地域医療の崩壊が、ここ生駒市に限らず全国レベルで起きています。誠に嘆かわしいことです。
何故こんな悲惨な事態に陥ってしまったのでしょうか。理由は多様です。
1.医師の数が少なすぎる(女性医師の比率が高くなっていることもあります)
2.勤務医数が少ない。一方開業医数が多い。
3.本当の意味での地域医療連携ができていない。
4.開業医のサラリーマン化。
5.その他諸々の要因。
今日は、4.開業医のサラリーマン化 について述べます。
私の幼い頃は、開業医さんは昼も夜もありませんでしたし往診も当たり前でした。
現在はどうでしょうか。「ビル診」が増え、診療時間が終われば遠く離れた自宅に帰ります。急患があっても医者はいませんし、連絡も取れない場合も多いのです。
「かかりつけ医」という定義から外れた開業医が多くなっているのです。開業医がサラリーマン化する気持ちも解らないではありません。夜昼なく働き、急患にも対応し、場合によっては、救急病院へ同行するといった激務では、命を縮めてしまうかもしれません。人間ですから、御身大切で楽して儲けたい気持ちになるのも当然と言えば当然です。
でもちょっと待ってください。そもそも医師になれたのは、自分の優れた能力の故だと自惚れていませんか。
国公立に限らず私立であっても、医科大学に巨額の国費(=我々の税金)投入されているいるのです。簡単に言えば、一般庶民の税金で医師の資格を貰えたわけです。であるならば、市民にその恩返しをしてもらわなくてはなりません。
この謙虚な気持ちを忘れてしまっているところに、開業医の本質的な問題があるように思えてなりません。
奈良県においても新医療計画が策定され、地域医療の再生に向けての方策が書かれています。仏様はできます。しかし、その計画遂行上最も大切なことは、”仏様に魂を入れる”ことです。
魂を入れる第一歩が、開業医のサラリーマン化の是正だと思います。激務をこなしている勤務医とタイアップし、勤務医と同じ目線で患者を診てゆく。制度の問題ではなく医師の本来の基本姿勢の問題です。
奈良県新医療計画、生駒市立病院計画等を良い機会にして、開業医の意識や姿勢が良い方向に変革されることを切に願っています。医師会もここに焦点を当てて地域医療再生に取り組んで欲しいものです。
毎度開業医(医師会)批判めいた話ですみません。
工学部、理学部、経済、文学部などにも医療支援的お願いをする必要があるのではないでしょうか。
コメント有難うございます。
仰ることはよく理解できます。
何故医学部に特段の税金を投入しているのかという点を指摘したまでです。
医師というものは、育成にお金がかかります。
それだけ国民に期待されていることの裏返しなのだと考えます。
プッツンしてしまってはお終いです。
政治が悪い、行政が悪い、医師会が悪い、市民が悪い で終わってはいけません。悪いところは指摘し合い、関係者が切磋琢磨してみんなで作り上げてゆくことではないでしょうか。
私のときは年間15万で大学に通えました。医学部も文学部も同じ金額です。ましてや医学部は病院を抱えてますから文系や他の理系に比べて利潤を生むことさえ可能です。現実には赤字なんでしょうが自治体から投入される「病院に対する」交付金などがあるはずですので、ほかの学部が実験、実習などで消費一辺倒に比べ、利潤をあげているのが医学部のはずです。
開業医のサラリーマン化をお嘆きのようですが、私はむしろ歓迎すべき事態と考えます。むかしは「ごめんね」ですんでいたようなことが今やクレームや訴訟となって跳ね返ってきます。ですから先の読めるものから順に自己防衛として「サラリーマン化」して、自己陶酔型ほど激務型の病院に勤務して訴訟を食らうのです。そういう熱血漢がいないと医療が成り立たないのは事実ですので、是非管理人様に置かれましては医学部に入学、国試を通られましてから、外科系の最前線へお進みいただければ幸いに存じます。
医師を焚き付けるばかりでは説得力を欠きます。どうして管理人様ははそうなさらないのですか?
誰が一番悪いのか、私はよくわかりませんが、
>関係者が切磋琢磨してみんなで作り上げて
>ゆくことではないでしょうか。
などと、少なくとも自分に責任が来ないようなことを言う人が一番悪い人のように思えます。
私の意見は、個々人ベースで誰が良い悪いという話ではないのです。政治、地方行政、医師会や病院関連団体、業者そして市民が、この日本の医療の仕組を作り上げてしまったのです。そしてそこに様々な問題が噴出してきたのです。
「合成の誤謬」という言葉があります。
fumichan様の考えや行動は個人としては正しいと考えますが、では勤務医全体では正しいのか、病院団体としては正しいのか、さらには日本医療界全体としては正しいのか。
個人としては正しいことをやっているのに、どうして日本全体として変な方向に向かってしまうのか。こうした話は医療界に限ったことではありません。特にデフレ不況の時代では、いたるところで同じような局面が見られます。
そうなると、個人ベースでは空しさのみが感じられますし、全てにおいてやる気が失せてしまいます。
こんな日本に誰がした と嘆いても仕様がないので、気合と肉体的に衰えつつある私ですが、今できることをやっています。
ただし、それが「合成の誤謬」にならないよう祈るばかりですが…。
これからも厳しくご指導ください。
高額な医学書を、俺は全部自分の銭で買ったぞ。
実験だって実習だって、解剖のご遺体を除けば、工学部や薬学部で扱う超高額な備品や薬品は一切使わなかった。当たり前だ、難しい化学物質を合成する訳じゃないんだからな。
医者の育成費用ってのは、つまるところ、医学部の運営資金の事だろう?
馬鹿などんぶり勘定をしてもらっちゃ、困るね!
大学病院の運営費には、民間病院の数倍の人件費を食う無駄飯ぐらいの事務員の人件費と、点滴一つ採血一つしない無駄飯ぐらいの大学ナースの人件費が、たっぷり含まれてるんだ。
俺たち医者は、そんな連中から被害を受けこそすれ、連中から何か教わったり、何か指導をしてもらった事など、一切ない。
大学病院に掛かる無駄きわまる冗費を、学生一人あたりの頭数で割って貰っては困るんだよね、事実じゃないし!!
一人あたりの育成資金が一番掛かってるのは、高額な機材を要する工学部だっての。次が、やはり高額な薬剤を消費する薬学部であり、広大な農地とバイオテクノロジー系の施設を要する農学部だって、非常に銭がかかるんだよ。
医学部なんぞは、非常に安くつく学部なんだよ。
「政治、地方行政、医師会や病院関連団体、業者そして市民が、この日本の医療の仕組を作り上げてしまったのです。」
いいかね、虫垂炎を日本で手術すると15万円程度。
上海なら25万、アメリカなら100万以上。
日本の医療費なんぞは、今や中国の都市部以下の銭なんだよ。
この仕組みを作ってきたのは、はぁ?政治、地方行政、医師会や病院関連団体、業者そして市民だと?
馬鹿をいうな、この仕組みを作り、一番おいしい思いをしてきたのは、「市民」じゃねーか。業者も医者も、この低医療費のために、泣いてきたんじゃねーかよ。
甘えきった事を言うな、この腐れ切った仕組みを作ってきたのは、市民だよ、市民。
台湾の李登輝元総統が言った、「世界では大金持ちしか受けられん医療を、日本では乞食でも受けられる」ってな。
だが、もうそんな甘い思いは決してさせんぞ。
思い上がった市民どもに、鉄槌が下される日が来たのだ。銭を払わねば良い医療は受けられない、この事実を思い知る時が、きたんだよ。
医師というものは、育成にお金がかかります。
医学教育は座学がほとんどです。どこにお金がかかるんですか?
高価な試薬やディスポ機材など使った覚えがありません。
まさか,高額医療機器の購入費用なども「医師の育成費用」に入れてないでしょうね。