*** june typhoon tokyo ***

The Brand New Heavies featuring N'Dea Davenport@Billboard Live TOKYO

Brandnewheavies 前回はLAFORET MUSEUM ROPPONGI(ラフォーレミュージアム六本木)で行なったスタンディングのライヴだったんですが、今回は東京ミッドタウン、ビルボードですよ。大人しくまとまっちまわないように願いながら、The Brand New Heavies featuring N'Dea Davenport@Billboard Live TOKYOへ行ってきました。
 2ndショウのカジュアル・シートだったので(ビルボードは予約時に座席を決めるから並ばずに済んでいい!)、開演予定10分前の20時50分あたりに入場し、ドリンクを飲みながら待つことに。場内にはジャミロクワイが流れていて、アシッド・ジャズ・ムーヴメントを謳歌してきた人たちには、嬉しい心配りか。

 バンド・メンバーは、オリジナル・メンバーに、キーボード、ホーン・セクション、コーラスがつく布陣。立ち位置は左後列からサム・バーシュ(キーボード)、ヤン・キンケイド(ドラム)、ハニー・ラロシェル(コーラス)、ドミニク・グローバー(トランペット)、ギラッド・ローネン(サックス)、前列左からアンドリュー・ラヴ・レヴィ(ベース)、エンディア・ダヴェンポート(ヴォーカル)、サイモン・バーソロミュー(ギター)。インコグニートのバンド・メンバーとしてもおなじみのドミニクがいるホーン・セクションなら、厚みや艶のあるサウンドが堪能出来る。アンドリューは白いフチのサングラス、相変わらずの太い腕を出している。

 オープナーの「ピープル・ゲット・レディ」から4曲目までは、メドレー・スタイルで演奏が続く。オープナーを終えると赤系統の衣装(ベレー帽風の帽子を斜にかぶり、ミニスカート風の下に脚にフィット・パンツといったコスチューム風)でエンディアが登場。いきなり「ネヴァー・ストップ」をかましてくる。“トーキョー!”“カモン!”を連発しているあたり、昨夜のライヴも好調だったのだろうか、ノリのいいシャウトでテンションも高い。サイモンも、途中ギターを歯で弾いたり、客席のテーブルにあった空き瓶を使って名前の通りボトルネック奏法(スライドギター)を披露したり、軽く客席を周ってみたりとゴキゲンな感じだ。

 これぞホーン・セクションが加わった醍醐味だ!と思わせたのが「セックス・ゴッド」。 THE CHI-LITES(シャイ・ライツ)「Are You My Woman? (Tell Me So)」、というよりBeyonce(ビヨンセ)「Crazy In Love」でサンプリングされているホーン・フレーズといった方が解かりやすいか、を曲中に加えてきた。客席に背中を向け、やや身体を後方にそらしながら、ホーンが奏でるアッパーなサウンドにあわせて両腕を上へ何度も突き上げるエンディアを観たら、こちらも高揚しない訳がない。(笑)そのまま 「ドリーム・オン・ドリーマー」のイントロが流れてのメドレーにヴォルテージも高まっていくばかりだ。

 「アイ・ドント・ノウ・ホワイ(アイ・ラヴ・ユー)」を歌い終え、エンディアとコーラスのハニーはステージ・アウト。前述のサイモンのパフォーマンスに軽快なヤンのドラム、ブリブリのアンドリューのベースを披露したインストののち、最新作『Get Used To It』(ゲット・ユースト・トゥ・イット)のなかでも最もアッパーな「レッツ・ドゥ・イット・アゲイン」へ。エンディアが「恥ずかしがらないで、さぁ立って!立つのよ!」と煽ると3F席は総立ちダンスホールへと変貌(それ以前に自分たちのいた4Fや5Fは手を振り上げまくりのアゲアゲ状態だったが)。“ナーナーナーナーナーナー”と会場全体でコーラスすれば、エンディアの“ベイベー、ベイベェ~ッ!”の声もそのレスポンス以上に応えているよう。
 
 そして、驚いたことに「ユー・アー・ザ・ユニヴァース」のイントロが! ブラン・ニュー・ヘヴィーズの中でも人気の高い曲だが、これはアルバム『Shelter』(シェルター)の、ヴォーカルがSiedah Garrett(サイーダ・ギャレット、マイケル・ジャクソン「I Just Can't Stop Loving You」でデュエットしたシンガー)のナンバー。前回のライヴでも演らなかったし、プライドの高いエンディアだから、自分の時代の曲ではないってことで演らないかなーと思っていたところでこれがきたもんだから、テンションのメーターも振り切れるってもの。(笑) しかも、やっつけ感など全くなしで、エンディアが手を左右に振りまくって煽ること煽ること!その勢いのまま「ステイ・ディス・ウェイ」を終え、“バイバーイ”とステージ・アウト。

Brandnewheavies_2007 すぐさまアンコールを促す拍手の嵐のなか、登場したのはなんとヒューマン・ビートボクサーのAFRA! 「どうもー、AFRAでーす。みんなブラン・ニュー・ヘヴィーズで盛り上がってますかー? 実は昨日ボクもライヴ観てて、その後アフター・パーティに参加したら、『お前面白いからなんかやれ』ってことで、ちょっとかましちゃっていいですかー?」というと、場内から拍手。おそらく、彼のヒューマン・ビートボックスをはじめて聴いた人もいるんだろう。あちらこちらから「スゲー!」という感嘆の声が。AFRAがクイーン「ウィー・ウィル・ロック・ユー」のリズムを刻んでのパフォーマンスをするなか、メンバーが再びステージ・イン。即興でバンド・メンバーとセッションを始める。いやぁ、これは凄い。
 一旦AFRAが退場し、「ドリーム・カム・トゥルー」へ。メンバーの各パートでは、キーボードのサムの左腕を突き上げながらの弾けっぷりが印象的だった。AFRAがふたたびステージ・インすると、アンドリューと背中あわせとなりながらの、アンドリューの楽器のベースとAFRAのマウス・ベースとの共演だ。そして“you! you!”と3、4、5Fの観客に指を差してシャウトするエンディア、上階で盛り上がってる観客を見つけては手を振り弦を弾くサイモン、よりスティックにも力が込めてリズムを叩き出すヤン……。最高のグルーヴと一体感を残しながらショウは幕を閉じたのだった。

 前々回のライヴでは、ニコール・ルッソをツアー・ヴォーカリストに起用し、そのまま前作『オール・アバウト・ザ・ファンク』のヴォーカリストにフィーチャーされたが、やはりエンディアと比較してしまうと圧倒的な一体感の差を感じてしまう。あとは、オリジナル・メンバーとなっても、その後目立ったこともないというグループが多いなか、今後もブラン・ニュー・ヘヴィーズは寡作にならず、精力的に活動をしていってもらいたいところ。会場にアース・ウインド・アンド・ファイア「シャイニン・スター」が流れるなか、最高のグルーヴを堪能した余韻を残して、惜しみながら会場をあとにしたのだった。


◇◇◇

<SET LIST>

01 People Get Ready
02 Never Stop
03 All Fired Up
04
05 Ten Ton Take
06 Sex God
07 Dream On Dreamer
08 I Don't Know Why(I Love You)
09 Put The Funk Back In It
10 Let's Do It Again
11 You Are The Universe
12 Stay This Way
≪ENCORE≫
13 Human Beat Box By AFRA
14
15 Dream Come True


<MEMBER>

N'Dea Davenport (Vo)
Jan Kincaid (Ds/Vo)
Simon Bartholomew (G)
Andrew Love Levy (B)
Sam Barsh (Key)
Dominic Glover (Trumpet)
Gilad Ronen (Sax)
Honey Larochelle (Back Vo)

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