アメリカに暮らす

アメリカのTV番組や日常生活等について綴ります。ニュースのネタバレ度は弱~中、エピガイのネタバレ度は強です。

Lost 3-22 "Through the Looking Glass" 【その1】

2007年05月31日 | TV: Lost
【アメリカ合衆国での初回放送 = 2007年5月23日】※第3シーズン・フィナーレ(2時間)。ジャックたちは島の外部と連絡を取れるのだろうか?


フラッシュ。

夜。オーシャニック航空の旅客機の機上。ジャック・シェパード(ヒゲを生やしている)が機内サービスの酒で酔っている。おかわりを頼むが、フライト・アテンダントに「すみません、もう20分で着陸しますから。代わりに新聞でもどうぞ」とたしなめられてしまう。一瞬、飛行機が揺れるが、すぐにおさまる。エア・ポケットだったらしい。

※パイロットの機内アナウンスの声はDamon Lindelof(制作総指揮&脚本)が担当した。

ジャックは新聞をチラっと見て、ある記事にショックを受ける。ジャックはその記事を破って持って行く。機は間もなく、ロサンジェルス国際空港に着陸する。

夜中。ジャックは車を停め、先ほどの新聞記事をあらためて読みながら涙を流す。そして、電話(かなり新しい機種?)をかけ、留守番電話に「俺だ。今、読んだんだけど…」と途中までメッセージを入れて切る。ジャックはそれから、車の外に出て、橋の欄干に登る。橋の下は工業地帯のコンクリートだ。落ちれば即死だろう。ジャックは目を閉じ、「許してくれ」と言う。

ジャックが飛び降りようとした時、後方で激突音がし、子どもが「ママー!」と叫ぶ声がする。ジャックはふり返る。


現在。

夕方。ビーチキャンプ。住民たちは出発の準備に忙しい。ジャックがケイトを見つめ、ケイトがジャックを見つめ返す。ジャックが去った後、ケイトはソーヤーを見遣る。

ジャックはサイードに歩み寄り、「必要な物は全て揃ったかい?」と尋ねる。答は残念ながら「ノー」だが、有り合わせの物を使い、できるだけの準備は整えてある。

Jack: Do you have everything you need?
Sayid: No, but I've made the best out of what we have.

バーナードとジンも射撃の腕は確かだし、それぞれ、やる気満々だ。ダイナマイトの配置も完了している。まず大丈夫だろう。ただし、この待ち伏せ作戦が万が一、失敗に終わった場合でも、「決して戻って来ないでほしい。通信塔に向かって進み続けてくれ」と、サイードは念を押す。

「皆の救出を確保するための犠牲になる覚悟はできているが、無駄死にだけはしたくない。わかるかい?」
「ああ、わかった」

ジャックとサイードは握手を交わし、お互いの幸運を祈る。

ローズはバーナードの「射撃手として居残る」という決心が揺るがないと悟るが、「必要以上の危険にわざわざ飛び込んで行かないように」という願いから、「私は歯医者であって、ランボーではない」と言わせる。そして、2人は抱擁する。

Rose: If I told you I would help you with your S.O.S. sign, would you change your mind?
Bernard: No, ma'am.
Rose: Then I want you to say it again.
Bernard: Rose!
Rose: Say it, Bernard!
Bernard: I'm a dentist. I am not Rambo.
Rose: And don't you forget it.

※バーナードは第2シーズン第19話『S.O.S.』で、砂浜に石を並べて巨大な「S.O.S.」サインを書いていた。

※ランボーというのは映画『Rambo (ランボー)』シリーズでSylvester Stalloneが演じた主人公のこと。

ダニエール・ルーソウがハーリーを眺める。ハーリーはアーロンをしっかりと抱きながら、クレアに「チャーリーは大丈夫だよ」と言う。

ジンが韓国語で「ジャックの傍にいるようにしろ。それから、疲れたら休むこと」と言いながら、サンの腹を撫でる。サンは涙を流しながら、「どうして、こんな事(待ち伏せ作戦)をやるの?」と訊く。すると、ジンは英語で「俺たち、家に帰らなきゃいけないから」と答える。

ジャックが「さあ、出発だ!」と叫び、3人の射撃手(サイード、バーナード、ジン)を除く全員(総勢約40人)が南に向かって歩き出す。通信塔はビーチキャンプの南東方面にある。

しばらく進むと、ナオミがジャックに「モーゼになる前はどんなお仕事をなさってたの?」と冗談を言う。

Naomi: Jack, can I ask you a question?
Jack: Sure.
Naomi: What did you do for a living before you became Moses?

ナオミは本題に入る前にジュリエットを一瞥して、「彼女が聞いてても大丈夫かしら?」と訊く。ジャックは大丈夫だというが、ジュリエット自身が「あたし、先に行ってるから、話が終わったら追い着いて来てね」と主張し、さっさと行ってしまう。他の者たちもどんどん進んで行く。

Naomi: Is she okay?
Jack: Why wouldn't she be?
Naomi: Because none of your people trust her. (Julietに) No offense.

ナオミは衛星電話を取り出し、「あたしに万が一の事があった場合のために」と、使用法を説明する。
「こうやって電源を入れると、あたしの船への直通チャンネルが開くわ。そしたら、ここ(ディスプレイの下方)を指で軽く叩いて、ピーって鳴ったら、『もしもし』って言うの」
「それだけ?」
「それだけ」

Naomi: So I need to show you how this wonderful gadget works in case something happens to me. You need to be able to call my boat. Turn her on here. This opens a direct channel to the freighter. Give her a tap here, wait for the beep, and say hello.
Jack: That's it?
Naomi: That's it.

あとは妨害電波を発信してる装置がオフになり次第、衛星電話の上部にある赤いランプが緑色に変わるはずだという。

Naomi: Once the rock star turns off whatever underwater contraption is jamming us up, this red light will turn a lovely shade of green. That will be any time now, yeah?
Jack: Hopefully.

夜。ザ・ルッキング・グラス・ステーション。プールサイド。チャーリーが椅子に縛り付けられている。ダーティ・ペア(仮称)がチャーリーを尋問する。「あんたは誰?」「ここにどうやって来たのかを白状すれば、痛い目には合わせないわ」

チャーリーは「透明な潜水艦で来たんだよ。見えないかい?」と、ふざける。

Charlie: I came in my invisible submarine. Don't you see it?

ダーティ・ペアの金髪の方はチャーリーを痛めつけて吐かせようとするが、黒髪の方は手荒なマネをしたくない様子だ。2人はいわゆる「bad cop」と「good cop」を演じてるのかもしれない。チャーリーはそんな2人を相手に精神ゲームを楽しむかのように、「ジュリエットがこのステーションの事を教えてくれたんだ。彼女はおいらたちの仲間になったんだよ」と言う。

金髪がチャーリーを殴る。黒髪が「止めなさいったら!ベンに連絡しなきゃ」と言う。チャーリーは不敵な笑みを浮かべ、「ベンに連絡しようぜ」と応じる。

金髪がプール脇の通信室に入り、無線機(黄色いランプが点滅している!)でベンを呼び出す。ジャングル内のキャンプで書き物(日記?)をしていたベンは驚き、ウォーキー・トーキーで応答しながらテントの外に出る。リチャードとミハイルがベンの顔を怪訝そうに窺う。

ダーティ・ペアはベンの密命により、ルッキング・グラスの管理者として派遣されていた。ベンは他の者たちには「ルッキング・グラスは完全浸水して使用不能だ」と思わせておいたので、ダーティ・ペアがベンに連絡を取る事は基本的に禁じられていたのである。事情を聴いたベンは「わかった。とりあえず何もするな。助っ人を派遣する」と言ってウォーキーを切る。

Bonnie: It's Bonnie. Ben, are you there? Can you hear me, Ben?
Ben: Why are you breaking radio silence?
Bonnie: One of them's down here.
Ben: I'm sorry, what?
Bonnie: We have him tied up, but he's here. One of them swam down here.
Ben: Who? Which one?
Bonnie: He won't tell us.
Charlie: It's Charlie! Tell him I said, "Hi."
Ben: How does he know about the station?
Bonnie: He said Juliet told them.
Ben: All right, sit tight and don't do anything. I'm sending help.

ベンはミハイルに「ルッキング・グラスに行って、チャーリー・ペイスが何をしてるのか探って来い」と命じる。ベンはルッキング・グラスについて、ミハイルたちに嘘をついていた事をあっさりと認める。ミハイルはそれで納得したらしい。「夜明けまでには着けるでしょう。それにしても、ジュリエットが彼らにルッキング・グラスの事を教えたとなると、その他にも何を教えたんでしょうな?」

Ben: Mikhail, you need to go down to the Looking Glass and find out what Charlie Pace is doing down there.
Mikhail: You told us the Looking Glass was inoperable, flooded.
Ben: I lied. Mikhail, I need you to go now!
Mikhail: I can be there by dawn. But if Juliet told them about the Looking Glass, what else did she tell them?

ベンはウォーキーでライアンを呼び出そうとするが、応答がない。

ビーチキャンプの外れ。ライアンは双眼鏡でビーチキャンプの様子を探り、トムに「ウォーキーは全部オフにしたな?」と確認する。キャンプはすっかり寝静まっているようだ。ベンがジュリエットに指示した通り、3つのテントに白珊瑚の印が付けてある。ライアンたち(総勢10人)は3~4人ずつの小グループに別れて、各テントを目指す。

サイードとバーナードとジンは草陰で息を潜めてタイミングを図り、テントの外に設置されたダイナマイトを撃つ。サイード(ライフル)とバーナード(ライフル)はそれぞれ1発で成功し、テントが吹っ飛ぶ。だが、ジン(拳銃)が失敗したため、銃撃戦が始まる。ジンは2人を直接撃って仕留めるが、ライアンに銃を突き付けられ、捕まってしまう。結局、バーナードもトムに、サイードもジェイソンに、それぞれ捕えられてしまうのだった。

山腹。ジャックたちの一行は立ち止まり、ビーチキャンプの方を眺めている。暗いのでよく見えないが、爆発が2回しか起きなかったのは確かだ。待ち伏せ作戦は失敗したのだろうか?

Rose: There was supposed to be three explosions.
Kate: It didn't work.


フラッシュ。

朝。ロサンジェルスの病院。緊急治療室。女医がジャック(すでに包帯だらけ)の額を(8針)縫いながら、「報道陣が外に押しかけてますよ。何しろ、英雄ですからね」と言う。もっとも、ジャック自身は英雄気分ではなく、橋上の交通事故で重傷を負った女性の容態の方が気にかかる。幸い、命は取り留めたらしいが…。

サラ(妊娠している)が治療室に入って来る。女医が「ERは面会禁止ですよ」と言う。野次馬だと思ったのかもしれない。ジャックが「良いんです。僕らは…以前、結婚してたんですよ」と言うと、ちょうど治療を終えた女医は2人を残して部屋を出て行く。

サラとジャックは固い表情でギクシャクとした会話を交わす。
「何があったの?」
「交通事故さ」
「大丈夫?」
「ああ」
「また飲んでたの?」
「いや」
「飲んでたの?」
「いや、飲んでないよ。何しに来たんだい?」
「あたし、まだあなたの非常連絡先になってるのよ。どうして夜中の2時にドライヴなんかしてたの?」
「家まで送ってくれるかい?」
「そういうのはマズイんじゃないかしら?」
「ともかく、来てくれてありがとう、サラ」
「さよなら、ジャック」

※サラ役のJulie Bowenは実際に2007年4月10日に出産したばかり。彼女が『Boston Legal』(レギュラー出演)で演じているDenise Bauerというキャラも今シーズンは妊娠していた。ジャック役のMatthew Foxが『The Tonight Show with Jay Leno』で語ったところによれば、このエピソードの収録は「今朝(5/8)の4時まで行われた」そうだが、サラのシーンがいつ撮影されたのかは不明。


現在。

島。山腹。サンが「なぜ、2回しか爆発しなかったのかしら?」と言う。ジャックは「3つめは必要なかったのかもしれない」と言うが、夫の身を案じるサンやローズに対しては説得力が低い。ともかく、ジャックとしてはサイードたちを無駄死にさせないと誓った以上、サンたちを励まして先に進み続けるしかないのだった。

Jack: Listen, they had no idea that we were waiting for them. And Sayid is with your husbands. They're going to be fine and they're going to be a couple of hours behind us.
Sun: Then we should wait for them here. You go on...
Jack: No. No one gets left behind.
Rose: If you say, "Live together, die alone." to me, Jack, I'm gonna punch you in your face.
Jack: (苦笑して) Fair enough, Rose, fair enough. But we have a plan! And for all we know, it worked! We're gonna be okay. Everything is gonna be all right. Let's just keep moving, okay?

※「Live together, die alone」というのは第1シーズン第5話で、ジャックがオーシャニック航空815便の生存者たちを集めて行った演説のこと(第3シーズン第14話のフラッシュバック・シーンを参照)。また、第2シーズン最終話のタイトルも『Live Together, Die Alone』だ。

ザ・ルッキング・グラス・ステーション。ボニー(金髪)が「ここに来た目的は?」とあらためて訊く。チャーリーは「妨害電波発信装置をオフにするためさ…そこの部屋の、点滅している黄色いランプの隣のね」と答える。グレタ(黒髪)は「どうして知ってるの?」と驚く。チャーリーは「知ってるから知ってるんだよ。あんたたちがおいらに何をしようと、必ずオフにするよ」と断言する。

Bonnie: I'm going to ask you this one more time. Why are you here?
Charlie: I'm here to turn off your jamming equipment... in there, next to the flashing yellow light.
Greta: How did you know about that?
Charlie: I know because I know. Whatever you ladies do to me, I'm going to turn it off.
Bonnie: You are, huh?
Charlie: I most definitely am.

すると、ボニーが「じゃあ、暗号は?」と揶揄するように訊く。チャーリーは少々うろたえる。デズモンドはそんな事は言ってなかったからだ。ボニーによれば、妨害電波発信装置をオフにするのに必要な暗号を知ってるのは彼女自身の他、グレタとベンだけだという。
「どうせ、暗号は必要ないさ。ステーションが丸ごと浸水しちゃうからね。おいらが装置をオフにして、ヘリコプターがおいらの友だちを全員、救助してくれるってわけさ」
「でも、ここが浸水しちゃったら、あんた自身はどうなるの?」
「おいらは死ぬんだ」

Bonnie: So what's the code?
Charlie: What?
Bonnie: Oh, Charlie, if you're going to turn off the jamming equipment, you're going to need the code. And only three people know about it. Me, her, and Ben.
Charlie: Well, I guess I won't need the code since this entire station is going to be flooded anyway. I'll just turn off your little jammer and the helicopters come and rescue all my friends.
Bonnie: But if this station floods, what happens to you?
Charlie: I die.

アザーズのキャンプ。ベンはトムから無線(島内部の無線は妨害電波の影響を受けていない)で「ダイアンもアイヴァンも皆、殺されたんです!それから、シェパードたちもいなくなってます!」という報告を受ける。
「いない?どこに行ったんだ?」
「わかりません。聞こえましたか?7人が殺されたって…」

ビーチキャンプ。ライアンが「トム、落ち着いて、良いニュースの方を伝えろよ」と指示する。トムが「3人を捕まえました。テントを爆破するために居残った奴らです。あいつら、俺たちが来るのを知ってたんですよ」と言うと、ベンはジュリエットが裏切った事を明かし、「ともかく、ジュリエットがどこにいるのか突き止めろ!」と叫ぶ。ベンも珍しく気が立ってるようだ。

サイード、バーナード、ジンの3人は縛られ、砂の上に膝立ちに並ばされている。

ベンは3人が誰なのかを確認してから、「クワン(ジン)を撃て」と命じる。首に拳銃を突きつけられたジンは目を閉じて歯を食いしばる。彼は死ぬ覚悟を決めたのだ。しかし、バーナードが「ま、待て!」と止めに入り、サイードの「奴らはどちらにしろ、私たちを皆殺しにするつもりだ」という忠告も聞かず、ジャックたちが通信塔を目指している事、ナオミの衛星電話を使って船と連絡を取ろうとしている事、そしてカールが知らせに来た事まで喋ってしまう。

アザーズのキャンプ。ベンはテントの外に出て、アレックスの方を見遣る。無線の向こうのトムが「こいつら、始末しちゃいましょうか?」と訊いてくる。ベンは「いや、まだだ」と答える。


(【その2】に続く)


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