ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

Perfect Princess

2006年02月27日 | T-U-V
The Perfect Princess
By Elizabeth Thornton (2001)
Story:   
Dialogue:
Hero:    
Heroine:  
Sensuality: 7/10

ロマンスと共にミステリーや殺人、アクションを楽しみたいならThorntonですが、優美で壮麗なリージェンシー時代を楽しむ余地はこのお話には全くありません。
2月17日に紹介した「Princess Charming」に続くPrincessシリーズです。

ヒロインはRomsey公爵の娘ロザモンド。公爵の娘であるがゆえに淑女のモデルとして育てられ、影では「つまらないお人形」と揶揄されているのを知っていて、内心は窮屈な生活に圧迫されそうなヒロイン。

ヒーローは、作者が作った架空の特別捜査部のチーフ、現代で言うならFBI捜査官長官くらいでしょうか、リチャードです。「Princess Charming」で脇役として出ており、犯人追求のためには時として手段を選ばない冷酷な一面も見せています。リチャードは何者かにはめられ、明日無実の罪で首吊りの刑になるという日に脱走を試みます。ですが計画が少し狂ってしまい途中でロザモンドを誘拐してしまうことに。そして「殺人犯」リチャードと人質ロザモンドの逃亡生活が始まります。

ロザモンドは最初はリチャードが本当に殺人犯だと思っていたのですが、ヒーローの誠実な真の姿が分かってくると徐々に魅かれていきます。淑女としての生活しか知らなかったロザモンドは勇気のあるヒロインとして成長していきます。リチャードも、人を心の底から信じることをもう一度ロザモンドの態度で以って教わります。

身分が高くてお姫様のような暮らしをしてきたロザモンドは、特別捜査官のようなハードな仕事をするリチャードの妻になるには自分は不向きかもしれないと心配し、リチャードはこんな身分の低い自分が公爵の娘として育った人を幸せにできるかと悩みます。ですがそれでも最後には、たとえロザモンドが身分の低い家庭の主婦のように振舞えなくても、または公爵の娘として完璧でなかったとしても、リチャード自身にとっては「Perfect Princess」なんだと言って説得し結婚します。

全体的なストーリーはまあまあなのでハート3つですが、二人のロマンスは少し緊迫感が物足りなかったように思います。リージェンシーとは、手袋をはめていないと肌の見せすぎでスキャンダルになるというような時代です。もっと二人が近付いた時のドキドキ感がどんどん蓄積していくシーンがほしかったです。

あと、ロザモンドは最後のほうで友人だと思っていた人から無情にも裏切られます。私だったらかなり凹むような裏切られ方ですが、彼女の心理状態は簡潔にまとめられていて少し信じがたかったです。少し物足りない最終回ですので、暇なときに読むのをおすすめします。


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