事のモデルハウスにしたいから」など。必要のない、瓦の葺き替え工事を800万円、外壁の塗装工事を500万円、床下換気扇の工事を80万円(土台が腐ってるなら換気扇だけつけてどうすんの?)など法外な値段を吹っかけます。

そして、契約を急がせ、ちゃんと検討する時間を与えません。「すぐやらないと家が大変です」「今なら特別キャンペーン中です」「近所はみんなやってます」などすぐばれるウソをならべてせかせます。100件回って1件でも引っかかれば何百万円単位のぼろもうけです。悪質訪問販売業者が、扱い商品を建築にかえて獲物を狙っているのです。

依頼をうけて、その業者の後を点検してみると、彼らが壊したところをのぞいて異常なし、むしろ瓦はていねいに施工されていて当時の良心的な施工がわかったりします。でも、酸性雨の影響で銅板の谷に穴が開いている箇所を見つけたりします。そんなことは彼らは偽者の瓦屋なのでわかるはずもありません。また、腐っているはずの床下もまったく問題がありませんでした。訪問業者には気をつけてください。

引っかかってしまっても、契約から8日以内ならクーリングオフが可能です。
参考UHL http://www.kaiyaku.net/aku_tenken.htm


高齢者の建築契約の注意

2005-10-31 04:48:11 | トピックス
お年寄りが悪質なリフォーム会社の被害にあってしまう記事がよく報道されています。未成年者が親権者(親)の同意なく結んだ契約は原則として破棄できます。しかし、判断能力が低下している高齢者の場合、ある程度お金を持っていて身近に建築の相談をする身内がそばにいない場合などに、訪問販売同様、悪質業者の餌食になってしまう場合があります。

逆に、高齢者からの建築会社への直接の工事依頼でも、施工の側からも注意が必要です。最近の事例です。

去年雨漏りで天井の補修工事をした一人暮らしのおばあさんですが、近所の方から別の箇所から雨漏りがしているので見てあげてほしいとの依頼がありました。早速訪問しおばあちゃんの身内話をさんざん聞かされたあと、現状の写真取りと瓦の点検をおこない見積もりを出すことにしました。ところが近所の方からすぐに「おばあちゃんがまだ来てくれへんといってるけど」と電話がありました。ボケの症状が始まっていたのです。

直接お会いしているときにはにこやかに話されて、何の異常も感じなかったのでビックリです。見積もりを持っていくと、「わかりましたで。すぐやってください」との返事です。息子さんに来ていただいて、現状と工事と見積もりの内容を説明し契約しました。瓦の葺き替えがおわり、天井の補修の日程の連絡で電話を入れると「うち、何にも悪いとこおまへんで」との返事です。直接顔をあわせているときはなんともないのですが。

別のお年寄りの方でも、最近問題になっている報道をみて「うちの家の新築工事にアスベストを使うと言っていた」と電話をかけてきた方がいました。断熱材を入れる説明がアスベストと混同していたのです。この方は勘違いなどが多かったので、打ち合わせは必ずどんなことでも、複写のメモをとって承認サインをもらって逐一娘さんに報告して、トラブルを避けるようにしていましたが、苦労しました。

長年住んだ家の解体工事現場を見せるのもショックなもので、配慮が必要です。息子さんが建替え工事の話を持ち出しただけで精神的に不安定になられた場合もあります。また、長年住んだところを離れて子供さんたちとの同居後でもご近所などとなじめず、元の町に戻られる場合もあります。

高齢者に配慮した住宅をつくることが私たちの仕事ですが、気持ちや体の高齢化や認知症の理解にはもっと努力が必要なようです。

危険な隣人の見分け方

2005-10-29 02:15:30 | 建築用地の選び方
建築用地選定の際に大事なことがあります。価格や立地条件を調べるだけでなく、お隣やご近所に変な人がいないかを見分けることが、新しい生活をおびやかさないためにも必要なことです。

不動産仲介業者は、自殺者が出た住居や近隣に広域暴力団事務所があることなどは、売買の場合に重要事項で説明の義務がありますが、隣人の精神疾患での入院歴や犯罪を犯した服役歴などは告知してくれません。また、日常生活上でのトラブルメーカーの存在は快適な市民生活への脅威にもなります。

長年の経験の中で発見した「危険な隣人の見分け方・ベスト3」をこっそり伝授します。これは良くあたりますよ。なぜこれがあたるのかはよくわかりませんが、ぜひ参考にしてください。

まず第1は、家のグレードに不相応なベンツの持ち主です。ボルボは問題ありません。医者や弁護士の所有も大丈夫です。他人を威圧するための道具として使われやすいのがこの車です。

第2は、障子やふすまが激しく破れたままになっている家です。小さい子供がいて補修が追いつかない場合は別です。大人だけが住んでいる世帯でこれは危険な兆候です。ごみが積まれて散らかり放題でも、ただ片付け能力がないだけの場合がありますが、上記の現象は精神的な混乱を表現しています。

第3は、犬を飼っているが散歩にも連れて行かず、糞だらけにしていたりしている人です。動物は飼い主だけしか頼るものがありません。生き物、人間に対する接し方が如実に現れてしまうのがペットに対する態度です。

顔を見て話を直接したければ、子供の通学路やスーパーなどのことを聞いてみるのが自然な方法です。後から、変な人が引っ越してくるのは避けようがありませんが、変な人の隣の土地を買うことは避けることができます。

また、購入予定地周辺の道路に紙くずやごみが落ちているかどうかで、住人がその町を大事にしようと思っている地域かどうかがわかります。

「小判が出た!」ら、どうなる?

2005-10-26 02:00:07 | 建築途中の諸問題
埋蔵文化財包蔵地で建築する際は、市の教育委員会による試掘があります。私が住む南河内の地域は、遺跡の多い地域でよく調査がおこなわれます。丸一日かけての仕事になる場合も多く、建築側にとっては面倒なことなのですが、私は発掘作業の立会いが大好きです。

基礎工事の及ぶ深さまでしか掘り下げないのですが、時には数mの深さまで協力することがあります。地表から順に、磁器、須恵器、土師器などが出てきます。出土品はその場に雑然と並べられますが、何百年も前にこの地に住んでいた人がこの土器で何かを食べたのかと思うと、また触らせてもらったりもしますが、長いときを超えて古代の人が使った同じものに触れているのかと思うと、とても不思議な感慨を覚えます。

たまには寛永通宝などの古銭も出てきます。小判は見たことないですが、もし出てきたらどんな扱いになるのでしょうか。この場合は、土器も同じですが、遺失物法の適用となり落し物扱いで警察への届けの後、発掘者(市)の保管物となります。
もし、先祖が特定証明されれば相続権利者での分配協議となりますが、実際には特定されることはほとんどないそうです。

試掘の結果、本格的な発掘調査が必要と判断された場合、発掘費用は誰が負担するのでしょうか。

個人の居宅の場合は、市がその費用を負担しますので心配はいりません。マンションやビルなどは事業主が発掘費用を負担しなければなりません。

また、発掘の担当者は考古学者ではありませんが、かなり熱心な方たちで、どんな質問にも答えてもらえるし、試掘の後の地盤調査結果をこちらから資料提供したり、できるだけ協力しています。地域の歴史発掘に貢献できて、うれしいものです。皆さんも、もし近所で試掘などがあれば作業の邪魔にならない程度に、のぞいて見られることをおすすめします。