須藤甚一郎ウィークリーニュース!

目黒区議会議員・ジャーナリスト須藤甚一郎のウィークリーニュースです。

554号 目黒にある原爆材料プルトニウム撤去と洗足学園跡地マンションの陳情2件!

2009-09-03 | 記 事
★ 原爆の原料プルトニウムが目黒区に!撤去を求め陳情がでた!

昨日(9月2日)、自由が丘のホームで、東京新聞の城南地区担当のM記者にバッタリでくわした。で、9月4日からはじまる定例の区議会に「プルトニウムの撤去に関する陳情が区民からでたよ」と伝えた。というのは、東京新聞のM記者は、猛毒プルトニウム問題について、すでに記事にしているからだ。

プルトニウム239とは、核物質の中でも最も爆発しやすいので、長崎の原爆の原料にされたほどだ。そんな危険な核物質が、目黒区の防衛省研究所に昭和48年から36年間も、密かに保管されていたのだ。

記者を区議会のぼくらの会派「独歩」の控え室に同行して、陳情のコピーを渡したら、さっそく東京新聞は今日の(9月3日)の朝刊で、つぎの記事を掲載した。

★東京新聞が記事を掲載した!

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防衛研本部のプルトニウム
住民、撤去求め陳情
目黒区議会に

目黒区の防衛省技術研究本部にプルトニウムが長年保管されている問題で、区民有志がプルトニウムの撤去を求める陳情を区議会に提出した。10日の委員会で審議される。

陳情では、近くに病院は小学校、老人施設があり、長年多くの区民が保管の事実を知らなかったとして、区議会から国に撤去を求める意見書を出すように求めている。

陳情したのは、防衛省に対し敷地内に建設される施設の説明を求めていた区民グループと、区内在住の被爆者。8月初旬に区長に、防衛省へプルトニウム撤去の申し入れをするよう求めたが、青木英二区長が明確な回答をしなかったため陳情に踏み切った。

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★区長・青木は、区民の安心・安全を無視!何もせず!

記事にあるように、区民有志が8月初旬、区長・青木に防衛省に対してプルトニウムを撤去の申し入れをするよう求めたが、明確な回答をしなかったという。区長・青木は、ことあるごとに区民の「安心・安全」を口にする。しかし、目黒区内にある危険極まりない、原爆の原料になる核物質プルトニウムの撤去を防衛省に申し入れることすらしないで、何が区民の「安心・安全」だ。何の役にも立たない区長だよ。

区長・青木が何もしないものだから、区民有志は目黒区議会に対して、つぎの陳情書を提出した。まずは、ご一読ください。

★撤去を求める区民有志の陳情書の全文紹介!

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目黒区議会議長
今井礼子さま             平成21年8月26日

陳情書     

中目黒防衛研究所にあるプルトニウム239号撤去を求める陳情

小西清治(東京都被爆者団体 東友会理事、目黒区被爆者団体 萌友会理事)
中村正子(中目黒・防衛研究所新施設の説明を聞く会連絡責任者)

(陳情の趣旨)
目黒区に国際平和協力センターを建設する件について、地元説明会の開催を願ってきましたが、6月9日と7月15日の2回にわたり田道ふれあい館にて防衛省の説明会が開かれました。
そこで明らかになったのは、かつて国会の参議院予算委員会でその存在が問題になった1986年以降、20年以上にわたり中目黒防衛研究所に猛毒プルトニウム239が保管されているという現状です。

プルニウム239は毒性が強く、アルファー線を出して崩壊し、深刻な内部被爆をもたらします。1グラムで1.4億人の摂取量の限界を超えるといわれていますが、中目黒防衛研究所には32グラムが保管されています。仮に沸点を越えるような事故を起こすと中性子を発生し、どれほどの死者を出すか計り知れません。

中目黒公園を含めた防衛技研一帯は、目黒と渋谷区民10万人が対象の広域避難所です。近くには、病院、小学校、保育園、老人や障害者の施設に清掃工場もあります。もしも、プルトニウム239が保管されたこの地域一帯に強大な直下型地震が発生したらと考えると、その恐ろしさには身の毛がよだつ思いで、一刻も早い撤去を願わずにはいられません。

また、平和都市宣言を行っている目黒区ですが、この説明会まで、中目黒技術研究所にプルトニウム239が保管されている事実をまったく知らされていませんでした。まして、目黒区民のほとんどはこの事実を知らされていません。
そこで、貴議会から国に対しプルトニウム239即時撤去の意見書を提出していただきますようお願い申し上げます。

(陳情事項)
貴議会から国に対し、中目黒防衛技術研究所にあるプルトニウム239を一刻も早く撤去することを求める意見書を提出してください。

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★意見書のあて先は、民主政権の防衛大臣などに!

定例区議会中の9月10日、所管の委員会である企画総務委員会で、この陳情の審査が行われる。企画総務委員会には、ぼくも所属している。
陳情審査の結果は、採択、不採択、継続審査の三つのいずれかになる。

陳情内容は、プルトニウム撤去に権限のある防衛大臣などをはじめ国の機関や大臣あてに意見書を提出してくれというもの。
この陳情を採択することに、反対する会派、議員はいないだろうが・・・
むろん、政権交代で民主党政権での防衛大臣などあての意見書になる。

★洗足学園跡地に高さ制限破りのマンション建設で陳情!

もう1件、重要な陳情が提出された。洗足学園跡地に住友商事が、絶対高さ制限破りの8階建、143戸ものマンション建設を計画していて、それに関する陳情だ。
洗足学園跡地のおかしな点については、昨年9月の決算特別委員会で、ぼくは区長・青木に対して、疑問点を追及した。その様子の概要は、このウィークリーニュースの08年9月24日更新の503号をご覧ください。

要点はこうだ。洗足学園跡地の広さは、5804㎡(約1750坪)だ。地主は円融寺であり、洗足学園は借地権者だった。が、借地権者が洗足学園から住友商事になった。昨年の決算特別委員会での区長・青木の説明では、円融寺は目黒区に対して、借地権と底地権の両方を購入することを求め、その交渉は住友商事を窓口にして行ったというおかしなやり方だった。ストレートに地主の円融寺と交渉するのが筋である。

★跡地購入の交渉をめぐり疑惑点がいっぱい!

結局、跡地購入で目黒区が住友商事に提示した金額は38億円。しかし、住友商事は50億円でなければダメだといって、12億円の差があったため、交渉は成立せずということだった。

ぼくの質疑の結果、以上のことが判明したのだが、当然、住友商事が跡地を購入すると考えたはずだ。しかし、マンション建設にあたっても、住友商事は借地権者のままだという。いわゆる定期借地権のマンション建設のようだ。

交渉の窓口だった住友商事が、50億円でなければ売らないといったのは、自社が借地権でマンション建設するため、目黒区の跡地購入を妨害したのか、あるいは借地権の契約を素早くしたので、それを材料にして儲けようとしたのか。いずれにしろ、区長・青木をはじめ目黒区の幹部が、まともな交渉ができなかったから、こんなことになるのだ。
以上の予備知識を持って、つぎの陳情書に目を通してください。

★洗足学園跡地マンションの関する陳情の全文!

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目黒区議会議長
今井れい子様                  平成21年8月27日

「(仮称)目黒区洗足1丁目計画」に関する陳情

陳情者
代表者 大森新也ほか637名

(陳情の趣旨)
本年6月9日、洗足学園跡地(洗足学園第一高等学校校舎跡地)に
おける「(仮称)目黒区洗足1丁目計画」に関する説明会が、住友商事(株)側により跡地周辺住民に対して開催されました。そこで説明された計画概要は、地上8階建・143住戸の大規模マンション(共同住宅)を建設するというものでした。この様な計画内容は私達住民が全く予想すらしていなかったものです。

洗足学園跡地は従来より、木造密集地域として都・区内でも非常に危険度が高い「目黒本町・原町周辺」に含まれています。そのため私達住民は、洗足学園跡地は必ず目黒区が災害時の避難地として整備するであろうと期待していたのです。

公園面積の少ないこの地域にとって、避難用地は絶対に必要です。避難用地とするため、国・都の補助や、その他の制度を活用した財源措置を基に、現借地権者等に協力を求め、私達住民の要望を実現して頂きたいと思います。
マンション建設はまだ着工前です。この機会をのがしたら二度とこの規模の敷地を得ることは出来ないと考えられます。

私達住民は「(仮称)目黒区洗足1丁目計画」の内容について検討しました。洗足学園跡地は、建物の絶対高さ制限17mで都市計画決定されている地区内です。しかし、当計画では「大規模敷地における特例」を適用した高さ25.48m(8階建)とし、指定容積率200%に対し199.92%という経済効率優先の内容となっています。

上記特例では、その適用にあたっては「周辺環境に対し一定の配慮が図られている」と区長が認めたものという前提条件が付けられています。従って単に図面上の数値合わせで特例認定とはならないはずです。
この地域は第一種住居専用地域と平坦につながった静かな住宅地です。そこに突出した8階建・143住戸の大規模マンションが出現することは、周辺環境を無視し破壊することになります。

また木造密集地域に建てられる更に高密度の生活住戸の集積である大規模マンションは、大量のCO2や熱の排出、日影、圧迫感、プライバシー、風害など全く補償されることのない悪影響のほか、車の出入り、狭い通路に多数の自転車や人の通行など、現況と較べて余りにも大きな環境の悪化をもたらします。更に地域全体の消防活動の困難性の増大も考えられます。

目黒区では既に「目黒区景観計画策定」を目指した取り組みが行われています。この理念にもとづき、行政と住民の信頼・協力関係を築くためにも、当事者である私達住民の声を実効性あるものとして取り計らって下さい。

(陳情事項)
1 目黒区は、住民・区民の安全性向上のため、洗足学園跡地に関して、この敷地の現借地権者と改めて交渉を行い、目黒区による使用権を取得して、避難用地として整備して下さい。

2 目黒区は、建主に対し「(仮称)目黒区洗足1丁目計画」の高さ制限緩和の特例認定することなく、本来この地域に定められている絶対高さ制限17m以内で、計画し直すよう指導して下さい。

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★区長の認定で簡単に破れる絶対高さ制限なんて!

法令では、借地権でも広域避難地として、国や都から補助金がでるという。それならば、なぜ、住友商事より前に地主の円融寺と交渉しなかったのか。目黒区のミス、手落ちだろう。

こんなことでは、何のために絶対高さ制限を条例で定めたのか、まったく意味がないよ。区長が認めれば、簡単に破れる絶対高さ制限なんて、業者に対して区長の権限、裁量の範囲を広げただけで、不透明さが増しただけだ。困ったものだ。

陳情項目1は、企画総務委員会で、2は都市環境委員会で審査が行われる。
(9月3日午後6:00更新)

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