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睡眠負債 ― 増大する問題?

2017年09月04日 | 日記

 

睡眠負債 ― 増大する問題?


今日,非常に多くの人々が,たいへんな“負債”を抱えています。
その負債がおもな原因で車をだめにしたり,職歴に傷をつけたり,果ては結婚生活の破たんにさえ至ります。
健康を損ね,寿命を縮めることもあります。その借りがあるために,身体の免疫系が抑制され,種々の感染症にかかりやすくなります。
糖尿病,心臓病,相当な肥満などの様々な健康問題がそれと関連づけられてきました。それなのに,問題を抱える人はその負債にあまり気づいていません。


問題を起こしているのは,睡眠負債です。健康に必要な睡眠をじゅうぶんに取らないと,この負債を抱え込むことになります。
生活パターンのためにあえて睡眠を削ることもあれば,病気のためにやむなく睡眠不足になることもあるでしょう。

医学研究者たちの推定では,現在,世界の人々の一晩の平均睡眠時間は必要量より1時間少なめです。
大したことはないように思えるかもしれませんが,世界で毎晩60億時間の負債が生じていることになるため,睡眠に関係する種々の病気やそれが生活に与える影響についての研究がなされています。


かつて医学界では,慢性的に眠れないのは単一の病気とみなされ,一般に不眠症と呼ばれていました。
ところが米国議会の設置した委員会は,17種類の睡眠障害の存在を確認しました。
それはともかく,不眠の原因は多岐にわたり,たいていは他の何かの問題の表われであると考えられます。ちょうど発熱が何らかの感染症の兆候であるのと同じです。


時たまの睡眠不足でも惨事に至ることがあります。トムの例を挙げましょう。
経験豊富なトラック運転手でしたが,18輪トレーラーを土手に乗り上げ,幹線道路に硫酸400㍑をまいてしまいました。
トムは「眠っていた」と告白しています。米国の2本の幹線道路についての調査では,死亡事故の約50%は居眠り運転が原因であったと推定されました。


睡眠不足の同僚と一緒に働くときの危険についても考えましょう。オーストラリア人の研究者アン・ウィリアムソンはこう述べています。
「17時間ないし19時間一睡もしなかった人たちが幾つかのテストで残した成績は,[血中アルコール濃度]0.05%の人と同じかそれより悪かった」。
つまり,それら被験者たちの身体機能は,国によっては法的に飲酒運転とされる人以下でした。
眠気の絡む自動車事故や職場での事故は毎年,非常に多く生じており,世界中で生産性や家族に与える損失は甚大です。


睡眠負債にはどんな要素が関係しているでしょうか。一つは,24/7とも言われる社会現象,つまり1日24時間,週7日の営業態勢です。
USAトゥデー誌(英語)はこの現象を,「生活様式を変化させている文化的大変動」と表現し,「24時間営業の店やサービス態勢という最近の動向は,時計を無視して利益を上げている」としています。
多くの国々で,睡眠を取るはずの時間帯に人々はテレビの深夜番組を見たりインターネットにつないだりしています。
さらに,感情面のつけを払わされているということもあります。ストレスや生活のテンポが思い煩いを募らせるのです。加えて,種々の身体疾患も睡眠負債の原因となります。


多くの医師は,睡眠負債の問題を患者に真剣に受け止めてもらうのがとても難しい,と述べています。
ある医師によれば,慢性疲労を「一種のステータスシンボル」と考える人さえいるとのことです。
その病状は徐々に進行することが多いので,重い睡眠障害を抱えていても,それに気づかない場合があります。
多くの人は,『年を取っただけ』,『生活がうまくゆかないのですぐダウンする』,『いつも疲れているのは必要な休養が全く取れないから』ぐらいに考えます。

この睡眠負債は,なかなか返すことができません。
それでも,健康的な睡眠サイクルがどのようなものかを理解し,睡眠負債の兆候を見分けられるようになれば,改善しようとの動機が得られます。
重度の睡眠障害の症状を見分けられれば,命を救うことにもなります。


~2004年2月8日の記事より~





【クリック】
眠れない夜に「とりあえず横になる」は危険だ

一部引用


眠れないなら、起きてしまうのも1つの手

では、眠れぬ夜にはどうするのが適当なのでしょうか。私は、研修の受講者やクライアントに対して
「眠れなくて苦しいなら、部屋を明るくして思い切って起きてしまいましょう」とお話しています。

食事を1〜2回抜いたり、時間をずらしたりしただけでは問題がないように、いくら睡眠負債が問題だからといって、数日眠れなかったことで急激な健康被害があるとは思えません。
人間は生命維持のために、絶対に眠らざるを得ないわけですから、「必ずどこかで眠るので大丈夫」「眠くなったら寝る」くらいの、ラクな気持ちを持てるといいなと思います。
眠れないことに対し、必要以上に罪悪感にとらわれることはありません。
実際、そう思うことで「気が楽になって眠れるようになった」という感想をたくさんいただいています。