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はんなりな日々

関東人による、京都生活の日々を書き綴るページ。

仮の宿

2005-08-18 19:30:53 | 京都~社寺
 等持院へ行ってきました。

 等持院は、洛西にある寺です。

 近くには龍安寺、そして仁和寺という有名な大寺院があります。

 その中で、等持院はどうなんでしょうか。

 それなりに有名ではありますが、超有名、というわけではないでしょうか。

 ただ、室町将軍、足利家の菩提寺として知られてはいます。

 霊光殿には、足利十五代将軍の木像が飾られています。

 幕末には、この初代~三代の像の首が、三条河原に晒される事件がありました。

 そういったことで、有名ですね。

 また、昨年亡くなられた水上勉氏は、幼いころ、ここで小僧をしてました。

 氏の『文壇放浪』という随筆に、そのあたりのことは書いてありましたね。

 と、まあ、そういう背景のあるお寺です。

 なぜ、等持院へ行ったのか。

 それは、今が芙蓉の季節だからです。

 何しろこの寺の庭にある池、芙蓉池、と呼ばれているのです。

 今頃は、さぞ芙蓉が咲き誇っていることだろう、と思ったのです。

 が、いってみると、庭に芙蓉の花はほとんど咲いていませんでした。

 咲いているのは一株だけでした。

 どうも納得がいかないものがありました。

 が、拝観受付でもらったパンフレットを見て、合点が行きました。

 そこには、芙蓉の花を形どった庭園、と書かれていました。

 なるほど、芙蓉の花が咲き乱れている、というわけではないのですね。

 少し肩透かしを食らった感じですね。

 しかし、相変わらず落ち着いた感じの、美しい庭です。

 のんびり眺めていると、時間を忘れそうになります。

 庭は南北朝時代の巨人、夢窓疎石の作庭といわれています。

 夢窓疎石と足利家とは、深い関わりがあるので、不思議はないですね。

 足利尊氏の建立した天龍寺の庭園も、夢窓疎石の作庭です。

 等持院のそれは、天龍寺よりも小ぢんまりとしていますが。

 別の趣があると言って良いでしょうね。

 抹茶のサービスも行っていますが、そういう雰囲気があります。

 お茶室もありますから。

 天龍寺のような、大名刹とは、やはり違うということが分かります。

 どちらが良いとは、一概には言えないでしょう。

 が、個人的には、こういう小さな、そして静かなお寺が好きですね。

 芙蓉の花は、門前にもありました。

 写真のものがそれです。

 こちらのほうが近くへ寄れて、良かったですね。

 石庭で有名な龍安寺へ訪れた際、ここへも寄ってみることをお薦めします。

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