ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

The Wife Trap

2006年08月07日 | W-X-Y-Z

Anne Tracy Warren (2006) The Wife Trap
Ballantine Books

Story:  
Dialogue:
Hero:   
Heroine:
Sensuality:

WarrenのTrapシリーズ2作目から。
AARでは、お話だけでなくヒロインもメチャクチャ斬られて、Cマイナス評価。
私も忙しい一日の終わりに「ハァ~、やっと読書の時間」と手に取った本の内容が薄いと、かなり時間を無駄にしたように思えて仕方ないので評価は低くなったかもしれません。それにこの作品はWallpaper Historicalなので、最初はハートマーク2個半にしましたが、お話の後半で挽回したので、3つにおさまりました。
   

伯爵家の双子姉妹の片割れ、Lady Jeannette Brantfordは一作目の"The Husband Trap"で、双子の妹(か姉)のVioletと入れ替わってもらい意思に沿わない結婚から逃れます。結果スキャンダルとなり、この2作目では罰としてアイルランドの親戚の家へ「流刑」となったところから始まります。

美しいのはうわべだけで自分のことしか考えたことがないJeannetteは、親戚の家へ行く途中で、Darragh O'Brienと出会います。
自分の思い通りに動かないどころか彼女のプライドを簡単に傷つけることができるDarraghを絶対にギャフンと言わせてやりたいJeannette。
ただ、Mr.O'Brienはただの建築家で一般人。そのくせに、すごくハンサムで魅力的。一般人なんてかまっていられないという貴婦人のプライドと過去の苦い男性経験から、Darraghの魅力は無視しようとかんばりますが、彼とのキスが忘れられず、気になって気になって仕方ありません。

なんとなく自己紹介しそびれてしまったDarragh、実は列記とした11代目Mullholland伯爵。自身が貴族だし、わがままな妹達と一緒に育ったのでJeannetteの典型的なプライドの高い貴婦人の態度には慣れっこ。それよりも彼女の美しさはもちろん、勇敢さや知性、毒舌さに惹かれます。
ただ、彼が実の身分を明かす前に、他の人のことを考えないJeannetteの自分勝手さだけは直してもらおうと、彼女の子供じみた行動などものともせず、一つ二つ教訓を与えようとします。もちろん、彼女とのFlirtationも楽しみながら。

  
JeannetteがDarraghの本当の身分を思いがけず知ってしまった時というのが、このお話のツイスト。最初から最後まで予測可能の展開で、このツイストの後もオリジナリティーに欠けますが、それでも後半はかなり挽回しました。AARの批評にはヒロインは全く成長しなかったというようなことが書かれていましたが、私はヒロインは前半と後半では明らかに違いが見て取れました。

ロマンス小説には少数派のケースで、ヒロインが普通なら悪役で出てきそうな性格に描かれているので、読んでいて自己投影できないお話です。
でも、自己投影する理由って、実は理想的なヒロインに自分を重ねるのであって、反対にJeannetteのように共感したくない・できないキャラは、現実に自分自身の中に存在するビッチな部分を表してもいるので、読んでいて居心地は悪いけど、教えられる部分もあります。なのでこんなお話も捨てたものでもないなというのが個人的な意見です。

あと、ネタバレになりますが、ヒロインは処女じゃありません。このことで引いてしまう読者もいるかもしれません。


メチャメチャ忙しかったので、かなり「必殺・次のセリフまで飛ばし読み」もしたし、Wallpaper Historicalなので細かい文句を言い出せばキリがないのですが、もっと時間に余裕があれば楽しんで読めたと思います。
なので懲りずに、1作目"The Husband Trap"も3作目"The Wedding Trap"も読む気満々のKです。




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