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トランスフォーマー小劇場

*HDDはいらない子?

2009年01月11日 | 覚え書き
イラスト描きのHDDが壊れやすい?って話題の続きですけど。

サンディスクが圧倒的な高速性と長寿命を実現した安価なSSDを発表、古いPCでも利用可能に - GIGAZINE

隔世の感があります。

コンピューターで壊れやすいものといえば、確実に寿命のある「ディスプレイ」と、電気的に負荷のかかる「電源」と、それから「駆動部」。ハードディスクドライブ(HDD)や光学ディスクドライブは、データ読み取りの為にいろいろ動く部分(駆動部)があるので、そこがネック。人間も年を取ると関節を痛めやすいですよね。

個々のパーツは交換可能ですが、記憶装置であるHDDに記録された「データ」だけは、「どこかで買ってくる」などということができません。もし何十時間も描けて描いたイラストが、HDDのトラブルで消えたら……おそらく同じ時間をかけても「100%再現」するはできません(より良い絵が描ける可能性もありますけど)。イラスト描きにとって、記憶装置について考えることはこれ以上ないほどのリスク管理でしょう。

(ちなみに、HDDを解体し、ディスクから直接データを読み取る、などという荒技を行う業者がいます。でも、自信作ならともかく、へたっぴな練習や、途中で放棄したイラストを見られるかもしれないという恐怖は、誰にだってあるのでは)

一方で、メモリーカードの場合「内部の機械が壊れる」などというようなリスクはありません(ただし、絶対にデータが消えないわけでもないようです。もしかしたら、メモリーカードのデータ消失はHDDのそれより深刻かも)。ハードディスクとは違い、「一生涯保障」などをうたうメモリーカードもあります。これはデータそのものを保証しているわけではありませんけれども、記録媒体として耐用年数には自信があるのでしょう。

ネックになっているのは、HDDとメモリーカードの価格差。1TBのHDDが1万円で買えるのに対し、たとえば1GBのUSBメモリー(1000円)で1TBぶんの保存容量を得ようとすれば、100万円かかってしまいます。しかし、イラストを描くのに1TB必要ですか?

20年ほど前のMacintoshカタログを見ると(親が出版業界にいたので、Macは当たり前の選択でした)、20MBのHDDが12万円、160MBは46万円ですってよ。まあそのころは「256色フルカラー」とかいう時代なので論外ですね。それからもうちょっと進歩した12年前のHDD容量は数GBクラス。12年前のCG作品に多く見られる拙さは、それは技術的な試行錯誤の段階にあったゆえで、コンピューターの性能によるものではないと思います(以前、個体発生は系統発生を云々という話をしました)。

つまり、実際のところCGイラストを描くには、1GHzのクロックと、1GBのメモリと、30GBの記録媒体があれば十分(それを邪魔しているのは、肥大化したモダンなOSです)。20年前は、「イラストを描くためのコンピューター」というのは特別な機種でしたが、今やどのコンピューターでも絵が描けるのです。どのコンピュータでも文章が書けるように。

かなり前から僕はHDDなしのシステムを組めないものかと考えていましたが、もちろん無理でした。しかし近年ではHDDを排除したお絵描き用のシステムを構築することも現実的になってきたようです。そんなわけで、LinuxでGIMPメインのメモリ内蔵型システムを組めないかなーと。なにしろMacintoshは、プロ向けのPowerMac以外は拡張性が低くて低くて。"Mac mini"ではなく、CPUとメモリとマザーボードと各種ポートに外付け製品を買ってつなげるだけみたいなのがあればいいんですけど。名付けて"Mac core system"……と言ってもわかんないか(昔PC-Engineというのがありまして)。

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