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はんなりな日々

関東人による、京都生活の日々を書き綴るページ。

愛の形

2005-09-26 23:51:31 | 京都~社寺
 祇王寺へ行ってきました。

 祇王寺は、嵯峨野の奥のほう、二尊院の北、化野念仏寺の南にあります。

 その名からも分かるでしょう、このお寺は、『平家物語』ゆかりの寺です。

 平清盛が愛した白拍子に、祇王という女性がいます。

 白拍子というのは、今様の踊り手のこと。

 今様、というのは、まあ、簡単にいえば、流行歌ということですね。

 清盛の寵愛を受けた祇王ですが、そこに仏御前という別の白拍子が登場します。

 清盛は変心し、仏御前を寵愛するようになります。

 失意の祇王は、清盛のもとを去り、母妹と嵯峨野に隠棲することになります。

 さて、話はそこで終わりません。

 しばらく後、この祇王たちのもとを訪ねてきた女性がいました。

 祇王が清盛を去ることになった原因、仏御前です。

 仏御前は、自分も一緒にその場所に住まわせてほしい、といったのです。

 祇王は、その仏御前を受け入れ、一緒に暮らすことになります。

 考えてみると、すごい話ですね。

 祇王寺は、その祇王隠棲の地の跡です。

 残っている庵は、後の世のもので、当時のものではありません。

 苔むすなかに、モミジを多く植えた庭で、大変静かなところです。

 紅葉の季節には、さぞかし美しいことだろう、と、想像させられます。

 ただし、その時期には静謐が望めないかもしれません。

 普段の祇王寺は、静かだからこそ、趣があるのですが。

 それがなくなってしまうのかどうか、行ってみないと分からないですね。

 しかし、女性四人が、無常なる世を儚んで暮らした土地です。

 静かであってほしいと思うのですが。

 さて、どんなものなのか。

 11月が楽しみですね。

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