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2005年1月:キャンパス・コンピューティング調査

2005年07月20日 | Weblog

Kim の手記:
2005年1月:キャンパス・コンピューティング調査
著者 Kim Jones、VP Global Education/Research Sun Microsystems, Inc.

2005年という新しい年が明けましたが、最新(2004年)のキャンパス・コンピューティング調査の結果を見ると、アメリカの大学(総合大学、単科大学)は、ここ数年間のIT投資や新規事業を鈍らせてきた予算削減から徐々に解放されているように思われます。

2004年の他の調査データからは、ITセキュリティとERP問題が最大の関心事であること、オープンソース・アプリケーションの採用について慎重な姿勢を採る大学が多いこと、ワイヤレス・ネットワークの導入計画が増加していることなどが分かります。これらのトレンドを理解すれば、将来の戦略上の優先順位を的確に決定することができます。

予算削減の緩和
2004年の調査結果によれば、IT予算に関しては削減緩和という明るい兆しがみられます。調査の回答者のうち、IT予算の削減を報告したのはわずか24.3%であり、2003年の41.3%と比べて減少しました。IT予算については、私立大学のほうが公立大学よりも若干多くの金額を確保できているようです。実際、IT予算が増加したと回答したのは私立大学の41.2%を占めており、公立大学の31.9%よりも多くなっています。

増加した予算は、どのような分野に使われたのでしょうか?当然のことながら、ネットワークのセキュリティと管理(またはERP)関連の予算がリストの先頭を占めています。調査の回答者のうち約60%がネットワーク・セキュリティ関連予算の増加を報告し、約40%がERPソフトウェア/サービス関連予算の増加を報告しています。

IT予算削減の緩和を示すもう1つの指標として、2004年には年の途中における予算削減を報告した大学の割合が減少したことが挙げられます。このような予算削減を報告した回答者は19.2%であり、2003年調査の32.4%から減少しました。また、年の途中における予算削減率も顕著に減少しています。2004年の平均削減率は1.5%であり、2003年の9.5%と比較してかなり低下しています。

ネットワークのセキュリティが最大の関心事
今後2~3年の期間で最も重要と思われるIT課題については、ネットワークおよびデータのセキュリティと回答した大学が最も多く、それに続いて、IT技術を教育手段として活用すること、管理システムやERPシステムをアップグレードすることなどが挙げられました。これらは特に驚くべき結果ではありません。Chronicle of Higher EducationおよびGartner調査によれば、アメリカの高等教育機関の約72%がウィルスを原因としてネットワークに大きな被害を被ったことがあり、約59%がサービス拒否(DOS:Denial of Service)攻撃を受けたことがあります。

サンのセキュリティ担当役員であるWhitfield Diffieは、次のように語っています。
「従来、セキュリティは一種の保険と考えられていました。しかしながら、今日、セキュリティはライフスタイルの一部になっており、ユーザーはすべての側面からセキュリティを考慮する必要があります。サンはセキュリティを二次的要件と考えたことはありません。サンは単にセキュリティ製品を作っているのではなく、すべての製品やサービスにセキュリティを組み込んでいるのです。」

たとえば、最近リリースしたSolaris 10オペレーティングシステムは、メインフレーム水準のセキュリティを妥当なコストで提供することができます。また、Sun Java Enterprise Systemでは、高水準のセキュリティと集中化されたアイデンティティ管理がサポートされます。さらに、教育機関はSun Rayシンクライアント・ワークステーションに移行することによって、PCに固有のセキュリティ・リスクを回避できます。

2004年のキャンパス・コンピューティング調査では、関連トピックとして、キャンパス・ネットワークでのデジタル・コンテンツの配布について、大学側が未許可のピアツーピア(P2P)配布を防止する努力を続けていることが取り上げられています。教育手段としてデジタル・コンテンツが使用される機会が増えているため、これは特に重要です。実際、調査に参加した教育機関の4分の3(76.3%)がデジタル・コンテンツの「適正な利用」に関するポリシーを制定しています。この割合は、2003年の3分の2(66.2%)から増加しています。

教育手段としてIT技術を利用する傾向の拡大
教育機関でのもう1つの重要な課題として、さまざまなIT技術が教育手段に利用される機会が増えていることが挙げられます。2004年のキャンパス・コンピューティング調査では、大学(総合大学、単科大学)の76%が電子メールを使用しており(ちなみに10年前の使用率は8%)、半分以上が何らかのインターネット・リソースや講習用Webサイトを使用していることが分かりました。2004年には、キャンパス・ポータルを導入した大学も増加しました。2004年10月の時点で、約40%の大学が(シングル・サインオン型)キャンパス・ポータルを運用しています。

オープンソースに対する慎重な姿勢
2004年の調査結果からは、大学のITスタッフがオープンソース・アプリケーションの採用について慎重な姿勢を採っていることが分かります。調査への参加者の半分以上が「オープンソースはキャンパスのIT戦略でますます重要な役割を演じる」と回答しました。しかしながら、大学の主要な管理アプリケーションやERPソフトウェア(学生情報システム、大学財務アプリケーションなど)に対してオープンソースが「有望な代替手段を提供」することに賛同したのは、回答者の1/3未満(28.9%)にすぎませんでした。

「この調査結果は、大学のITスタッフがオープンソースに基づく管理アプリケーションに関して"迷いながらも肯定的な見解"を持っていることを示すもの」と、Campus Computing Projectの設立理事であるKenneth C. Green氏は述べています。Green氏はまた、大学の“バックルーム”ITオペレーションの一般的な要素としてオープンソース・アプリケーションが既に利用されていることに注目しています。Green氏によれば、オープンソースに関して長い期間問われてきた疑問の1つに「技術者以外の一般ユーザーがデスクトップ上やラップトップ上で使用する複雑な管理アプリケーションを開発・サポートすることのコストとメリット」があります。

サンは業界においてオープンソース・コードに極めて大きな貢献を果たしてきた企業の1つです。主要な教育機関をサポートするために、サンの経営陣と技術者はオープンソースに関する様々な疑問点に答え、ベストプラックティスと戦略の伝授を通じて次世代の教育インフラの構築・導入・管理を強力に推進しています。その一例として、サンはグローバルな教育コミュニティ「Global Education and Learning Community (GELC)」を先導しています。GELCはオープンソース関連の研究者や教育者が集まるコミュニティであり、オープンソースの教育ツール、オープン規格の学習環境、オープンコースの学習資料などの検索、開発、共有のための手段を提供します。

WiFiネットワークの導入計画の継続的増加
2004年のキャンパス・コンピューティング調査の結果から、大学においてワイヤレス・ネットワークの導入計画が引き続き増加していることが分かります。50%以上の大学がワイヤレス・ネットワークの導入に関する戦略的計画を報告していますが、この割合は2001年の24.3%、および2003年の45.5%から増加しています。さらに印象的な点は、80%を越える大学がワイヤレスLANを計画していることです。

前出のKenneth C. Green氏は次のようにコメントしています。
「企業や一般消費者の市場と同様に、大学のキャンパスでもワイヤレス・テクノロジーは明らかに爆発的な普及を見せています。最近、一般消費者の間で安価なWi-Fiテクノロジーが急速に普及していることも、ワイヤレス・サービスに関する期待に拍車をかける要因の1つです。家庭で既にWi-Fiを利用している学生や教職員がキャンパスに来て、教室、事務室、寮、中庭などでワイヤレス・サービスを利用できなければ、不思議に思うでしょう。」

キャンパス・コンピューティング調査の概要
キャンパス・コンピューティング調査は1990年にCampus Computing Projectが開始したもので、現在では、アメリカの高等教育機関におけるコンピューティングやITの動向を継続的に調査・分析する最大の資料となっています。

この調査は、総合大学と単科大学の役職員(主に、CIO、CTO、上級ITスタッフなど)が提供するデータ(各種質問への回答)に基づいて行われます。2004年の調査は、アメリカ国内の516の総合大学と単科大学(2年制および4年制、公立および私立)を対象としています。この調査への参加者は2004年の夏から秋にかけて質問に回答し、Campus Computing Projectが2004年10月に調査レポートを公表しました。調査レポートの詳細は、http://www.campuscomputing.net/ で参照できます。
  

サンはISVおよびハードウェア・パートナーと連携し、教育機関向けに申込制の柔軟で新しいWi-Fiソリューションを開発しました。このSun Campus Wi-Fiソリューションには初期費用が不要であり、学生または申込者の数に応じて毎月の料金が課金されます。Sun Campus Wi-Fiソリューションでは、屋内および屋外でWi-Fiネットワークを使用するのに必要なすべてのサービス(ハードウェア、ソフトウェア、サポート、インストール、日常のメンテナンス、アップデート、テクノロジー更新など)が提供されます(本ソリューションは現在米国での提供のみとなっております)。Sun Campus Wi-Fiソリューションの詳細について各地域のサン代理店からの連絡をご希望の場合は、Site-TKY@sun.co.jp 宛てに電子メールを送信してください。

ITサービスの評価の必要性
今回の調査の回答者はキャンパスのITプロジェクトやITサービスを評価・分析することの必要性を認識していますが、IT評価プログラムを既に開発している教育機関は比較的少数です。教育サービスやアカデミック・プログラムに対するITのメリットを定期的に評価していると回答した教育機関は、全体の僅か3分の1でした。

しかしながら、ITサービスの適正な評価は、大学や教育機関のITスタッフがIT投資の優先順位を決めるのに役立つことは明らかです。IT予算の動向が若干改善されているとは言え、大学や教育機関はいまだに深刻な財政難に直面しています。サンの顧客間に最近見られる傾向として、従業員の増員や新しい設備の構築ではなく、既存のITインフラストラクチャを統合して、教育プロセスを効率化する新規テクノロジーに焦点を当てるという戦略が主流となっています。

サンは数多くの教育機関が直面している予算制約を十分に理解しているため、StarSuite統合オフィスツールSun Academic Initiative (SAI)Sun Software Programs for Education (EduSoft)など、無料または非常に低コストのプログラムを提供しています。

年次のキャンパス・コンピューティング調査は、教育機関におけるコンピューティングやITに関する問題を理解するのに極めて有用な情報源です。教育機関向けコンピューティングで20年以上の経験を持つサンは、教育関連のさまざまなテクノロジー課題に対するソリューション開発をサポートする機会を持つことを楽しみにしています。是非ともサンの力をお試しください。

サンはお客様とともに、刺激的で実りある2005年を過ごせることを期待しております。

敬 具

Kim Jones
VP Global Education/Research Sun Microsystems, Inc.


 

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