個人的には前回の来日時の公演(2007年3月28日、その時の記事はこちら)を観て、余程のことがない限り行くことはないと心に誓ったのですが、そのローリン・ヒルに軽々と4万2000円以上(サービスエリア席料と飲食代)を出せちゃう人がこんなにもいるなんて、やっぱり日本は貧乏国じゃないですね。持ってる人は持ってるんだなあと痛感島倉千代子な野球狂。ですどうも。
この調子じゃ、コモンの16000/14000円も売れるんだろうなあ。それより、ジョス・ストーンの24500/22500円の価格設定は本当に的確なのか、小一時間問いただしたい気もするんですが、どうなんでしょうか。その値段出すなら、サマソニ行って、ディアンジェロとファレルとタキシードとか観た方がマシなんじゃないかとも思うんですが。
そんなことをつらつら考えていたら、ヴィヴィアン・グリーンが8月に新譜『ヴィヴィッド』をリリースするという情報が。ヴィヴィアン・グリーンはフィリー出身で、ジル・スコットのバックコーラスをしていたことでも知られるネオソウル系のシンガー。なんでも、これまでどちらかというとほの暗いトーンの楽曲の割合が多かったのですが、今回の先行シングルがメイズ・フィーチャリング・フランキー・ビヴァリーの「ビフォー・アイ・レット・ゴー」をサンプリングしたアッパーな曲とのこと。そのシングル「ゲット・ライト・バック・トゥ・マイ・ベイビー」は、クワメのプロデュース作というじゃないですか。
クワメ(Kwame Holland)は元来80年代末から90年代にかけてラッパー/MCとして登場した後、プロデューサー業へ渡った人で、アルジェブラ(・ブレセット)、メアリー・J.ブライジ、クリスティーナ・アギレラなどを手掛けたことで知られてます。
そして、何故だか解からないんですが、プロデュースした楽曲の冒頭に
“音の科学者、クワメ”
と日本の女性の声で日本語の言葉を挿入してくるんですよ(上記の動画だと0:40頃)。アルジェブラの「リカヴァリー」もそのフレーズから始まっていて。
まあ、ロドニー・ジャーキンスが自分のプロデュース曲に“ダークチャイルド”っていうのと変わらないんですが。(ピンと来ない人は宇多田ヒカル「タイム・リミット」の冒頭部分を聴いてみてください)
そうは言ったって、“ダークチャイルド”はまだしも、日本語でいきなり“音の科学者、クワメ”って言われてもなあという違和感は拭い去れないですよね、はい。(笑)
でも、クワメ制作の楽曲は結構好きなので、ヴィヴィアン・グリーンのアルバムには期待しています。ラヒーム・デヴォーンもゲスト参加するようですし、ネオフィリー好きな人たちには良いのではないかと。あ、そうそう、フィリーといえば、ジル・スコットも新作リリース近いそうですから、ちょっと懐具合を考えておかなければいけないですナ。
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ところで、そのクワメと言えば、2005年にトゥイートのヒット曲「ターン・ダ・ライツ・オフ」を手掛けたことでも知られてますね。
ちょっと思ったのですが、このあたりの雰囲気の曲をEspeciaがサクッとこなしたりするようになったら、いいなあと。そうしたら、もうワールドワイドな戦略でいいと思うんですよ。仮にこの手の楽曲をEspeciaが歌ったとして、それにメディアを含めた日本のシーンが反応しなかったら、そんなシットな日本の音楽シーンなんて無視無視して放っておいて、どんどん世界に出ればいいと思います。日本は外圧には弱いから、海外で話題となったら手のひらクルンクルンに返してフォーカスし始めると思うし。マ・ジ・で。
まあ、それはまだちょっと先の話かもしれません。ただ、現時点での楽曲(メジャー1stシングル)もなかなかのものですよ。(R&B/ソウルじゃないけど)
ちなみに、「Aviator」のフックが“鯛の皮”あるいは“タイの川”に聴こえて仕方ないのですが、おそらく、たぶん、メイビー“Turn it on calmer, hear it on louder”と歌っているのではないかと。(私はこの歌が好きでした。自分(の訳)に自信はありません)
まあ、“タイの川、チャオプラヤー川”って歌っても面白いけど。(面白いのか?)
そんなEspeciaのメジャー1stシングル「Aviator/Boogie Aroma」は7月22日リリースです。(宣伝か?)
ヴィヴィアン・グリーン、ジル・スコットの作品ともども、どーんと見据えて!(Don't miss it!)
以上です、キャップ。