私のブロ友さんに、痛みや薬にとても詳しい人がいます。
今は、ブログは止めていて、メルマガでいろいろな情報を送ってくれます。
今回は慢性疼痛についてでした。
知ってはいても、今までそこまで考えなかったなぁと思うようなこともあって ためになったので、了解をとって、私のブログに載せることにしました。
「何故、一度、慢性化した痛みは完全に鎮痛することが出来ないのか?~患者と医師の相互理解の為に~」
まず慢性化した疼痛を理解する前に、神経の基本的な仕組みを理解して頂きたいと思います。
神経細胞の集まりである神経繊維に持続的に電気刺激を与えると、その中枢では独自のネットワークが出来てしまいます。
これは記憶のメカニズムと同じで、反復してある刺激が伝わり続けると、疼痛も学習され、最初は10の刺激で中枢(脳)には10の痛みが伝わりますが、10の刺激の状態が持続すると、次第に7の刺激で10の、5の刺激で10の、3の刺激で10の痛みを感じるようになります。
これを解りやすく、日常に例えると、私達は文字、具体的には漢字が書けます。
ところで、どうして書けるようになったのでしょうか?
それは何度も反復して学習した成果です。
何度も書く練習をして、忘れては思いだし、反復して継続的に学習した成果です。
最近は漢字が出てこないと言っても、少しのヒントをもらうだけで、出てくることがあります。
この少しのヒントが3という弱い刺激、その結果出てくる漢字が10なのです。
神経の性質上、長い期間、反復的に中枢(脳)に入力された刺激は疼痛にしろ、文字にしろ、動作にしろ、独自のネットワークを作り記憶されてしまいます。一度記憶されると弱い刺激でも増幅されるメカニズムがある為、簡単には忘れることが出来ません。
この神経のメカニズムを知っていると慢性化した疼痛を完全に鎮痛することが不可能であることが容易に想像できます。
もし、完全に痛みを継続的に消せるのなら、記憶を消せることに繋がります。
ある特定の人間に不都合な記憶だけ消せる方法が見つかれば、可能かもしれませんが、たとえ認知症になっても歩き方を忘れた方や言葉を完全に忘れた方というのは聞いたことがありません。
故に、一度慢性化した疼痛では完全に痛みを無くするのではなく、痛みがあってもADLやQOL(行動や生活の質)の向上で、痛みを感じていない方と同様に動けるようになることがペインクリニックでは治療の目標となっているのです。
勿論、痛みの原因が究明されれば、それによって疼痛は改善するかもしれませんが、完全に0にはならないのです。
また、患者側の心理的な背景があります。
もし、疼痛発症時の痛み(10)が半分(5)になってくれれば御の字と感じていても、その(5)の痛みが当たり前になるとそれ自身が(10)に感じられ、それよりも弱くなって欲しいと願うものです。
このような疼痛の仕組みや患者の感じ方の変化により、時に患者と医師の疼痛に対する考え方のスレ違いから医療不信につながることがあります。
それを防ぐ為には医師は患者の訴えに耳を傾け、また患者は医師がどうして、そのような発言をするのかについて学ぶ必要があります
傷みます以外の他の感覚は持続することはないのに、どうして痛みだけはいつまでも残ってしまう人がいるんでしょうね。
いろいろなことにも、当てはまるような気がします。
以前ブログにも書きましたが
半分の鎮痛で満足せよというのではなくて
階段を一つずつ超えていくように指導してくれればよいのですが。
満足度は医師が決めるのではなくて
あくまで患者主体というのを心掛けてほしいですね。
そして、慢性痛卒業なされた方は、意識下で痛みは完全になくなっていないままなのかしらと思いました。
痛みが残るのは。
かゆみなどは、慢性かゆみ症なんて、聞いたことはないのに。
でも、私は、完全になおることもあると思っています。
私は慢性疼痛は、なかなか治りにくいとは思っていますが、完全に治らないものでもないと信じています。
1治ると、さらに2,それは、痛いのですから当たり前だと思います。
ただ、私は以前より、痛みが軽減しているにもかかわらず、ちょと強い痛みがくると、我慢がきかなくなっています。
自分が情けないです。
私は過労で延髄出血しました。後遺症でひどい慢性疼痛です。24時間激痛で連続90分以上眠れたことがありません。仕事も不能になり自宅療養です。
明け方まで疼痛で苦しみ、いつの間にか失神したように眠り、90分後に目覚め、また苦しみ、いつの間にか眠る、の繰り返しです。
ガンセンターの部長が疼痛緩和のためにオキシコンチンを最大量処方してくださいましたが無駄でした。
幸い体は動きますが冷気寒気でKOです。
この10年位ただただ激痛に耐えているだけでした。
リリカが劇的に効き、2,3時間の絵を描く時間ができました。
天気により動けない日があります。あまりに痛いと吐き気やめまいがするものですね。こんな時は初恋のひとを思い出して耐えています。
毎月数万円の薬代、いつまで払えるのやら。
孤独で夜は怖くてしかたありません。
せっかく生まれてきたのですから、もう少し頑張ります。
怒ったり、悲しんだりすると痛みは増します。現金をもらうと楽になります。
後悔するなって言ったって無理だよ。倒れる前は運動も仕事も出来たから、頑張りすぎちゃった。馬鹿だねえ。
時々、寄らせていただきます。左半身激痛おやじです。ありがとうございました。
お辛そうですね。リリカが効果があったとか、本当によかった。
延髄出血ですか。大変なご病気で、その後の痛み、なんと言って良いやら言葉もありません。
絵を描かれるのですか?
夜の痛みは本当に辛いですね。
まだ、まだ、寒さが続くようですので、お気を付けて。
コメ欄の
完全に治らないものでもない、に反応しました^-^/
わたし、しばらく結構きついのですが、
この言葉励みにいきます。今年もよろしく。
私もほとんど全身の慢性痛に長年悩まされてきまして、ずっと治療を受けています。
線維筋痛症ではないようですが、学習された痛みではあります。なので、今回の記事はとてもショックでした。
それでも、治療を続けるしかないですけどね。
お互い、頑張りましょう!!
なにごとも、希望をもつことは、良くなるために、必要かとおもいます。
寒さが、まだまだ厳しく、疼痛人間には,辛い季節です。
お気をつけ下さい。
ある意味では、ショックな記事ですが、これは「~患者と医師の相互理解の為に~」という副題もあるように、医師に過大な、期待をもたないないという意味もあると思います。
私は、以前より、かなり痛みが薬とブロックで押さえられてきたのですが、よくなたら、よくなったで、それが、当たり前になり、ちょと痛みが強くなると、辛いです。
でも、何年もの治療で、QOLはあがりました。
痛みは強く感じられても、現実の生活では、歯ブラシが握れるようになったり、夕飯もなんとか作れるようになりました。
その点からみると、辛くても、ペインコントロールはできていると思います。
そうですね、お互い治療がんばりましょう。