評価:★★★★★
まるで、複葉機のパイロットのようなヘルメットとゴーグルがアンソニー・ホプキンスにピッタリ!
太った身体をカウルで覆われたコクピットに押し込む姿は見ていて愛嬌タップリだ(笑)
遥か昔、20代のころに虜になった1920年型のオートバイ“インディアン・スカウト45”40年の月日が経った今も、この愛車を自分で改良をし続け“マンロー・スペシャル仕様”にしている。
それは、バート・マンローにとって、いつかはこの愛車の最高速度を知りたいからだった。
63歳となった今では、年金生活であるため愛車の改良費に当てるお金の余裕はなく、倹約による独自のアイディアがテンコ盛りだ。高速走行に必要なスリックタイヤが買えないので、普通のタイヤのブロックをナイフで削り落としている。また軽量化といってオイルタンクにはブランデーのコルクを利用するなど知恵と工夫によるハンドメイドのオンパレード(笑)
だが、エンジンのピストンにはこだわりがあって「フォード」と「シボレー36年型」のピストンを溶かしチタン製のピストンを自作している。(見た感じで面粗度はどうやって出していたのだろうか?は疑問ですが)
エンジン音は流石だ!直線命だけあって、腹の底から響くような重低音に只者でないと思わせる。
地元のバイク倶楽部のパーティーに現れた暴走族の挑発に乗り、砂浜で対決することになったバート・マンロー。ここで初めて“インディアン・スカウト”の走りを見ることになるのだが、これが最高なのである。車高の低さはもちろん、異常なまでの前傾姿勢に昔見た「マッド・マックス」を彷彿させるようなローアングル映像、振動で振れる疾走感あるシーンに鳥肌が立ち思わず涙腺までも緩んでしまいました。
スピードを極める猛者たちが集まる聖地、アメリカのユタ州にあるボンヌヴィル塩平原にやっと辿り着いたバート・マンローの目には涙が・・・。
しかし、出走前の受付で事前予約がなされてないという理由から門前払いを食らう。この辺りは、いかにもバート・マンローらしくてハラハラさせられる(笑)
現地で知り合った出場者のジムが係員への説得で何とか受付は出来たのだが、今度は車両点検でみんなの失笑を買う。余りに古く安全面で不合格となり、またドライバーが歳を取りすぎているという理由から年齢オーバーとまで言われる。
そりゃあそうでしょうとも!ブレーキがない。パラシュートもない。ブーツを持ってないから、靴下のなかにズボンの裾を入れている(爆)
確かに側から見れば無謀としか言いようが無い彼の挑戦ではある。ここでもジムの力を借り、なんとかお情けでテスト走行だけはOKとなる。
時代遅れのバイク(安全基準にまったく達していない)に老人とくれば、せいぜい100キロが関の山だろうと思っていた係員やジムたちだったが・・・。
ここまでの周りの人間たちの失笑や情けがあればあるほど観ている自分はワクワクしてくるのだった。もっとバカにしてください!という感じです(笑)
さて、いよいよテスト走行の順番が来た!
そして走り出してみると、それまでバカにしていた周りの人間の顔が豹変する。いいですね~!これはもうお約束ですね(笑)係員の車が追走するも彼らの想像以上のスピードに全員顔色が変わる。
テスト走行が終わり一人の係員が「見事なトップギヤだったな」その言葉にマンローは「いやいやあれはセカンドだった。しかも回転が上がり切らなかったんだ」、この言葉にその日のスタッフ会議では、多分「あの老人の言葉が本当なら実際に走らせて見ましょう!」「見てみたい!」というような会話が飛んだんだと思われます。
本番走行では“インディアン・スカウト・マンロースペシャル”の加速に計測係員が驚いた表情で場内放送をする。「まだ、加速し続けているぞ!」ここで一瞬の静寂が来て周りの観衆たちの度肝を抜かれた表情がたまりませんよ!!!
直後に一気に大歓声と変わる。
マンローの表情を正面からカメラは撮っている。この表情がもう少年のような顔になっていて思わず“頑張れ~!”と言いたくなります。
1000CC以下の2輪車クラスの世界最高速をたたき出したのだ。野球で言えば8番バッターの奇跡の逆転ホームランとでも言うのでしょうか!!!?
因みに、この記録は40年経った今でも破られていないというもの凄い記録です。
この型破りな人生の全てを伝説のバイクと過ごした天然な性格のバート・マンローはB型か?
おまけ:主演のアンソニー・ホプキンスは過去のホラー映画で変質者ばかり演じてきましたが、今回のキャラクターは実に楽しそうに演じていたように見えました。本当は案外、実生活でもスピード狂なのかも知れません(笑)
これは偶然なのかも知れませんが、20年前の映画で今回とカテゴリーは違いますが、同じボンヌヴィル塩平原で最高速に挑んだ男を描いた「アクア・クラッシュ/時速480キロに散った男」にもアンソニー・ホプキンスが主演していたんですね(笑)
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監督:ロジャー・ドナルドソン
脚本:ロジャー・ドナルドソン
撮影:デヴィッド・グリブル
音楽:J・ピーター・ロビンソン
出演:アンソニー・ホプキンス/クリス・ローフォード/アーロン・マーフィ/クリス・ウィリアムズ/ダイアン・ラッド
『世界最速のインディアン』オフィシャル・サイト
http://www.sonypictures.jp/movies/theworldsfastestindian/
ロッキー・ザ・ファイナル 2007.4.20(FRI) ROADSHOW
まるで、複葉機のパイロットのようなヘルメットとゴーグルがアンソニー・ホプキンスにピッタリ!
太った身体をカウルで覆われたコクピットに押し込む姿は見ていて愛嬌タップリだ(笑)
遥か昔、20代のころに虜になった1920年型のオートバイ“インディアン・スカウト45”40年の月日が経った今も、この愛車を自分で改良をし続け“マンロー・スペシャル仕様”にしている。
それは、バート・マンローにとって、いつかはこの愛車の最高速度を知りたいからだった。
63歳となった今では、年金生活であるため愛車の改良費に当てるお金の余裕はなく、倹約による独自のアイディアがテンコ盛りだ。高速走行に必要なスリックタイヤが買えないので、普通のタイヤのブロックをナイフで削り落としている。また軽量化といってオイルタンクにはブランデーのコルクを利用するなど知恵と工夫によるハンドメイドのオンパレード(笑)
だが、エンジンのピストンにはこだわりがあって「フォード」と「シボレー36年型」のピストンを溶かしチタン製のピストンを自作している。(見た感じで面粗度はどうやって出していたのだろうか?は疑問ですが)
エンジン音は流石だ!直線命だけあって、腹の底から響くような重低音に只者でないと思わせる。
地元のバイク倶楽部のパーティーに現れた暴走族の挑発に乗り、砂浜で対決することになったバート・マンロー。ここで初めて“インディアン・スカウト”の走りを見ることになるのだが、これが最高なのである。車高の低さはもちろん、異常なまでの前傾姿勢に昔見た「マッド・マックス」を彷彿させるようなローアングル映像、振動で振れる疾走感あるシーンに鳥肌が立ち思わず涙腺までも緩んでしまいました。
スピードを極める猛者たちが集まる聖地、アメリカのユタ州にあるボンヌヴィル塩平原にやっと辿り着いたバート・マンローの目には涙が・・・。
しかし、出走前の受付で事前予約がなされてないという理由から門前払いを食らう。この辺りは、いかにもバート・マンローらしくてハラハラさせられる(笑)
現地で知り合った出場者のジムが係員への説得で何とか受付は出来たのだが、今度は車両点検でみんなの失笑を買う。余りに古く安全面で不合格となり、またドライバーが歳を取りすぎているという理由から年齢オーバーとまで言われる。
そりゃあそうでしょうとも!ブレーキがない。パラシュートもない。ブーツを持ってないから、靴下のなかにズボンの裾を入れている(爆)
確かに側から見れば無謀としか言いようが無い彼の挑戦ではある。ここでもジムの力を借り、なんとかお情けでテスト走行だけはOKとなる。
時代遅れのバイク(安全基準にまったく達していない)に老人とくれば、せいぜい100キロが関の山だろうと思っていた係員やジムたちだったが・・・。
ここまでの周りの人間たちの失笑や情けがあればあるほど観ている自分はワクワクしてくるのだった。もっとバカにしてください!という感じです(笑)
さて、いよいよテスト走行の順番が来た!
そして走り出してみると、それまでバカにしていた周りの人間の顔が豹変する。いいですね~!これはもうお約束ですね(笑)係員の車が追走するも彼らの想像以上のスピードに全員顔色が変わる。
テスト走行が終わり一人の係員が「見事なトップギヤだったな」その言葉にマンローは「いやいやあれはセカンドだった。しかも回転が上がり切らなかったんだ」、この言葉にその日のスタッフ会議では、多分「あの老人の言葉が本当なら実際に走らせて見ましょう!」「見てみたい!」というような会話が飛んだんだと思われます。
本番走行では“インディアン・スカウト・マンロースペシャル”の加速に計測係員が驚いた表情で場内放送をする。「まだ、加速し続けているぞ!」ここで一瞬の静寂が来て周りの観衆たちの度肝を抜かれた表情がたまりませんよ!!!
直後に一気に大歓声と変わる。
マンローの表情を正面からカメラは撮っている。この表情がもう少年のような顔になっていて思わず“頑張れ~!”と言いたくなります。
1000CC以下の2輪車クラスの世界最高速をたたき出したのだ。野球で言えば8番バッターの奇跡の逆転ホームランとでも言うのでしょうか!!!?
因みに、この記録は40年経った今でも破られていないというもの凄い記録です。
この型破りな人生の全てを伝説のバイクと過ごした天然な性格のバート・マンローはB型か?
おまけ:主演のアンソニー・ホプキンスは過去のホラー映画で変質者ばかり演じてきましたが、今回のキャラクターは実に楽しそうに演じていたように見えました。本当は案外、実生活でもスピード狂なのかも知れません(笑)
これは偶然なのかも知れませんが、20年前の映画で今回とカテゴリーは違いますが、同じボンヌヴィル塩平原で最高速に挑んだ男を描いた「アクア・クラッシュ/時速480キロに散った男」にもアンソニー・ホプキンスが主演していたんですね(笑)
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監督:ロジャー・ドナルドソン
脚本:ロジャー・ドナルドソン
撮影:デヴィッド・グリブル
音楽:J・ピーター・ロビンソン
出演:アンソニー・ホプキンス/クリス・ローフォード/アーロン・マーフィ/クリス・ウィリアムズ/ダイアン・ラッド
『世界最速のインディアン』オフィシャル・サイト
http://www.sonypictures.jp/movies/theworldsfastestindian/
ロッキー・ザ・ファイナル 2007.4.20(FRI) ROADSHOW
いい映画でしたね。この作品は。
バート・マンローのポジティブさは見習わなければと思いました。
今まで観た中で、歴代1位2位を争うくらい好きな作品です。
タクシー運転手だけは違ってましたが(笑)
歳を取っても夢を追う姿は見ていて参考になりました。
バート・マンローの人柄も見習いたい(笑)