『砂の器』

連続ドラマ 2004年1月～3月放送

ストーリー ピアニストの和賀英良(中居正広)は、大ホールで大勢の客の拍手を浴びていた。彼は今、世間で最も話題になっている人気ピアニストだ。そんな彼の姿を、ホールの隅でじっと見つめる一人の男、三木謙一(赤井英和)がいた。コンサートを終え車に乗り込もうとする和賀を「秀夫！」と呼び止める三木の声に、和賀は、自分の耳を疑った。とうの昔に抹消したはずの自分の名前を知る男、三木は父親以外で彼の過去を知る唯一の人物だった。病床の父親に会いに行けと和賀を説得し、和賀が忘れてしまいたい過去を掘り返すように何度も「秀夫」の名前を繰り返す三木。和賀は、ついに耐えられず三木を突き飛ばしてしまい・・・。

出演 中居正広,松雪泰子,武田真治,京野ことみ,永井大,松岡俊介,岡田義徳,佐藤仁美,夏八木勲,市村正親,赤井英和,原田芳雄,渡辺謙他

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　原田芳雄さんのご冥福をお祈りして・・・。



　原田芳雄さんが亡くなられたというニュースにはあまりにも突然のことでビックリでした。容態はあまり良くはないとの報道はありましたが、つい先日、出演映画の試写会にも出席されていましたし。実はちょうど中居くんの『砂の器』をまとめてレンタルで見ていた最中なので、余計衝撃は大きくて・・・。しかもちょうど昨夜は最終回を見ていたし・・・。

　大御所俳優と呼ばれる方々は当たり前だけど年齢もそれなりに重ねているのだから、健康にはやっぱり不安はつきものだけれど、こう次々と亡くなられてしまうのは本当に残念です。先日の児玉清さんもそうですし、数年前に亡くなられた緒形拳さんもそうなんですが・・・。

　原田芳雄さんというと、私は妻夫木くんの『ブラックジャックによろしく』での北先生が印象深いです。妻夫木くんも追悼コメントを出していたなぁ・・・。

　というわけで、原田さんのご冥福をお祈りして、中居くんの『砂の器』の感想を。


　松本清張原作で、これまでに映画・ドラマでも何度か映像化されているそうですが、私はこの中居くん主演のドラマを見たのが初めてでした。リアルタイムでも見ていたのですが、たまたまツタヤで目に留まって、懐かしいなぁと思い、まとめてレンタルして見直したんです。

　中居くんは基本バラエティやＭＣが主なので、ドラマや映画に出演するのは数年に1本っていうペースだし、出演作品もどちらかというと素の中居くんに近いキャラの明るいコメディタッチの作品によく出演しているように思うけど、私は中居くんのシリアスな演技が結構スキなんです。普段の中居くんと全く逆のキャラを演じているのにとても惹かれる。『白い影』でのシリアスな中居くんを以前に見ているので、全然違和感がないのかも。今作を制作したのも『白い影』のスタッフさんたちなので、ほんとに丁寧に重厚に作られていますし。

　改めて感じるのは、中居くんって演技がほんと上手いなぁ、って思う。こういうシリアスな作品こそ、中居くんの演技が光るというか。繊細で丁寧でありつつ、微妙な気持ちの変化等もしっかり表現している中居くんはスゴイ。ラストに原田さん演じる父親と再会して、赤井英和さん演じる三木を殺害してしまったと告白するシーンは声あげてワンワン泣いちゃったし、その三木を殺害するシーンでの中居くんの狂気にとりつかれたような表情、そしてただ無心に三木を殴り続ける姿にはただただ恐怖で・・・。

　やっぱ、凄いよ、中居くん


　本浦親子の別れのシーンはこれだけ見ても泣きそうになります




　脇を固める役者さんたちもクレジットを見れば分かるように、ほんとに皆さん上手い方ばかり。また毎回出演があるわけではなくほんの数シーンの出演だけなのに、最終回で原田さんの妻役にかとうかずこさん、また渡辺謙さんの妻役が森口瑶子さんだったりとほんと豪華。中居くんの幼少時代を演じた齋藤隆成くんは今作をきっかけに一躍注目されましたよね。しいていえば、松雪さんは今作のオリジナルキャラだそうですが、わざわざ作らなくても良かったんじゃないかな、とちょっと思うところもあるけどまぁ、でも話の設定も原作で描かれている時代ではなく現代に置き換えたもので、元々の発端となった事件や和賀の過去も変わっているそうなので、まぁいいのかな。

　でも、いずれにしても残酷で悲しい物語ですよね・・・。「宿命」という言葉がずしんと心に落ちてくるような・・・。


　ドリカムの主題歌も印象深かったけど

　ドラマの世界観に合っていて素敵な曲だけれど、ＰＶの解釈が難しいです




　やっぱり中居くんの『砂の器』といえば、この曲でしょうね。

　「宿命」(この映像では作曲された千住さんご本人が指揮をされてます。)



　千住明さんのオリジナル交響曲で、ドラマ本編で弾いているのはあの羽田健太郎さん。ドラマを見ていなかった方でもこの曲を聴いたことのある方は多いはず。私はこの曲を聴くだけでもいまだに泣きそうになります。

　やっぱスゴイですね、千住さん。