アメリカに暮らす

アメリカのTV番組や日常生活等について綴ります。ニュースのネタバレ度は弱~中、エピガイのネタバレ度は強です。

Lost 3-17 "Catch-22" 【その3】

2007年04月25日 | TV: Lost
(【その2】からの続き)

フラッシュバック。夜中。

修道院。デズモンドがワインをラッパ飲みしている。もう1本、空の瓶がテーブルの上に転がっている。キャンベル僧がそれを見咎め、「そのワインは1瓶100ポンド以上の値段で売れるものだが、今年は108本しか用意してないのだぞ」と言う。収益金は慈善事業に充てることになっているのに、それを自分で飲んでしまうとは…!

Campbell: Brother Desmond, what are you doing?
Desmond: Well, I believe I'm getting pissed on our lovely wine.
Campbell: That bottle of our lovely win fetches over 100 quid. We've only bottled 108 cases this year.
Desmond: Well, it's just as well we've taken a vow of poverty then, isn't it?
Campbell: We've also taken a vow of charity.
Desmond: Right.

キャンベル僧は腰掛け、「どうも、そなたは僧には向いてないようだな」と言う。デズモンドは辛い事(ルースの件だろう)があったので自棄酒を飲んでいたのだが、普段の振る舞いからしても、ここで懺悔したところで、また何かやらかすに違いない。キャンベル僧はデズモンドを「クビ」にし、「ここはそなたのいるべき場所ではない。神はそなたのために、もっと大いなる計画をご用意なされておる。そなたはこれまで、逃げてばかりいたために、目的を見失っておるだけなのだ」と諭す。でも、だからといって、これからどうすれば良いというのだろう?キャンベル僧は「成り行きに任せなさい」と言うのだった。

Campbell: Something tells me, Desmond, that you're not cut out to be a monk.
Desmond: Well, you know, I've had a tough week.... I'm sorry for the wine. I'll take the penance.
Campbell: I'm afraid you're beyond penance, Desmond.
Desmond: Brother Desmond.
Campbell: Not anymore.
Desmond: Are you firing me?
Campbell: I am indeed.
Desmond: You can't do that! I heard the call.
Campbell: I'm sure you did hear the call, but the Abbey clearly isn't where you were meant to end up. I have little doubt that God has different plans than you being a monk, Desmond. Bigger plans.
Desmond: Oh, yeah, I'm sure he does.
Campbell: He does! You've just spent too much time running away to realize what you may be running toward.
Desmond: Hey, what am I supposed to do now?
Campbell: Whatever comes next.

現在。

雨のジャングル。ジンが「ペニーって誰?」と尋ねる。ハーリーが状況をかいつまんで説明するが、あまりにも突拍子のない話なので、「これじゃあ、たとえ韓国語で言ったって訳がわかんないだろうなあ」と苦笑いする。

Jin: Who is Penny?
Hurley: She's a chick Desmond used to date... and now he thinks she fell from the sky. So we're going to go save her life and she's going to get us rescued. Dude, even if I spoke Korean, it wouldn't make any sense.

デズモンドが「おい、話なんかしてないで、もっと早く動いてくれないか。彼女は怪我してるかもしれないんだ」と急かす。ハーリーは「こっちはできるだけ早く動いてるつもりだけど、ザ・フラッシュじゃないんだからさ」と応じる。すると、チャーリーが「ザ・フラッシュなんて、しょーもないぜ!」とツッコみ、ハーリーが「地上最速の男に何か文句でもあるのか?」と、ムキになる。チャーリーいわく、「スーパーマンは地球を一瞬で一回りしてしまう」ほど速いのだが、ハーリーは「地上を走るだけなら、スーパーマンはザ・フラッシュの足元にも及ばない」と譲らないのだった。2人は議論に夢中になり、周囲や足元をよく見ずに歩き続ける。

Desmond: Hey, we'll move faster if we stop talking. She might be hurt.
Hurley: I'm moving as fast as I can. In case you haven't noticed, I'm not exactly The Flash.
Charlie: The Flash is pathetic!
Hurley: You've got something against the fastest man alive?
Charlie: You're insane, mate. Superman could fly around the entire planet in the blink of an eye!
Hurley: Dude, if we're going by a pure foot race, Supes would get dusted by The Flash.

※ハーリーが「Flash」と言った瞬間、彼の顔のあたりに青いフラッシュが走るのだが、何かのミスだろうか?

そう、そもそも、この探検行の引き金となったヴィジョンがまさに実現されているのだ…とデズモンドは気付き、あたりを見回す。

チャーリー:「だけど、鋼鉄の男がどうして、いまいましい『かけっこ』なんかに応じるのさ?」
ハーリー:「ええっと…慈善事業だよ。…で、ザ・フラッシュが完勝するんだ。だって…振動力で壁抜けをしたりできるからね」
チャーリー:「(皮肉を込めて) そっか、振動力かぁ。じゃあ、スーパーマンの前に壁がはだかったら、どうすんだ?」

Charlie: But why would The Man of Steel agree to a sodding foot race?!
Hurley: Um... for charity. And The Flash would totally win 'cause he can... like vibrate through walls and stuff.
Charlie: (皮肉を込めて) Ooh, vibration! And what would Superman do if he came up against a wall?

デズモンドは木と木の間に仕掛けられた矢を見つける。


ハーリー:「ええと…壁を叩き壊すのは禁止だよ」
チャーリー:「飛ぶのもダメ、叩き壊すのもダメ…って、他にも何か束縛ある?そうだ、スーパーマンにクリプトン鉱石製のバレエ靴を履かせるってのはどうだい?」

Hurley: Well, no smashing [is] allowed.
Charlie: No flying, no smashing... any other restrictions I should know about? Perhaps we should fit Superman with a pair of Kryptonite ballet slippers!

デズモンドは矢の下から伸びているワイヤーを目で辿って行くが、チャーリーはすでにワイヤーを踏んでしまっていた。チャーリーは「なんだ、こりゃ?」と言いながら足を上げる。

Charlie: What the hell?

デズモンドが「チャーリー、かがめ!」と叫んでタックルし、チャーリーは仰向けに倒れる。矢はチャーリーが背負っていたギターの上に突き立っていた。

一行は再び歩き出すが、ビーコンの落下地点に関する意見が分かれたため、二手に別れることにする。ハーリーとジンが一方に、チャーリーとデズモンドがもう一方に行く。

チャーリーはデズモンドが「かがめ!」と叫んだ事実が気になっていた。つまり、ああやって矢が飛んで来る事をデズモンドは最初から知っていたのだ。チャーリーは「おいらが頭に矢を受けなければ、彼女を取り戻せないって思ったんだな?おいらを犠牲にするつもりだったのか?」といきり立つ。厳密には頭ではなく首なのだが、デズモンドはそれには敢えて触れずに、「俺は君を死なせる事になってたんだ」と言う。要するに、神がアブラハムを試したように、これはデズモンドに与えられたテストなのだ…というわけだ。「だけど、俺は不合格だ。見た物を変えてしまったから」とデズモンドは嘆く。

Charlie: You knew. Even before we set off, you knew all this time, didn't you?
Desmond: Aye.
Charlie: Well, then why didn't you say anything?
Desmond: Because... if I told you the truth, you wouldn't have come!
Charlie: Oh, and you needed me to come because I was part of your vision. You thought the only way you could get your girl back was if I took an arrow in the head! You're gonna sacrifice me?
Desmond: If the flashes don't happen exactly how I saw them, the picture changes. I was supposed to let you die, Charlie.
Charlie: What's that supposed to mean?
Desmond: It means it's bloody pointless! I keep saving your life and what good is it, then? It's just gonna keep happening again and again. Maybe that's the point, yeah? Maybe it's a test?
Charlie: Test?
Desmond: Like God testing Abraham... except that I failed because I changed what I saw.

その時、ジンの叫び声がする。何かを見つけたらしい。

急いで駆けつけてみると、ヘリの操縦者らしき者が木にブラ下がっていた。ただし、フルフェイスのヘルメットを被っているため、その顔は見えない。彼女(?)は呼んでも返事をしないどころか、ピクリとも動かない。死んでしまったのだろうか?デズモンドは「ごめんよ。ペニー、ごめんよ」と謝る。

フラッシュバック。

修道院。キャンベル僧の執務室。デズモンドはキャンベル僧に修道服を返し、別れを告げる。机の上には1枚の写真が飾られている。キャンベル僧自身と、同年代の女性のツーショットだが、デズモンドの位置からは裏しか見えない。(女性はなんと、ホーキング女史ではないか!)

キャンベル僧は「急いでないのなら、マーティン僧が2~3時間後に街に出かけて行く事になってるから、一緒に乗せて行ってもらうと良いだろう。ただし、力仕事を厭わないならの話だがね」と言ってくれる。(キャンベル僧はデズモンドを追い出すのではなく、新たな人生に向かって送り出すつもりなのだろう。)

修道院の外。デズモンドはマーティン僧がワインを車に積み込むのを手伝っている。ある女性客が10ケース分(こちらは1989年産となっている)、まとめて買ってくれたのだ。支払いは女性の父親が前もって済ませておいたという。しかも、料金だけでなく、寄付金も上乗せしてくれたらしい。また、この女性は何度もこの修道院を訪れたことがある様子だ。

マーティン僧は女性客との挨拶を終え、デズモンドに声をかけてから、修道院の中に戻って行く。女性は「後ろに全部載ると思うけど、無理だったら前の方にも少し載せられるわ」と言いながら、デズモンドに歩み寄る。デズモンドは女性につい、見とれてしまい、言葉につまる。女性は微笑み、「それでよろしいかしら?」と尋ねる。デズモンドも微笑み、「もちろんです」と答える。

それがペネロピー・ウィドモアこと、ペニーとの運命の出会いだった。

現在。ジャングル。デズモンドはパラシュートの女性(?)を助けるため、木に登りながら、ペニーとの出会いに思いを馳せる。

フラッシュバック。デズモンドがワインの箱を車に乗せながら、ペニーと話す。

ペニー:「後ろに全部載ると思うけど、無理だったら前の方にも少し載せられるわ。それでよろしいかしら?」
デズモンド:「もちろんです。気をつけて運転なさった方が良いですよ。このブドウ園では毎年、生産が限定されてるんです」
ペニー:「あら、そうなの?」
デズモンド:「はい、ここの修道僧たちは怠け者でしてね。ワインよりもグレープ・ゼリーを作る方が簡単ですから」

Penny: I think we should be able to fit it all in the back. And, if not, we'll put the rest in the front. That alright?
Desmond: Absolutely. You better drive safe, Miss, this vineyard only makes a limited number of the cases each year.
Penny: Is that so?
Desmond: Aye. It's 'cause the monks are lazy. Yeah, it's easier making grape jelly than wine.

ペニーは目を輝かせながら、「どうして、そんなに修道僧に関してお詳しいのかしら?」と尋ねる。デズモンドは「昨夜、クビになったばかりなんです。神様は俺にもっと大いなる計画を用意して下さってるんだそうで…」と説明する。ペニーは笑う。

現在。デズモンドはパラシュートのロープを切って先に落とす。パラシューターの女性(?)はまだ木にブラ下がったままだ。

フラッシュバック。ペニーにとって、修道僧がクビになる事があるなんて、初耳だったが、「そのおかげで、あたしたちがこうして出会えたのは確かだわ。だいたい、そうじゃなかったら、この積荷をカーライルで降ろすのをあなたに手伝ってもらえなかったでしょうからね」と勝手に結論を出してしまう。デズモンドは笑いながら、「あれ?俺、あなたと一緒にカーライルまで行くなんて言いましたっけ?」と訊く。ペニーは悪戯っぽい表情で「まだよ」と答える。

Penny: And how do you know so much about monks?
Desmond: 'Cause I'm an ex-monk.
Penny: Really?
Desmond: As of last night, I was fired....
Penny: (笑う)
Desmond: Oh, it wasn't that funny.
Penny: I'm sorry. I never... I didn't know monks could be fired.
Desmond: Oh, they can. You know, I was told, under no uncertain terms, that the Abbey wasn't where I was meant to end up. Just a step along a path. You know, God allegedly has bigger plans for me!
Penny: Something tells me you don't entirely believe that.
Desmond: I suspect that's because I don't.
Penny: Well, maybe they're right. I mean, just think: If you hadn't gotten fired, we wouldn't have met. And then how could you possibly help me unload these crates in Carlisle?
Desmond: Heh, did I say I was coming to Carlisle with you?
Penny: Not yet. I mean, of course, if an ex-monk already has plans, then...

現在。地上にいるハーリーとチャーリーとジンがパラシュートをクッションのように支え、デズモンドがパラシューターのロープを切る。パラシューターはパラシュートの上に落ちる。

ペニー:「まだよ。もちろん、元修道僧さんにすでにご予定があるのなら別だけど」
デズモンド:「実はですね、俺は見知らぬ人の車には乗らないことにしてるんですよ」
ペニー:「そういうことなら、あたしはペネロピー。ペニーよ」
デズモンド:「デズモンドです。はじめまして」

Desmond: You know, I don't usually get in cars with strangers.
Penny: Well, in that case, I'm Penelope. Penny.
Desmond: Desmond. Very nice to meet you, Penny.

現在。意識を取り戻したパラシューターが唸る。声は確かに女性のものだ。デズモンドが木から下りて駆け寄り、チャーリーたちを押しのける。そして、「俺はここだ。俺はここだよ、ペニー」と言いながら、パラシューターのヘルメットを外す。ところが、それは見知らぬ女性だった。でも、彼女はデズモンドの名前を知っていた。デズモンドは呆然とする。(彼女はペニーの使者なのか?)

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*「Moriah Vineyards」は「harmed visionary」(=デズモンド)のアナグラムになっている?

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関連記事 (英語→ネタバレ注意):
- Lost Redux: A Monk? Whodathunkit?
- 'Lost': Penny for your thoughts
- TV Watch: Brotherly Love


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1 コメント

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Unknown (モリー)
2007-09-25 23:09:47
ジンの怪談話、上手でした。
ソーヤーのあだ名禁止も破られて。
ケイトはやっぱりジャックが本命だったんですね。
デズモンドはジュリエットのヴィジョンは見ないのでしょうか。見たら面白いかなと思ったりしたのですが。
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