アメリカに暮らす

アメリカのTV番組や日常生活等について綴ります。ニュースのネタバレ度は弱~中、エピガイのネタバレ度は強です。

Smallville 7-04 "Cure"

2007年11月08日 | TV: Smallville
【アメリカ合衆国での初回放送 = 2007年10月18日】※クリプトン鉱石の影響による超人化症を治療できるという謎の博士をディーン・ケインが演じる。

夜。スモールヴィル。タロン(「火曜日はカラオケ」だって)。

クロエ・サリヴァンが浮かない顔でコーヒーを飲んでいると、ジミーがコンサートの切符を2枚持って現れる。

Jimmy: You know it's true love when you fight off caffeine-pumped preppies to get a girl her favorite treat.

苦労して買って来てくれたものらしいが、クロエは乗り気になれない。
先日、ジミーが「隕石フリークは皆、いずれはキレる」と言ったのが気になって仕方がないのだ。
自分がフリークだなんて、ジミーにはとても言えない。

クロエはジミーの話を上の空で聞きながら、タロンを出入りする客たちをなんともなしに眺めていたが、その中に知っている顔を見つけ、外まで追いかける。
それは5年半前(#1-18 "Drone" - 2002年4月30日放送)にハチの群を操って騒動を起こしたサーシャ・ウッドマンだった(配役はShonda FarrからJovanna Huguetに変更されている)。
サーシャはベル・リーヴ精神病院に収容されていたはずだが、まさか、脱走したのだろうか?

サーシャはハチ騒動の件も、そしてクロエの顔さえも覚えていなかった。
彼女はカーティス・ノックス博士の脳手術を受け、隕石フリークではなくなったのだが、その副作用で、ここ6年ほどの記憶を失っているのだ。

サーシャは「もし、あたしが貴女や貴女のお友だちを傷つけたりしたのなら、ごめんなさい」と言い、歩き去る。
しばらく行くと、他ならぬノックス博士が待ち伏せていた。
ノックスは「まだ用があってね」と言いながら、サーシャにクロロホルムを嗅がせ、拉致する。

翌朝。ケント宅。
ラナ・ラングが「クラークの好物」だというブルーベリー・パンケーキを作る。
カラが「貴女とクラークはずっと知り合いだったのに、恋人になるまで、どうして、そんなに時間がかかったの?」と尋ねる。
「クラークが秘密を明かしてくれるまではどうしても、そうなれなかったの」
カラは不思議そうな顔をする。
クラークは二言目には「秘密を悟られないように」と言っているではないか。

クラークが2階から降りて来る。
ラナが「あら、シロップを切らしちゃったわ」と言うと、クラークは超高速で出かけ、シロップを買って来る。
カラは「何が『秘密を守るように』よ」と、あきれる。

※女2人と男1人が共同生活を送るなんて、『Three's Company』みたい。

突如、ジョンことマーシャン・マンハンターが現れ、「カラを信用するな」と警告する。
カラに言わせれば、ジョンこそ信用できない相手だという。
ジョンはクリプトン星にいた頃、カラの父ゾー・エルと敵対していたらしい。
だが、ジョンはクラークの実父ジョー・エルを助けてくれていたはずだし、クラークの命の恩人でもある。
一体、どちらを信用したら良いのか?
カラはジョンとしばらく言い争った後、超高速でどこかに行ってしまう。

クラークは訳のわからないまま、ジョンをラナに紹介する。

Lana: Let me guess. You're from Krypton as well?
Clark: Mars, actually.
Lana: Well, I'll let you two catch up.

ジョンは「ゾー・エルはジョー・エルを殺そうとしたのだ」と話す。兄弟で争っていたというのだ。
ジョンはさらに、「カラがクリスタルを手に入れたら、君が大切にする全ての物が滅んでしまうだろう。そうなる前に、君がクリスタルを見つけなければならない」と言うのだった。

納屋。
カラは超聴力を使い、クラークとジョンの会話を全て聞いてしまう。

ルーサー邸。
レックス・ルーサーがノックス博士を呼びつけ、「あなたを雇ったのは隕石症患者を『治す』ためなのに、勝手な実験をされては困る」と、苦々しい顔をする。
「治す」というのは要するに、第33.1研究に関する記憶を消すことだが、ノックス博士はそれ以上の事をやっているようなのだ。
特に、3人の患者が行方不明になっているのが気にかかる。
もちろん、レックスは倫理的な観点から言っているのではなく、自分の悪事に関する証拠が漏れる事を恐れているのだろう。
ノックスは「あなたに協力する代わり、科学には口を出さないで頂きたい」と、キッパリ言い放つ。

ノックス博士の秘密研究所。
隣り合わせの手術台に2人の女性が横たえられている。1人はサーシャだが、もう1人は誰だろうか?
ノックスはサーシャの腹部を切り始める。

メトロポリス。デイリープラネット社。
クロエがノックス博士について調べているところにジミーがやって来る。コンサートは今夜なのだ。
クロエは思いつめた顔で、デートを一方的に断る。
ジミーはクロエのために大枚をはたいて切符を手に入れたのだが、クロエには「明日まで待てない用事がある」のだという。

ジミーと入れ替えに、クラークが超高速でシュッと現れる。
クロエは「近付いて来たらわかるように、首に鈴でもつけといてくれない?」と不機嫌だ。

Clark: Chloe, can Dr. Curtis Knox take a backseat? I need you help.
Chloe: You know you're gonna have to hang a bell around your neck or something so I can at least hear when you're coming.

クラークは「カラのクリスタルを見つけるのを手伝ってほしい」と頼む。
クロエは「あたしにも大事な用があるの」と邪険に断る。

Chloe: Look, I know that from Mount Olympus the view must seem like us mere mortals have nothing better to do than help you look for your crystal.

※「Mount Olympus (オリュンポス山)」はギリシャ神話の主要12神が住む場所。

ケント農場。
ラナがノートパソコンで何者かと連絡を取り合っている。
どうやら、大金を動かしているらしい。
そこにクラークが現れ、「クロエの様子がおかしいんだけど、何か知らないか?」と尋ねる。
ラナによると、クロエは最近、隕石症患者...そして、ノックス博士の治療法について調べているらしいという。

デイリープラネット社。
カラがジミーを訪れ、「ロイスが調べていた宇宙船について教えてくれない?」と尋ねる。
ロイスはロサンジェルスに取材に行っており、留守だ。
ジミーは最初、「ロイスの調査ファイルを勝手に見せるのはマズイ」と躊躇するが、結局、カラのチャーミングさに負け、取材ビデオを見せてあげることにする。
カラは喜び、ジミーの頬にキスをする。

※カラはジミーを「ジェイムズ」と呼ぶ。

クラークは「クロエがノックス博士を調べているのは自分が『治療』してもらうためだ」と悟り、思い止まらせようとする。
ノックス博士については不明なことだらけだ。一体、何をされるか、わかったものではない。
だが、クロエは「あたしは普通の人生を送りたいだけなのよ」と訴える。
手術の副作用で記憶を失う可能性もあるが、長い目で見れば大したことではないというのだ。

Clark: You're going to forget everything! You're going to forget your friends, your experiences, and... me. You're going to forget me!

肥料工場。
ノックス博士はサーシャの死体を捨てようとする。肥料に混ぜてしまえば、足はつかないだろう。
だが、先回りしていたレックスが「人殺しはもう、やめたまえ」と言いながら、拳銃を向ける。
ノックスは動ぜず、レックスにゆっくりと歩み寄る。
「それ以上、近付くと撃つぞ」という警告にも耳を傾けない。

Knox: I have been speared by Mayan warriors, survived Mongols' arrows, and the cold steel of Crusaders' blades. What makes you think the sting of a 9-millimeter could slow me down?

レックスは仕方なく、ノックスの胸に数発の弾丸を浴びせる。
ノックスは血だらけになって倒れるが、すぐに立ち上がり、レックスを打ちのめす。

そこにクラークが駆けつけ、ノックスを機械に叩きつける。ノックスはグッタリする。
クラークは気絶しているレックスを抱え、超高速で去って行く。

しばらくして、ノックスが目を開ける。彼は不死身なのだ。

デイリープラネット社。
ロイスが集めた宇宙船に関する資料をコンピュータ解析する間、ジミーとカラはチャイニーズ・テイクアウトを食べる。
カラは箸を使うのが初めてで、うまく掴めない。

Jimmy: So you're no Mr. Miyagi.

※劇場映画『Karate Kid (ベストキッド)』シリーズ(全4作、1984~1994年)に登場する空手の師匠の名前。故・Pat Moritaが演じた。ミヤギ先生が箸でハエを捕まえてみせるシーンがある。

やがて、解析が終わる。
どうやら、宇宙船が保管されていた場所は連邦政府の秘密施設らしい。
カラは「これは他の人には言わないで」と頼む。「2人だけの秘密」というわけだ。
ジミーにとってはカラの話し方や仕草が思わせぶりに感じられ、ドキドキしてしまう。

ジミーは「子どもの頃、よく、父さんのハム通信機で火星人の通信を受信しようとしたりしたんだ」と思い出話をする。
カラは「火星人は赤外線通信を使うのよ、おバカさんねぇ」とクスクス笑う。
ジミーは当惑する。

Jimmy: I used to sit in the backyard and try to pick up Martian signals on my dad's ham radio.
Kara: Umm... Martians use infrared, silly.

そこにクロエが現れる。
彼女はジミーとカラがイチャイチャしているのを見てムクれ、ジミーに渡そうと思って持って来た手紙をゴミ箱に捨てて去って行く。

病院。
ベッドで目覚めたレックスは、クラークが命を救ってくれたのだと悟り、驚く。
レックスはラナに1000万ドルを横領された事と、ノックスはまだ生きているだろうという事をクラークに話す。

ノックスの診察室。
クロエはノックスの検査を受け、クリプトン鉱石の放射能が「心臓に凝縮されている」のだと知る。
彼女はノックスにとって、願ってもない患者なのだ。
クロエはノックスの態度を不審に感じ、逃げようとするが、クロロホルムを嗅がされて気を失ってしまう。

デイリープラネット社。
クラークはクロエの手紙をジミーに見せてもらい、彼女の行き先を知る。

ノックスの秘密研究所。
クロエはもう1人の女性の隣に寝かされる。
ノックスは恋人のソフィアにクロエの心臓を移植し、不死身にしてあげるつもりなのだ。
手術台の枕元の台の上にはクリプトン溶液が入ったガラス瓶がいくつか乗っている。

ノックスの診察室。
レックスとクラークは手掛かりを探す。
レックスによると、ノックスはいろいろな名前を使い、数百年(数千年?)も生きているのだという。
やがて、2人は古い時計を見つける。
時計には1920年代にノックスが経営していたホテルの名前が刻印されている。
その建物は今は封鎖されているから、隠れ家にはちょうど良いだろう。

ノックスの秘密研究室。
ノックスはクロエの胸を切り始める。
ノックスの手術道具はハンティング・ナイフ等、物騒なものばかりだ。
実はノックスこそ、19世紀終盤にロンドンを恐怖に陥れた猟奇殺人鬼、切り裂きジャックだったのだ。

Chloe: I came here for help, not to be cut open by some Jack the Ripper wannabe!
Knox: I was Jack the Ripper.

クラークが駆けつけ、ノックスを投げ飛ばすが、うっかりクリプトン溶液に近付いたため、危地に陥る。
ノックスが振り回す斧をクラークはかろうじて避ける。
ノックスはクラークを倒すことに夢中になるあまり、うっかり、ソフィアの生命維持装置を破壊してしまう。
クロエは隙を見て、クリプトン溶液の瓶が並んでいる台をクラークから遠ざける。
ノックスはソフィアの上に泣き崩れる。最愛の恋人は遂に帰らぬ人となってしまったのだ。

ケント農場の納屋。
ジョンがクラークに「ノックスを始末した」と言うが、具体的な説明はしてくれない。
罪と罰に関してはジョンとジョー・エルの間に「問わない、言わない」協定が存在するのだという。

Clark: What'd you do with Knox?
John: Your father and I have a "Don't Ask, Don't Tell" policy when it comes to crime and punishment.

「"Don't Ask, Don't Tell" Policy」とはビル・クリントン大統領が就任間もない1993年に、軍隊での同性愛者に対する差別を失くす目的で打ち立てた政策で、「おまえは同性愛者か?」と尋ねたり、「私は同性愛者です」と明かす行為を禁ずるもの。

※『Crime and Punishment』はロシアの文豪フョードル・ドストエフスキー著『罪と罰』の英題。

クラークは不老不死のノックスと対峙したことにより、自分の未来についても考えさせられていた。
ジョンが指摘するように、クラークが愛する人々はクラークよりも早く歳を取り、先に死んでしまうだろう。

そこにカラが現れ、「その赤目野郎を信用しちゃダメよ」と警告する。
ジョンが「ゾー・エルは裏切者だったのだ」と言うと、カラは「そんなの嘘よ」と言い返す。
クラークはどちらを信用すべきか迷う。
カラは不満を顕にし、飛び去って行く。

ケント宅。
クラークはラナに「レックスから1000万ドルを盗んだんだって?」と尋ねる。
ラナは「離婚調停のお金なのよ」と嘘をつく。

ラナの秘密アジト。
ラナは多数のモニターが設置された部屋に入る。
隠しカメラを使っているのか、あるいはレックスの防犯カメラにアクセスしているのか、各モニターにはルーサー邸やルーサーコープ・ビル等、レックスが立ち回りそうな場所が映し出されている。
レックスが使用中のノートパソコンの画面もよく見える。
ラナはレックスから盗んだ金で、高性能監視システムを構築したのだ。

デイリープラネット社。
クロエはジミーに会う。
クロエはジミーに関する記憶を全て失ってしまうリスクを承知でノックス博士に治療を依頼し、自分の思いをしたためた手紙を書いたのだったが、自分が隕石症患者だという事は伏せてあったから、ジミーにとってはチンプンカンプンだった。

Jimmy: Your letter was a little Da Vinci Code.

※トム・ハンクス主演の劇場映画(邦題『ダビンチ・コード』)のこと。ダン・ブラウン原作。2006年公開。

クロエは小箱をジミーに見せる。その中には2人の思い出の写真や品々が入っていた。1年ちょっと前の運命の再会の記念だというガラスの欠片まである。

しかし、クロエにはやはり、自分は隕石症患者なのだとジミーに伝える勇気はなかった。
言おうとしただけで、涙がこみ上げてしまうのである。

ジミーは事情を話してくれないクロエに、「もう、ボクには続けられないよ」と別れを告げる。


≪その他の名言・迷言集≫

Lex: My apologies for keeping you waiting.
Knox: Mussolini once killed a conductor for not keeping a train on schedule. Fortunately, I'm infinitely more patient than Il Duce.
Lex: Mussolini went down in defeat, doctor. I won't accept that in what we're undertaking.
※「il duce」はイタリア語で「党首」のこと。

Knox: Your powers might be far beyond those of mortal men, but you've met your match.
Clark: I won't let you kill anyone else.
Knox: I'd kill a thousand more to never have to be alone. You don't know the pain of living centuries watching the women you love grow old and turn to dust!
Clark: You and I are more alike than you think.
※ジョージ・リーヴズ主演のTV版『The Adventures of Superman』(1952~1958年放送)の「Yes, it's Superman, strange visitor from another planet who came to Earth with powers and abilities far beyond those of mortal men.」というナレーションより。


≪音楽≫

* "Where I Stood" by Missy Higgins


≪その他のトリヴィア&ツッコミ≫

*カーティス・ノックス博士はDCコミックス界における悪玉、Vandal Savageのバリエーション。

*ノックス博士役のDean Cain(特別ゲスト扱い)は『Lois & Clark: The New Adventures of Superman (新スーパーマン)』(1993~1997年放送)でスーパーマン(クラーク・ケント)役を演じた。彼のゲスト出演は第4シーズンの頃から検討されていたが、今になってようやく、ピッタリの役が見つかったのだという。

*「Curtis Knox」のイニシャルは「Clark Kent」と同じ「CK」。

*当エピソードの最後に、Dean CainがThe Christopher and Dana Reeve Foundationを紹介するビデオが流れる。

*ノックス博士は今後も登場するらしい。


*クラークがいくら超高速で移動したとはいえ、店でメイプル・シロップの勘定を済ませられるほどの時間は経過していない。勝手にお金を置いてきたのか?

*クラークが「レックス(あるいはノックス)が肥料工場にいる」という事実をどうやって知り得たのかは不明。ラナが教えてくれたのか?

*クラークはこれまで、普通の人間をわざと殺すような行為は避けて来たが、その時点では普通の人間だと思っていたノックス博士を殺すのを躊躇していない。

*レックスはなぜか、クラークが「不死身のノックス」をノックアウトしても不思議に思わない。

*クロエはノックス博士に胸を切られて出血するが、ジミーに会いに行った時にはその傷跡は全く見えない。

*クロエとジミーはスモールヴィルとメトロポリスの間を頻繁に行き来しているようだが、車で片道数時間かかるはず。

*クラーク、ラナ、クロエはもう大学に通っていないのか?今年は3年生のはずだが...?(ロイスは4年生のはず?)


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4 コメント

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ひさしぶりに (kenn)
2007-11-08 09:31:26
Dean Cain見ました。意外にこういう悪役の方がはまってましたね。Teri Hatcherも出ないかなぁ。あのドラマはスーパーマンというより、Lois&Clarkのコンビが楽しかったので、無理だとは思いますが是非出ていただきたいです。
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Unknown (sai)
2007-11-08 21:31:10
ありがとうございます!!
ホントに面白いですねスーパーマン
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Dean Cain (ジョウ)
2007-11-14 00:59:57
kennさん、私も「Dean Cainは悪役が似合う」と感じました。11/12放送の『CSI: Miami』でもアクの強い役を演じていて、なかなか良かったです。『Lois & Clark』の頃に比べて芸域が広がって脱皮したというところでしょうか?

プロデューサーのAl Goughが「今のTeri Hatcherは『Smallville』の予算では無理かも?もっと暇だった頃に出てもらえば良かった」って言ってます。
返信する
Unknown (ジョウ)
2007-11-14 01:03:07
saiさん、『Smallville』はスタッフもキャストも練れて来たのか、だんだん面白くなってますね。

あと何年続くかわかりませんが、できれば、クラークがスーパーマンになった後でもずっと続けてほしいです。

ロイスが眼鏡なしのクラークの顔を知ってるというのがネックになるかもしれませんが...。
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