じざいや的日常~きものがたり~着物が織りなす素敵な物語  

元町の着物屋・じざいやの紹介と着物で過ごす日々のこと。
犬猫や食べもののことなぞも織り交ぜて。

東北(被災地)の織物いろいろ・・・のおさらい。

2011-03-18 18:05:36 | 元町じざいや日記

こんにちは じざいやのさくらこです。

横浜元町・普段きもののじざいやへようこそ!

 地元のスーパーの営業時間が日によって違うので

 帰り道のルートに悩んでいます。

 買う店があるんですから 贅沢な悩みですよね・・・

 このところの アクセス解析を見ましたら

 東北 織物、というキーワードがとても多くて

 被災地の着物や帯に 思いを馳せて下さってる方が多いのだと

 心強く感じています。

 せっかく 検索してくださるのですから もう一度おさらいです。

 少し詳しく書いてみました。

 *秋田八丈・・・秋田県 北秋田市 
       八丈島の黄八丈に対して黄色はハマナスを使うなど
       染料に違いがあります。一度は廃業しましたが
       5年ほど前に1軒だけ復活しました。

 *南部裂き織り・・・青森県 八戸市  
       貧しかった濃漁村で着古した着物を再利用して
       節約した生活の知恵から生まれた織物で 自家用のため
       堅実質素な丈夫さがあります。

 *南部菱刺・・・青森券 八戸市
       元々は木綿も手に入らない東北の農民が麻に刺したり
       大事な木綿が傷んだ時に刺して
       労働に耐える丈夫で暖かい布を求めたものです。
       根気作業ですが美しい柄を刺すことでつらさを忘れたと言います。
       現在は帯のほか バックや小物が作られています。

 *津軽こぎん刺し・・・青森県 津軽市
       冬の長い北国では閑農期の女の仕事として
        代々受け継がれてきたものです。
       菱刺しとは刺し方が違いますが用途は同じです。         

 *置賜紬・・・山形県  米沢市の「米沢草木染(米沢紬)」、
           長井市の「長井紬」、
           白鷹町の「白鷹紬」の総称。
      山形には織物を推奨した上杉鷹山によって
      多くの織物が作られました。
      紅花で染める紅花紬、琉球紬を模した米沢琉球(米琉)
      白鷹地方で板締絣で織られる白鷹お召しなどがあります。

 *シナ布・・・山形県 米沢市
      東北の日本海側に自生するシナの木の皮を剥いで
      手間隙をかけて糸にして織り上げた布で
      濡れると更に強靭になるため屋外の仕事着に使われていました。
      今は3シーズン使える帯として珍重されます。

 *からむし織・・・福島県 昭和村
      越後上布、宮古上布などの原料である苧麻から作られた糸。
      上質なものは献上されて 大名、武家の夏の衣装になりました。

 *仙台平・・・仙台市 
      「精好」と呼ばれる湿度と打込みに独特の技法を用いて織る袴地。
      縦に柔らかく横に張りがあり、皺になりづらく耐久性に富むと言われます。    

 *小千谷縮・越後上布・・・新潟県 小千谷市・十日町・六日町・塩沢市
       重要無形文化財のものは年間数反しか生産されておらず
       糸は手紡ぎの苧麻糸のみを使うこと、
       絣の柄付けは手作業で糸を括ること
       地機(いざり機)で織ること、湯もみ、足踏みをすること
       雪晒しで晒すこと。などの厳しい条件があります。
       一般には 機械織りの小千谷縮が流通しています。


 *塩沢紬・塩沢お召・・・新潟県 塩沢町
       塩沢お召と塩沢紬は混同されやすいですが
       塩沢紬は主に平織りの真綿紬で無地、縞、絣などがあります。
       塩沢お召は本塩沢とも呼ばれる撚りの掛かった生糸で織られて
       シボのある風合で単衣にも向きます。

 *信州紬・・・長野県松本市・上田市・飯田市など
       上田紬、伊那紬、飯田紬、など地域によって呼び分けられます。
       生糸、玉糸、真綿の手紬糸を原材料とし、
       自生植物を使った草木染めを活用しています。
       絣柄は少なく、草木の色を生かした無地、縞、格子が多く織られます。

 *結城紬・・茨城県、栃木県のかつて小山氏の治めた地域
       重要無形文化財に指定されています。   
       @使用する糸はすべて真綿より手つむぎしたもの
       @絣模様を付ける場合は手くびりによること
       @地機で織ること が指定条件です。
       無地、縞は高機で織られたものも多く
       多色の絣は括りではなく 刷り込みという技方も使われます。
       軽く暖かでしなやかな真綿紬の最高峰とされています。

   

そのほか 東北、上信越、北関東地域には養蚕の盛んだった地方も多く
多くの個人作家さんもいらっしゃいます。
そちらは 作品ごとにご紹介していきます。

 
 信州の横山さん一家が自宅の山にある草木を使い 
 灰汁練から全て行っている みさやま紬。これは栗染めの縞です。

 帯は津軽こぎん刺しの八寸。
 昔は藍染木綿に白の木綿糸が定番でしたが 
 現在は現代の着物に合うように 色糸での刺し子もしています。

 地震、原発関連のニュースにばかり目が行く中、
 京都の友禅作家さんが 昨日お亡くなりになりました。
 じざいやで個展をさせて頂いたりで ファンも多い方でしたので
 とても とても残念です。。。
 これから来るであろう 着物大不況の時期を
 共に切り開いて生き抜いて生きたいと思っていた同志のような作家さん。

 被災された人が困難な生活に喘いでいるのに
 着物なんて不謹慎、という声もあるようですが
 こんな時期だからこそ、節約、節電、丁寧な生き方をしたいと思います。
 ただ 我慢するのではなく 必要充分を心して
 感謝を忘れずに過ごすことだと思います。

 着物を着ること、着なくても眺めることに安らぎを感じるなら
 それに なんの負い目を感じることは必要ないと思います。

 関東大震災の時だって 着物で生き抜いた人は沢山いるんですから!
 着物は避難の邪魔になる、って ピンヒールやタイトスカートだって
 走りづらいでしょう? 私は着物で走れますもん。
 カレンブロッソなら さらに楽勝。
 それに全身を覆っているので 安全なんですよ。
 半そで、ミニスカートのほうが どれだけ危険か。

 着付けに使う腰紐や帯揚げだって
 イザ、という時に紐変りに使えますよね。止血とか投げ縄とか??

 普段着付けてない人に 勧めはしませんが
 着物を着慣れてる人にとっては 不自由な着衣ではないのですから。。。。
 

 おまけの癒し画像。 一昨年生まれた子猫のイチです。

 

 === 横浜元町・普段着物のじざいや 紬と木綿が得意です ====


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2 コメント

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米沢 (元領民)
2011-03-18 21:34:30
今晩は。
米沢市の織物産業について…
・最初に紅花を奨励したのは直江兼続公。
・蚕による絹産業に移行するまで、兼続公が米沢に持ち込み奨励した青苧織物を奨励したこと。
※米沢上杉家に記録有り。
以上の直江兼続公の業績も知って上げて下さいm(__)m


by 大河ドラマ「天地人」は嘘ばかり
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ありがとうございます (さくらこ)
2011-03-19 17:47:55
>米沢(元領民)様

 ようこそいらっっしゃいませ。
 なるほど~!
 直江兼続公の功労があってこそ
 今の米沢の織物があるのですね。
 しっかり刻み付けておきます。
 これからも よろしくお願いいたします
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