二番館シネマ倶楽部

カミさんや子供と映画を観てる時、あっマズーと気まずい思いをしなくてすむように・・・

「トランスポーター2」

2006-06-18 02:44:33 | 子供と観るための映画評

「トランスポーター2」(2006年)
監督:ルイ・レテリエ 出演:ジェイスン・ステイサム

ウキキー、おバカな映画でした。面白かったです。
金曜日のレイトショーで観てきました。1000からの「インサイド・マン」に間に合わなくて、1015からの「トランスポーター2」になってしまった。まあ両方とも観たかったので、どっちが先でも良かったんですけど。こんな急な予定変更にも対応出来るなんて、エライぞっ、近所の映画館!と小さな幸せに感謝しつつ、90分弱の映画を楽しんできました。平日は忙しいし、金曜日の夜におバカ系レイトショーもお気楽でいいかなあと、さらに庶民的な幸せを噛み締める私でした。

で、お気楽な感想です。(おいしい場面のネタバレありです。)

前作は結構シリアスリーに観てたのですが、今回はオープニングクレジットからはじけ飛んでましたね。ルールもだんだんとアバウトになって来てるし、そもそもモノ運んでないし・・・。リュック・ベッソンがらみは回を追う毎にお笑いよりに振って来ますね、楽しいからいいですけど。割り切り方もスゴイし、突っ込まれるのを待っている若手のお笑い芸人みたいで、迷いがなくて気持ち良いです。

ジェイスン・ステイサム、シブイですね。口数少ない感じで、演技が上手いんだか下手なんだか良く分らないんですけど、とりあえず佇まいというか存在感だけでイケてしまいますよね。高倉健さんとかゴルゴ13みたいです。ルールに従う男。決してルールを破らない男。でもなんかその場で新しいルールを決めちゃってるような気も、っていうかただの思いつきなんじゃ・・・

どこかで観たようなシーンも結構あったので、ちょっとニヤニヤしてしまいました。アクションシーンの繋ぎも爽快だったです。

オープニングでナイフを取り出した若者からナイフをもぎ取る場面は、「ストリート・オブ・ファイア」のマイケル・パレ的な無意味なかっこよさで、いきなりオー!って感じだったです。ヒーローが雑魚いキャラからナイフを取り上げるシーンってアクション映画にはよくありますけど、リズム良く「パン・パン・パン!」と相手を張り倒して、ナイフを取り上げるのが、良いです。殺しが生きがいのかっこいい姉さんのメイクとか、「ブレード・ランナー」のダリル・ハンナ調だし、何発弾が出るんだよっていう銃もかっこ良かったです。ジャッキー・チェン風のホースを使ったアクションもミュージカルぽくて良かったなあ。まあ、この辺はコーリー・ユンが入っているから本物か・・・。

準主役の車も良かったですね。ムルシエラゴですっ飛ばすジェイスン・ステイサムの背景が昔のブルー・バック合成風で、カウンタックに乗る松田優作のアヒャヒャ笑い(「蘇る金狼」)を思い出しちゃいました。その後、飛行機に乗ってるし、「ジュピターに着くのは何時ですか?」みたいな。

なんか良いとこづくしになってしまったかも。無理矢理不満を言うなら、カーチェイスのアングルはもっと低くても良かったかなあ。(「RONIN」風の観ていて酔いそうになるぐらいのヤツ。)

やっぱり、ほめ過ぎだったので、突然ですけど、英語ワンポイント・レッスンです。

劇中で、敵方や奥さんは、ジェイスン・ステイサムの事をDriverと呼んでましたけど、マシュー・モーディンだけは、思いっきりショーファー(Chauffeur:もとはフランス語)と呼んでました。Driverは、運転する人を指す一般的な言葉ですけど、Chauffeurだとお抱え運転手の意味で、トラックやバスの運転手には使われない言葉です。「この運転手ふぜいが!」みたいなニュアンスで喋ってて、ちょっと印象に残りました。

仕事の依頼の電話では、相手が「Im looking for a transporter」とはっきりと「運び屋を探してるんだが」みたいに言ってましたので、その筋の人材派遣会社に「Transporter」として登録してるんでしょうか。履歴書にルール1とか書いてたら笑える。

さらに、関係無いですけど、「ポセイドン」もこれぐらい割り切って描いてくれてれば良かったかも。ジョシュ・ルーカスがスーパーマンでいいじゃんみたいな。キリスト教の宗教色を消すんじゃなくて、いっそのこと三大宗教対決で、どの神様が一番霊験あらたかか、みたいな不謹慎な映画にしてしまえば、現代の世相を反映していたんじゃないかと。


おススメ度:★★★★

ジェイスンのおデコの絆創膏は狙いですか?妙に可愛かったんですけど・・・。