実高ふれ愛隊日記

-石川県立大聖寺実業高校情報ビジネス科課題研究ブログ-

大聖寺の怪談・耳聞山の長面妖女(ちょうめんようじょ)

2013年09月01日 | 日記

隊員NO.4まこで~す

←加賀市ホームページより

昨日のブログでご紹介させていただいた加賀市刊行の民俗調査報告書

かが風土記~見て、歩いて、学ぶ旅~』には、「城下町と怪談」というコーナーが

設けられています。そして、1799(寛政11)年につくられた『聖城怪談録』に記録された

大聖寺にまつわる48の怪談話について、大聖寺町絵図」・「天明六年大聖寺絵図」

セットでわかりやすく紹介されているんです。

この聖城怪談録』という本には、大聖寺八代藩主の前田利孝公が1799(寛政11)年の

正月に、宿衛の武士たちを集めて百の怪談を語らせた記録がまとめられています。

そして記録には、大聖寺藩邸や上級武士の邸宅があった今の大聖寺八間道や馬場町、

錦町周辺や中級武士が住んでいた仲町・鷹匠町・新町・耳聞山などで見られたという

怪異現象が多数記録されています。城下町であった大聖寺には本当にたくさんの

怪談が伝えられているのですね。

そして堀麦水という人があらわした『三州奇談』一ノ巻には、大聖寺耳聞山(みみきやま)

「長面妖女」という怪談があるそうですので、ご紹介します。

大聖寺家中の御坊主組に、津原徳斎という人がいる。家の近くに「岡の庵」という景色の

美しい禅寺があって、敷地がそのまま山へつながり、人々がよく散策・遊楽などするところだ。

徳斎はある夜、そこで時を過ごし、夜半のころ、中町の自宅へ帰ろうとした。

道は福田川に沿って、耳聞山という小高い松の群生したところを過ぎて町に入るが、

ちょうどそのあたりで手提灯の火が消えた。『まあいい。もうちょっとで帰り着く』と思って

そのまま歩いていくと、少し先を、提灯とおぼしき灯火が行く。これ幸いとついて行くことにした。

だんだん近くになって、女が素足で灯を提げて歩いているのが分かった。

『近所の知り合いかもしれない。言葉をかけようか』などと思っていると、案の定、女は

徳斎の家のほうへ向かうので、いよいよ安心してついて歩いた。 徳斎の家は小路を

折れ曲がった先で、路の角は隣の屋敷である。屋敷の塀越しに大きな榎が繁っていた

のを、最近、木こりを雇って枝を伐り、根元から十メートルほどの幹ばかりが残っていた。

先に行った女は、榎の幹に寄り添って待ちぶせていたが、徳斎は気づかず、角を曲がった

ところで突然目にしたのは、目の上はるか高くにある灯火。驚いて仰ぎ見れば、

十メートルの榎の幹と等しい背丈の女が、木の切り口を掌で撫でているのだった。

徳斎を見下ろす女の顔は、長さ一メートルばかりもある。胴体は幹に隠れてよく見えず、

長大な顔ばかりがにこにこ笑いかけてくる。思いがけない恐ろしさに、「あっ」と叫んで

我が家へ駆け込んだ。家僕を起こし、再び外へ飛び出して見たときには、灯火も女の姿も

なかった。いかにも近辺の古狸なんかがやりそうなことである。御長柄組の三四郎と

いう者も、このあたりで顔丈一メートルの女に逢ったという。

何でもあの『ゲゲゲの鬼太郎』の水木しげる氏の『図説日本妖怪大全』という本の中でも

大聖寺耳聞山長面妖女」が取り上げられているそうですよ。

大聖寺妖怪がいたなんて、なにかとってもおかしいですね(笑)!!

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