*** june typhoon tokyo ***

MISIA@横浜アリーナ

Misia_ascension00“THE TOUR OF MISIA 2007 ASCENSION”@横浜アリーナに参戦。

毎回ライヴに足を運ぶアーティストはそう多くないのだが、MISIAはそのなかの1人。ただ、デビュー当初の女性R&Bシンガーとして少なくとも衝撃を受けて聴き続けてきた自分にとっては、昨今のMISIAのスタイルにちょっと違和感というか情熱がそがれているような気持ちになっていたのも事実。そんななかで、今後の付き合い方(笑)も含め、厳しい目で観てきました。


Mayjオープニング・アクトのMay J.も期待してたんですが、まだ客が入りきらない状態でのスタート。ちょっとかわいそう。でも、まぁ前座なんてそんなもんか。それと、「Everything」で魅了されたと思しきファン層(年齢層高めな方々…自分もそうだけど…爆)が、果たしてMay J.の楽曲を理解できるか(大げさか)というところが不安だったが、ステージ・アウトの際での拍手を聞くと、それほど受けは悪くなかった模様。ただ、
一番受けが良かったのが、「今、18歳高校三年生なんですけど~」の時の「ええ~っ!?」っていう反応だったけども。(笑)

曲中でのアゲアゲバウンスのノリについていく人はごく少数だったし、時間の関係上、曲も3曲ほどでしかもかなりカットされていて、TVサイズ・ヴァージョンみたいだったのは残念。
ただ、歌声の浸透力では、MISIAにも引けを取らなかったと思う。

最後に「Here We Go feat.VERBAL」をやったんだけど、VERBALは来なかった。まぁ、前座の1曲だけにはこねぇわな。

◇◇◇

さらなる高みへ。
女性R&Bシンガー、ディーヴァとしてシーンを席巻してからはや9年目。

デビュー・シングル「つつみ込むように…」2nd「陽のあたる場所」の頃は、ゴズペルを素養とした本格的なフィメールR&Bシンガーが誕生したことに驚きと同時に、今後どんなパフォーマンスを見せてくれるのかと期待に胸を躍らせていた。
そして、その後「Everything」の大ヒットによってその名は一躍轟くことになったが、MISIAにとっては混迷の日々も待ち受けていた。
2002年に、BMGジャパン傘下のアリスタジャパンからエイベックス傘下のRhythmedia Tribeへと移籍。
ベスト・アルバムの乱発、リリースする新譜がCCCDとなるなどによって、売り上げが伸びない。
売り上げが伸びることが曲の良し悪しを決める訳ではないが、この後の彼女の楽曲は「Everything」の二匹目、三匹目のドジョウを得ようとする事務所の意向なのか、「果てなく続くストーリー」「眠れぬ夜は君のせい」のバラード路線へ。
「Escape」や「Rhythm Reflection」ラインのハウス・チューン「BACK BLOCKS」をリリースするが、CCCDということもあり、ヒットには至らなかった。この曲をトップに据えたライヴは、リリース前だったこともあり、反応もイマイチとなった。
2004年には、何を思ったかドーム・ツアー。そして宮沢和史(THE BOOM)、玉置浩二、藤井フミヤ、久保田利伸らが楽曲を提供した『SINGER FOR SINGER』をリリースするなど、シンガーとしての幅を広げようと試みるも、楽曲的には中途半端な感が拭えなかったのも事実。さらに、「ほっとけない 世界のまずしさキャンペーン」参加。

正直に言うと、個人的に期待していたベクトルとは異なる方へ走っていた。もっと本音を言えば、
“「Everything」がピークだったのかな(楽曲的な質としたら「Escape」だろう)”
という考えが過ぎって久しかった。
今回のライヴで、少しでもまた期待を持たせる場面がなかったら、彼女を追うのはやめよう、そう思っての観戦だった。

結論を言うと、
MISIAは、さらなる高みへと昇っていける道を発見した。
そう思えた。
「Everything」以降がこのためのまわり道だった…とは考えたくないが、
彼女はしっかりと成長を遂げていた。

今回のライヴの一番のハイライトはどこかと言われたら、
それは、ノリのいいハウス・メドレーでも大団円となるラストでもなく、
「砂の城」と「月」の2曲に集約することが出来る。

特に、ストリングスとピアノが奏でる胸が締め付けられるようなドラマティックな旋律の上を扇情的なヴォーカルで刻み込んでいく「砂の城」は、MISIAの歌い手としてのあらんばかりの力を見せ付けた力作だ。
ピアノやステージなどに炎が立ち上るという演出が印象的なシーンではあったが、そんな演出などなくとも、そこでの彼女のエモーショナルなヴォーカルは、こちらの心が燃えたぎるのに充分であった。
美しく澄んだ、ピュア姿勢が彼女の資質ではあるが、命の限りになりふり構わず熱情を込めるような、いわば泥臭い姿をみた瞬間、彼女が高みへと昇ったと感じられたのだ。

もちろん、それで完璧という訳ではない。
聴かせるMISIAと踊らせるMISIA、という分け方をするならば、踊らせるMISIA、メドレーは、初期の曲に頼るところが大きい。 ライヴにおいて、「INTO THE LIGHT」を超える名曲が生まれていないことなどは、その一つである。

ただ、新譜リリース前のライヴにも関わらず、新曲でも印象づけが出来たことは、楽曲自体のクオリティの高さを認めることが出来よう。前述の2曲だけでなく、切ないメロディのミディアム・チューン「REMEMBER LADY」のしなやかさも見事だった。

彼女はピュアである。いや、ピュアすぎるために、時にはその情熱が空回りすることもあるだろう。
だが、今はしっかりと進むべき道を見つけて、歩みを踏み出し始めた…そんな気がする。

ありったけの思いを全身で表現している彼女をみて、くすぶっていた彼女への期待が、にわかに騒ぎ始めたようだ。
2月7日リリースの新譜を大いに期待したい。

◇◇◇

<SET LIST>

<OPENING ACT:May J.>
01 Good Tymez~My Girls
02 Here We Go

<MISIA>

00 OPENING(by DJ TA-SHI)
01 TYO
02 FUTURE FUNK
03 MEDLEY~Mega MISIA~
Escape/Change for good/愛の歌/SUNNY DAY/
Change for good/BELIEVE/Don't Stop Music!/
GROOVIN'/IN MY SOUL/陽のあたる場所/
KEY OF LOVE~愛の行方~/つつみ込むように…
04 REMEMBER LADY
05 眠れぬ夜は君のせい
06 SNOW SONG
07 ANGEL
08 砂の城
09 月
10 キスして抱きしめて
11 SEA OF DREAMS
12 HOUSE MEDLEY
THE GLORY DAY (Gomi Remix)/
Everything (Junior+Gomi Club Extended Mix)/
心ひとつ (Gomi Anthem Remix)/
忘れない日々~UNFORGETTABLE DAYS~(HEX HECTOR'S CLUB MIX)/
飛び方を忘れた小さな鳥 (MALAWI ROCKS)
13 INTO THE LIGHT
≪ENCORE≫
14 Color of Life → SHININ'~虹色のリズム~
15 We are the music
16 LUV PARADE

<BAND MEMBER>
鈴木健治(guitar)
種子田健(bass)
青山純(drums)
重実徹(key)
佐々木久美(org&cho)
DANCER(SUTEZO、HYROSSI、HIRO、MICHIE、NADA、YOSHIE、WADOO、KOTA、TATSUO、GAN、SOICHIRO)

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