大きなプロジェクト、そして大きなデベロッパーになると、
中国人だけでは経験が足りない、ということで
中国語に精通した香港人や台湾人、シンガポリアン達が
重要な役職についてプロジェクト体制が組まれることが多い。
場合によってはそれが韓国人や日本人になることもある。
今上海でやってる大型商業施設は延床面積で14万平方メートルほど。
日本だと非常に大型の部類。中国でも比較的大型です。
そして建築だけは計画が進んでいて、肝心の中身(テナント構成)は
まだまだ決まっていないという中国でよくある開発計画です。
日本の会社として商業コンサルティングを受けることになり、
その場のポテンシャルに合わせた中身を考えるにあたり、
建築条件や消防などの法規との照らし合わせが重要になります。
一部テナント構成によって建築の修正が求められます。
特に最近は地下の計画での書房規制が厳しくなってきています。
ただし、我々コンサルの意見が通るかどうか、
それはクライアント社内の体制や政府への交渉力が求められます。
特に中国もまだまだ発展途上にある国で、全てが法規化されているわけではないので、
例えコンセプトがよくても政府との交渉力が弱くては実施は不可能です。
そこで重要になってくるのが政府交渉を担当するクライアント側です。
その人物は、現地政府に精通している中国人である必要があります。
そういう実施・推進していく段階で一番中途半端なのが外国人。香港・台湾・シンガポール。
中国語は話せても、現地で推進していく力は弱い。
そして中国人との密で有益なコミュニケーションを取ることは難しい。
給料やタイトルは高いけど、推進力を持たない立場の人は社内中国人にも尊敬はされない。
そういう状況を見るにつけ、
中国で中国語を話して仕事をする外国人の中途半端さを実感する。
「今後も発展する中国語が話せれば将来仕事に困らない」
というような文句を目にすることも多いが、果たして本当にそうか?
「中国以外の国で華僑と仕事をする上でも中国語は有益」
という人もいるが、華僑は大体英語を話せるので英語ができれば事足りる。
中国経済は今後も発展するし、中国語を話す人口は今後も増える。
そして中国語の重要性は今後も増す。
ただしそれは中国国内の発展に寄与し従事する場合、だと思う。
日本人をはじめ、外国人が中国国内での経済活動で活躍していく未来は明るくない。
中国はより内向きの傾向を強めているし、今後はもっと強くなるように思う。
というようなことを、プロジェクトの推進現場を通して感じました。
日本のプレゼンスや価値をこの国でギリギリ保てるのもあと数年かな。。。
I.Takashi